薬剤耐性に有効な新規抗マラリア薬の創製研究
業 績 マラリアは年間100万人以上が命を失う重篤な熱帯感染症である。近年,薬剤耐性マラリアの出現と蔓延により,状況は悪化している。しかもマラリアは,発展途上国の疾病であり,先進国の製薬会社による新たな治療薬の開発は期待できない。
氏は,従来臨床で用いられてきた抗マラリア薬に匹敵する新規抗マラリア化合物を開発した。この化合物は既存の抗マラリア薬に耐性を示すマラリアに対しても効果があり,大量で且つ,安価に合成できるため,発展途上国に供給できる可能性が高い。さらに,現在,その作用機構の解明を行っており,将来,仮に耐性マラリアが出現してもその作用機構から,適切な対処法が見いだすことが出来る。
本研究成果は,薬剤耐性マラリアの治療を可能とし,マラリアの撲滅に寄与するものであり,ひいては,日本の国際貢献となるものと期待される。
主要論文:「新規1,2,4,5-テトラオキサシクロアルカン類の合成と抗マラリア活性研究」Journal of Medicinal Chemistry誌,44(14),p2357-2361,2001年7月発表
主要論文:「1,2,5,6-テトラオキサシクロアルカン類と1,2,5-トリオキサシクロアルカン類の抗マラリア活性に関する研究」Journal of Medicinal Chemistry誌,46(10),p1957-1961,2003年4月発表
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