国立大学法人 岡山大学

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沈副所長・教授が「平成29年(第11回)みどりの学術賞」受賞

2017年05月09日

 本学異分野基礎科学研究所(RIIS)の沈建仁副所長・教授が4月28日、「平成29年(第11回)みどりの学術賞」(主催:内閣府)の授与式である「みどりの式典」に出席しました。
 同賞は、国内において植物、森林、緑地、造園、自然保護等に係る研究、技術の開発、その他の「みどり」に関する学術上の顕著な功績のあった個人に対して内閣総理大臣が授与し、その功績を讃えることにより、「みどり」の大切さについて広く国民の理解を深めることを目的としています。
 式典は天皇皇后両陛下の御臨席のもと、憲政記念館(東京都千代田区)で開催されました。式典には三権の長、文部科学大臣、農林水産大臣、国土交通大臣、環境大臣らが出席。本学からは、槇野博史学長と佐藤法仁副理事・URA、山本進一エグゼクティブ・アドバイザーらが参列しました。
 今回、沈教授は、「光合成の酸素発生機構の原子レベルでの解明」に関する功績が認められ受賞が決定し、訪英中の安倍晋三内閣総理大臣に代わり菅義偉内閣官房長官より賞状が授与されました。
 沈教授はこれまでに光合成の酸素発生機構を原子レベルで解くことにより、光合成研究を新たな地平へと導いてきました。2011年には、水分解・酸素発生反応を引き起こす「光化学系II」タンパク質の構造を、世界最高の解像度で明らかにすることに成功しました。この成果はアメリカの国際科学雑誌Scienceの『2011年に得られた科学10大成果』 の一つに選ばれるなど、国際的にも高く評価されています。
 式典の後のレセプションでは、天皇皇后両陛下が沈教授とお言葉を交わされ、沈教授は受賞の喜びとともに「研究をより加速させて、社会にみどりの力の一つである光合成の原理を還元し、よりよい社会の構築に貢献していきたい」と抱負を述べました。
 本学は、平成25年8月に文部科学省が日本のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)の一つであり、「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」としての高い研究力を有しています。その一つとして資源植物科学研究所(IPSR)は、Top10%補正論文割合(Q値)の最も高い組織として評価されています。また、「平成23年(第5回)みどりの学術賞」では、本学の佐藤公行名誉教授が受賞するなど、我が国のみならず世界の植物学分野を先導し続けています。今後も強みある植物学分野の研究力強化促進をはじめ、異分野融合から生まれるさまざまな研究成果をもとに、私たちの生活と地球環境をより豊かにしていけるように活発な取り組みを進めていきます。
 なお、今回の受賞と「みどりの月間」(4月15日~5月15日)にあわせて日本科学未来館(東京都江東区)では、沈教授らの研究成果に関するイベントを開催。7月2日には受賞記念講演会が同館で開催される予定です。

みどりの学術賞(内閣府):http://www.cao.go.jp/midorisho/index.html

【本件問い合わせ先】
異分野基礎科学研究所 副所長・教授 沈建仁
TEL:086-251-8502

(17.05.09)


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