国立大学法人 岡山大学

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がん細胞が分泌する小胞から腫瘍促進因子を発見

2018年05月31日

 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科の小野喜章大学院生、江口傑徳助教、十川千春准教授ら(歯科薬理学分野)の研究グループは、がん細胞が分泌する細胞外小胞(Extracellular vesicle: EV)が口腔がんの進行に関与していることを明らかにしました。本研究成果は5月16日、英国の細胞生化学専門誌「Journal of Cellular Biochemistry」に掲載されました。
 本研究では、転移性の高い口腔がん細胞が分泌する細胞外小胞が、細胞を修復する働きを持つ熱ショックタンパク質(Heat shock protein: HSP)をより多く含む傾向にあることが発見されました。本研究成果により見出されたHSPは、細胞外小胞に含まれる新規バイオマーカーとして、臨床への応用が期待されます。
◆発表のポイント
・がん細胞が分泌する細胞外小胞が口腔がんの進行に関与することを解明しました。
・転移性の異なる口腔がん細胞を調べたところ、高転移性の口腔がん細胞が分泌する細胞外小胞に熱ショックタンパク質の一種が多く見られました。
・口腔がんの早期発見、早期治療法開発に寄与する発見です。

◆小野さんからのひとこと
研究を始めて間も無いですが、こうして評価いただけることを大変嬉しく思います。本研究に際して、様々なご指導を頂きました多くの先生方に深謝いたします。

小野さん
◆江口助教からのひとこと
小胞から良いバイオマーカーが見つかっただけでなく,これを標的して転移性癌細胞の死滅に成功しました.この先の発展が楽しみです.

江口助教




■論文情報
 論 文 名:HSP-enriched properties of extracellular vesicles involve survival of metastatic oral cancer
      cells
 掲 載 紙:Journal of Cellular Biochemistry
 著  者:Kisho Ono, Takanori Eguchi, Chiharu Sogawa, Stuart K Calderwood, Junya Futagawa,
      Tomonari Kasai, Masaharu Seno, Kuniaki Okamoto, Akira Sasaki and Ken-ichi Kozaki
 D O I:10.1002/jcb.27039
 U R L:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/jcb.27039

<詳しい研究内容について>
がん細胞が分泌する小胞から腫瘍促進因子を発見

<お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
助教 江口 傑徳
(電話番号) 086-235-6662
(FAX番号) 086-235-6664

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