国立大学法人 岡山大学

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歯周病は遺伝子の個人差より特定の細菌の存在がリスクになることを明らかに

2021年07月29日

◆発表のポイント

  • 歯周病は歯を失う主な原因の一つで、さまざまな病気と関連することが報告されています。
  • この研究はリスクファクターとして口腔内細菌叢と遺伝子の個人差(遺伝子多型)を同時に評価した世界初の研究です。
  • 遺伝子の個人差よりも特定の細菌の存在が歯周病のリスクファクターとして重要である可能性を明らかにしました。

 岡山大学学術研究院医歯薬学域(歯)予防歯科学分野の外山直樹助教・江國大輔准教授・森田学教授、京都府立医科大学小山晃英講師・松井大輔助教、名古屋大学中杤昌弘准教授および理化学研究所桃沢幸秀チームリーダー・久保充明チームリーダー(研究当時)の共同研究グループは、歯周病のリスク因子として、特定の細菌(Porphyromonas gingivalis,Lactobacillaceae属,Desulfobulbaceae属)が関係していること、また、歯周病原細菌の存在は遺伝子多型よりもリスクが高い可能性を、世界で初めて明らかにしました。本研究の結果は、歯周病予防のためには、上記細菌の存在を評価することが重要になることを示唆しています。
 本研究は、2021年6月14日にスイスの学術誌「International Journal of Environmental Research and Public Health」のオンライン版に掲載されました。

◆研究者からのひとこと

診療で様々な人の口の中をみており、一生懸命歯磨きをしているのに歯茎に炎症がある人もいれば、歯磨きがおおざっぱでも何も問題ない人がいます。
この研究では、歯周病になりやすい人となりにくい人の違いは特定の細菌がいるかどうかであることを示しています。
将来的には、歯周病のリスクを網羅的に把握し、個人のリスクに合わせたオーダーメイド予防の確立を目指して今後も研究を続けていきます。

外山助教

■論文情報
論 文 名:Comprehensive Analysis of Risk Factors for Periodontitis Focusing on the Saliva Microbiome and Polymorphism
掲 載 紙:International Journal of Environmental Research and Public Health
著  者:Naoki Toyama, Daisuke Ekuni, Daisuke Matsui, Teruhide Koyama, Masahiro Nakatochi, Yukihide Momozawa, Michiaki Kubo and Manabu Morita
D O I:10.3390/ijerph18126430
U R L:Comprehensive Analysis of Risk Factors for Periodontitis Focusing on the Saliva Microbiome and Polymorphism

<詳しい研究内容について>
歯周病は遺伝子の個人差より特定の細菌の存在がリスクになることを明らかに


<お問い合わせ>
岡山大学学術研究院医歯薬学域(歯)予防歯科学分野
教授 森田 学
(電話番号)086-235-6712
(FAX)086-235-6714

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