学部紹介

ホーム > 学部紹介 > 農芸化学コース > 糖鎖機能化学

糖鎖機能化学 (Functional Glycobiochemistry)

第3の生命鎖:糖鎖の機能に焦点を当てた生命化学研究

教員

Yoshinobu KIMURA 教授 :木村 吉伸  Prof. Dr. Yoshinobu KIMURA
E-mail: yosh8mar@ (@以下はokayama-u.ac.jp を付けてください。)
専門分野: 応用生物化学,糖鎖生物学
複合糖質の構造・機能解析と利用,糖鎖代謝に関わる酵素群の機能・遺伝子解析
Megumi MAEDA 助教 :前田 恵  Dr. Megumi MAEDA
E-mail: mmaeda@ (@以下はokayama-u.ac.jp を付けてください。)
専門分野: 応用生物化学,糖鎖生物学
複合糖質の構造・機能解析と利用,糖鎖代謝に関わる酵素群の機能・遺伝子解析

主な研究テーマ

 「糖鎖」は,「核酸」や「タンパク質」とともに,生命現象の根幹を支える鎖状の生体分子で「生命鎖」とも呼ばれます。酵母やカビから動植物に至る全ての真核生物は,多様な構造の糖鎖を合成し,それらをタンパク質や脂質に結合させることで高機能性を付与した生体分子を創りだします。これらの糖鎖複合体(糖タンパク質や糖脂質)は,多細胞生物の発生・分化・成長過程で重要な役割を担うとともに,アレルギーやがんなどの様々な疾病に深く関わっています。本研究ユニットでは,糖鎖の多彩な生理機能を生化学的・分子生物学的手法により明らかにする基礎研究と,それら多様な糖鎖機能を植物育種,機能性食品開発,薬剤開発に利用する応用研究を行っています。

植物成長や果実熟成に関わる糖鎖機能解析と糖鎖関連遺伝子を利用した植物育種技術の開発

 伸長中の実生胚軸や熟成段階の果実には,タンパク質から遊離した糖鎖(N-グリカン)がマイクロモル濃度で存在しています。植物の分化・成長に関わるこれら遊離型糖鎖の生理機能解析と細胞内タンパク質品質管理系に関わる糖鎖遊離機構の解析を進めることにより,それら機能性糖鎖,糖鎖代謝に関わる酵素及び遺伝子を利用した植物バイオテクノロジー開発を目指します。

 イネ実生の成長組織に発現している糖鎖遊離酵素の蛍光抗体染色写真

植物及び昆虫が産生する抗原性糖鎖の免疫活性解析と糖鎖薬剤開発への応用

 植物や昆虫が産生するタンパク質は哺乳動物にとって強力なアレルゲン(花粉アレルゲン,食品アレルゲン)になる場合があり,それらアレルゲンの多くには抗原性の強い糖鎖(抗原性糖鎖)が結合しています。そこで,我々は抗原性糖鎖の構造特性とヒト免疫系に及ぼす生理活性について解析を行っています。植物抗原性糖鎖がヒト免疫細胞 (Th2細胞)のサイトカイン分泌を調節する活性を有することを見いだし,植物糖鎖の免疫活性の応用を目指した研究を進めています。

 糖鎖代謝酵素の分子モデル

タンパク質フォールディングに関わる遊離N-グリカンの in vivo / in vitro 機能解析と応用

 植物動物の細胞内あるは組織中には,遊離型のアスパラギン結合型糖鎖(遊離N-グリカン, FNG)が遍在しています。我々は遊離N-グリカン (FNGs) が mM 濃度で変性タンパク質のフォールディングを促進することを見出し,タンパク質品質管理系に関わる FNGs 機能を生化学的・物理化学的手法で解析しています。タンパク質フォールディングに関わる糖鎖機能の新たな概念を確立することと,FNGのシャペロン様機能の産業への応用利用を目指して研究を進めています。

 遊離N-グリカン(FNGs)のタンパク質フォールディング促進活性

研究業績リスト

・Molecular characterization of second tomato α1,3/4-fucosidase (α-Fuc’ase Sl-2), a member of glycosyl hydrolase family 29 active toward the core α1,3-fucosyl residue in plant N -glycans. Rahman, Md.Z., Tsujimori, Y., Maeda, M., Hossain, Md.A., Ishimizu, T., and Kimura, Y. J. Biochem., https://doi.org/10.1093/jb/mvy029 (2018).
・Novel assay system for acidic Peptide:N-glycanase (aPNGase) activity in crude plant extract. Uemura, R., Ogura, M., Matsumaru, C., Akiyama, T., Maeda, M., and Kimura, Y. Biosci. Biotechnol. Biochem. https://doi.org/10.1080/09168451.2018.1459464 (2018).
・Glycoform of a newly identified pollen allergen, Cha o 3, from Chamaecyparis obtusa (Japanese cypress, Hinoki). Osada, T., Maeda, M., Tanabe, C., Furuta., Vavricka, J. C., Sasaki, E., Okano, M., and Kimura, Y., Carbhydr. Res. 448, 18-23 (2017).
・Molecular characterization of tomato α1,3/4-fucosidase, a member of glycosyl hydrolase family 29 involved in the degradation of plant complex type N-glycans. Rahman, Md.Z., Maeda, M., Itano, S., Hossain, Md.A,, Ishimizu, T., and Kimura, Y. J. Biochem., 161, 421-432 (2017).
・Occurrence of plant complex type free N-glycans carrying a single GlcNAc residue at the reducing end in a fresh-water plant, Egeria densa: A possible mechanism for biosynthesis of free N-glycans in plants. Maeda, M., Ebara, N., Tani, M., Vavricka,, J. C., and Kimura, Y. Glycoconj. J. 34, 229-240 (2017).

卒業生・修了生進路

・大学院進学:岡山大学(農学系),京都大学(農学系),大阪大学(理学系・医学系)
・大学・高校教員:岡山大学,マレーシア ラーマン大学,バングラデシュ ラッシャヒ大学
・公務員:山口県(農業職)
・食品系企業研究・開発職・品質管理職(サントリー,六甲バター,トーホー,AGF,クラシエ,エースコック,アヲハタ,カバヤ,日本製粉),製薬企業・品質管理職(アルフレッサファーマ),バイオ・化学系企業(阪大微研・化血研・東洋紡・明成化学),商社系企業(山善),金融関係

収穫祭ポスター

 糖鎖機能化学ユニットポスター2018年