〈前方部頂〉
当調査区では、遺構面検出の跡、古墳がどのように造られているか、埋葬施設が存在するのかを確認するために調査区内の半分を掘り下げています。現在、地表面から1m位掘り下げています。
当初の目的であった埋葬施設と思われている遺構は検出されていません。検討中であった遺構面上の礫の集中は、盛土に含まれていた礫が、長年かけて土が流れていった際に残ってむき出しになったものだと思われます。
どのように盛って前方部を造ったのかについては、現在検討中ですが、注目すべきものに、黒色の土層が挙げられます。この黒色の土層が盛土であるのか、古墳を築造する前の表土(旧表土)であるのか、その性格を探るために調査区の西側を1m拡張しました。
その拡張部にて黒色の層と、橙褐色や黄褐色層が交互に互層状に検出されていますので、黒色の土層が盛土である可能性が考えられますが、黒色の土層の一部で土器片が集中して検出していますので、何かしらの遺構がある可能性も示唆されます。
(上)前方部頂端付近の土層 (下)トレンチ全景:後円部側から