造山古墳とは

 造山古墳は、岡山市新庄に位置する5世紀前半に築かれた前方後円墳 で、史跡に指定されています。
 その規模は吉備地方最大で、全国でも第4位とされています。上位3つは天皇陵であるため立ち入り調査が禁止されており、一般人が自由に立ち入ることができる古墳としては造山古墳が日本最大のものとなります。
 造山古墳についてはこれまで様々な論及がなされており、墳長(350ないし360m)や周濠 の有無について意見が分かれています。


これまでの調査

 岡山大学考古学研室は2005年〜2007年にかけて測量調査を行いました。
 
 2005年9月 第1次調査 平板測量(8割完成)・デジタル測量(1割)
 2006年9月 第2次調査 平板測量(ほぼ完成)・デジタル測量(5割)
 2007年9月 第3次調査 平板測量(補足)  ・デジタル測量(完成)
 
 平板測量とは、三脚の上の平板に図面を乗せ、巻き尺などを使って手作業で距離を測り、現場で等高線を書き込んでいく、従来の測量方法です。
 一方デジタル測量とは、GPS を使って、測点が地球上でどこに位置するのかを調べる方法です。その測点を何万点も取ることによって、高さの表現が等高線のみの平板測量に比べ、より立体的な墳形の分析や表示がパソコン上で可能となります。

                    
   

 測量の様子

 デジタル測量による復元

                                            



 この調査によって、墳丘の現状と改変の状況が明らかになり、状態が良好な部分からの墳丘各部の形態や規模の把握が試みられました。しかし墳裾部分の変形が著しいため墳端の判断が難しく、350〜360mのいくつかの可能性が示されただけにとどまりました。
 そのため、今回の発掘における墳端の確認と周濠の有無の確認によって、墳丘規模を確定することが望まれています。

 また、既にこれまでの調査でも多くの埴輪片(円筒・朝顔形)、葺石が見つかっており今回の発掘調査も多くの埴輪や葺石が出土すると思われます。



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