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ファロー四徴 Tetralogy of Fallot (TOF)

【病態】  右室流出路狭窄,心室中隔欠損,大動脈騎乗および右室肥大を四徴とする疾患で,先天性心疾患の約 10 %をしめ,チアノーゼ型心疾患の中では最も頻度が高い.最近染色体 22 番 q11.2 の微細欠失を持つ患者に高率にファロー四徴症を伴うことが明らかになってきた.同時に合併する頭文字を取って CATCH22 (キャッチ22)症候群と呼ばれることも多い( CATCH:Cardiac defects (先天性心疾患) , Abnormal facies (顔貌異常) , Thymic hypoplasia (胸腺低形成) , Cleft palate (口蓋裂) , Hypocalcemia (低カルシウム血症)).従来, DiGeorge (ディジョージ)症候群,もしくは円錐部動脈幹異常顔貌症候群と呼ばれていた疾患群とほぼ同様の疾患群であるが,遺伝子異常で発生する先天性心疾患として,発生機序との関連も含め重要な疾患である.

【身体所見】  出直後あるいは, 1 〜 2 か月頃より全身のチアノーゼが出現する.幼児,学童では運動能力が低下し,歩行時にそんきょの姿勢が見られる.第2肋間胸骨左縁の駆出性収縮期雑音を主体とする心雑音は新生児期から聴取される. II 音は単一で亢進する.

【検査所見】 胸部 X 線像で肺血管陰影は減少し,肺動脈陰影である左 II 弓が陥凹するため“木靴型”となる.心電図は右軸偏位,右室肥大所見を呈する.心エコー図では,右室流出路を構成する心室中隔の前方偏位が特徴的である.大動脈直下に心室中隔欠損が認められ,大動脈は前方に偏位し心室中隔へ騎乗している.左室容量と肺動脈径の評価は手術のリスクを評価する上で重要である.

【治療】 外科的に心室中隔の閉鎖と右室流出路の拡大を行なう.出生直後よりチアノーゼが強い場合や肺動脈が充分に発達していない場合は,プロスタグランディン投与などの内科的管理および短絡手術が必要となる事がある.

【無酸素発作】  生後数か月より起床時あるいは啼泣時もしくはカテーテル検査終了後などに突然チアノーゼが増強し,多呼吸およびけいれんなどの発作を起こすことがある.右室流出路狭窄が進行し,肺血流が極端に減少することが原因である.アシドーシスが進行し全身状態は進行性に悪化する.ただちに酸素投与,胸膝位,モルヒネなどの鎮静剤投与,およびアシドーシスの補正を行う.発作予防にはβ遮断剤を投与する.

 
 


Some photography is offered by Okayama University Shikata photograph department.