山 本 秀 樹　YAMAMOTO, Hideki (updated on Sep 20, 2006)

生年：1963

Zambia "Koshu" トイレ前にて
(1999年12月31日)

大学院環境学研究科・生命環境学専攻・人間生態学講座・国際保健分野(H17.4-)

兼担：医学部・医学科

岡山大学21世紀COE「循環型社会への戦略的廃棄物マネジメント」事業推進員、2005.4-2008.3

岡山大学・魅力ある大学院教育イニシアティブ「『いのち』をまもる環境学教育」実施担当者（副責任者）、2005.10-2007.3

その他(学外)

  1. 長崎大学熱帯医学研究所社会環境分野 客員研究員

  2. 日本国際保健医療学会　理事 2003年より

  3. (社）日本産業衛生学会　代議員 2002年より

  4. MIT21(Medical Information Techonology 21) 代表2000年より

  5. 味の素「食と健康」国際協力委員会(AIN)委員 2003年より

    岡山産業保健推進センター相談員 2005年より

専門

  1. 国際保健(新興・再興感染症疫学、GIS、災害医療、遠隔医療、PHC、NGO/NPO、医療廃棄物のマネジメント、発展途上国における生活習慣病)

  2. 産業保健(労働衛生コンサルタント・日本産業衛生学会認定専門医・指導医）

  3. スポーツ医学

授業

研究題目とその内容

  1. 国際保健学

    1. コレラの疫学と環境：1998-2000年国際協力事業団(JICA)のザンビア国プライマリーヘルスケア(PHC)プロジェクトに公衆衛生専門家として出張中にエイズ・コレラなど日本では経験することのできない保健問題の公衆衛生的対策に取り組む機会を得ることができ，任期終了後はその経験を生かして新興感染症・再興感染症に対する疫学的研究手法として地理情報システム(GIS)やリモートセンシング(RS)を取り入れた感染症対策の方法を研究している． （平成15-17年度文部科学省科学研究費萌芽研究「モートセンシング(RS)と地理情報システム(GIS)の熱帯感染症疫学への応用」研究代表者：山本秀樹）

    2. 開発途上国における生活習慣病：スリランカにおける糖尿病の疫学研究と保健指導システムに関する研究を行っている（平成14-16年度文部科学省科学研究費基盤A：分担研究者、研究代表者：川田智恵子岡山大学保健学科教授）

    3. Ｅ型肝炎の疫学：ネパール、ジブチ国内ソマリア難民キャンプ、シンガポールでの在留邦人におけるＥ型肝炎の疫学調査を実施した。（平成5,6,8年度文部科学省科学研究費奨励研究）

    4. 災害医学：災害と健康障害について阪神大震災やロシア船沈没後の重油流出事故や災害時の情報システムとくに通信衛星を使用した災害情報システムの研究を実施している．

    5. 国際保健医療と人材育成：国際保健医療分野における人材育成とその課題について厚生労働省科学研究班（溝田班）の一員として研究を行っている。(平成15-16年度厚生科学研究:わが国の国際協力を担う国内の人材育成及び供給強化並びにキャリアパス拡充のために医学教育が果たすべき役割の研究：分担研究者)

    6. 遠隔医療：インマルサットなどの衛星通信を利用した遠隔医療の研究を行っている。GPS/GIS等の保健医療への応用「公衆衛星学」の研究を目指している。

  2. 産業保健：地方公務員（首長部局職員・警察職員）における生活習慣病対策、喫煙対策、有害作業現場、過重労働と健康評価について研究を実施している．（H13年度岡山県地方共済組合受託研究、H15年度産業医学振興財団：研究代表者-山本秀樹）

  3. 食品衛生：O157食中毒の疫学研究やHACCP(Hazard Analysis Critical Control Point System)を使った食品衛生および食品衛生に従事する人の労働安全衛生について研究を行っている

  4. 高齢者医療：高齢者医療の質の向上に産業衛生で用いるTQM(Total Quality Management)の手法を用いた研究を行っている(H16-18年度文部科学省基盤研究B：研究代表者-筑波大学、田宮菜奈子：分担研究)

研究業績 (1997-2006)

【論文】

  1. Oliver Redsch, Satoru Miyaishi, Axel Heinemann, Georg Fiedler, Klaus Pueschel, Hideki Yamamoto and Hideo Ishizu： Comparison of German and Japanese General Practitioners' Awareness of Suicide and Attitudes toward Patients with Suicidal Ideation. Acta Med Okayama. 2006 Jun;60(3):159-65

  2. 谷村晋、坂野晶司、 山本秀樹、水島春朔、石井明、溝田勉：国際医療協力活動に従事する医師の確保をめぐる英国の試み：国際保健医療、20(2) ： 38-43, 2005

    　

  3. 山本秀樹：アフリカ難民キャンプにおける女性外陰部切除（FGM）とHIV/AIDS感染のリスク及びリプロダクティブヘルスに与える影響について、民族衛生、 71(2) ： 63-72, 2005

  4. 徳森公彦、小島真二、汪　達紘、 山本秀樹、吉良尚平：腰痛症に対する新たな治療体操の検討〜介護現場で行えることを目的に〜、 日本職業災害医学会雑誌,53(3),171-175,2005


  5. Kato M, Naka K, Yamamoto H, Inukai Y, Kira S:Assessing Education of Food Handlers and Prerequisite Program of HACCP Plants,Food Protection Trend, 24(5),316-322,2004

  6. 小島真二、山本秀樹、坂野紀子、神原咲子、瀧川智子、関明彦、吉良尚平:地方自治体における産業医業務の課題についてー某小規模自治体における事例研究, 日本職業災害医学会雑誌,52(4),209-215,2004

  7. Kato M,Yamamoto H, Inukai Y, Kira S:Comparative study on population survey of stray dog- And health education in Nepal and Kurashiki-city: ActaMed Okayama, 57(5): 261-6,2003

  8. 山本秀樹,吉良尚平,中田敬司：道路上へのイソシアネート化合物を含む産業廃棄物流出事故と道路補修作業者への化学的眼外傷事例の検討,日本職業災害医学会雑誌,50(6),424-427,2002

  9. 山本秀樹,中野知治,連　利博,河原研二,鹿嶋小緒里,小宮正巳,沢田寛,中田敬司,谷村晋,坂野晶司,北川文夫,大西荘一:インマルサット衛星通信を使用したネパール国への小児外科支援を目的とした遠隔医療実験とその実用化への課題について,医療情報学,22(3), 251-257,2002

  10. 山本秀樹,中野知治,沢田寛,河原研二,鎌田裕十朗,吉良尚平: 国際災害医療救援活動におけるインマルサットを使用した衛星情報通信システムの運用の可能性についての考察,日本職業災害医学会雑誌,49(1), 28-34, 2001

  11. Tsumagari K, Yamamoto H, Suganuma N, Kato M, Ikeda S, Imai K, Kira S, Taketa K: Epidemiological Studies of Coincidental Outbreaks of Enterohemorrhagic E. Coli O157:H7 infection and Infectious Gastritis in Niimi City, Acta Med Okayama, 54(6):265-273, 2000

  12. 山本秀樹: ザンビアにおけるHIV/AIDSの状況: Medical Postgraduates 37, 385-392,1999　

  13. 緒方正名,山本秀樹, 鎌田裕十朗: ナホトカ号より漏洩した重油の除去作業者に対する健康管理,川崎医療福祉学会誌,9(1),113-116,1999

  14. Uesugi S, Taketa K, Rimal N, Ikeda S, Kariya T, Suganuma N, Yamamoto H and Kira S: Seroepidemiologic studies of hepatitis C virus infection in a population of Okayama prefecture screened for liver disease: Acta Med Okayama 53(1), 31-38,1999

  15. Wang DH, Ishii K, Seno E, Neya S, Horike T, Yamamoto H, Suganuma N, Arimichi M and Taketa K: Reduced serum levels of ALT and GGT and high carbohydrate intake among workers exposed to toluene below the threshold limit values: Ind Health, 36，14-19,1998

  16. Matsui H, Rimal N, Kamakura K, Uesugi S, Yamamoto H, Ikeda S and Taketa K: Serum α-fetoprotein levels in healthy Japanese adults: Acta Med Okayama 52，149-154,1998

  17. Suganuma N, Ikeda S, Taketa K, Wang DH, Yamamoto H, Phorunphutkul K, Peerakome S, Sitvacharanum K and Jittiwutikarn J: Risk analysis of the exposure to GB virus C/Hepatitis G virus among populations of intravenous drug users，commercial sex workers and male outpatients at STD clinic in Chiang Mai， Thailand: A cross- sectional case-control study: Acta Med Okayama 52，161-167,1998

  18. 山本秀樹,高橋　央,鎌田裕十朗,中野知治,沢田　寛,菅波　茂: 国際NGO-AMDAによる災害緊急救援のための準備対策演習とインターネットの利用,Japanese Journal of Computer Science,4，27-32,1997

  19. Shields MH, Yamamoto H, Ikeda S, Rimal N and Taketa K: Seroepidemiology of hepatitis E on Japanese expatriates in Southeast Asian countries: a study at a clinic in Singapore: Hepatol Res 9，93-102,1997

【著書】

  1. コアカリキュラム医学（共著・編集），金芳堂,2006年

  2. 国際保健医療学第二版（共著），杏林書院,2005年

  3. サブノート2006保健医療論・公衆衛生学編（共著），メディックメディア,2005年

  4. 管理栄養士国家試験解説書（共著），メディックメディア,2004年

  5. 第98回復元医師国家試験解説書（共著）,メディックメディア,2004年

  6. 奥山真紀子，長谷川敏彦、田中偵、武藤正樹、平野千秋、田宮菜奈子、上条吉人、大川弥生、山本秀樹、長谷川友紀、野中猛著(執筆順)：有斐閣・社会福祉基礎シリーズ第15巻、ソーシャルワーカーのための医学、有斐閣出版、2002年2月

  7. 田中治彦編、（分担執筆）大学教育出版社、地域を開く国際協力−南北ネットワーク岡山10年の挑戦：1997年

【報告書】

  1. わが国の国際協力を担う国内の人材育成および供給強化並びにキャリアパスのために医学教育が果たすべき役割の研究、平成15年度厚生科学研究費補助金報告書(H15-国際-001)]、溝田勉編、平成16年3月

  2. ザンビア国における邦人襲撃事件の社会的背景と対応について,危機管理としての熱帯病対策、溝田勉編、長崎大学熱帯医学研究所発行,平成15年2月

  3. アフリカ地域における難民問題-FGM(女性性器切除)とHIV/AIDS感染への影響について、熱帯性感染症対策に影響を及ぼす開発・環境・文化要因、長崎大学熱帯医学研究所社会環境分野編、pp55-56、2001年12月

  4. コレラ対策における水道工事図面の活用と課題について−ザンビア共和国ルサカ市の事例、地理情報システムを利用した熱帯病対策に関する研究、長崎大学熱帯医学研究所資料情報センター・社会環境分野編、pp17-23、2001年3月

  5. ザンビア国都市貧困住民の生活環境と下痢症に関する考察−ルサカ市プライマリーヘルスケアプロジェクトの事例より、発展途上国における疾病対策と貧困・環境・文化(2)、長崎大学熱帯医学研究所社会環境分野編、pp51-56、2001年3月

  6. アフリカ諸地域における難民長期支援、熱帯性疾患が社会開発・文化変容に及ぼす影響と対策に関する研究、長崎大学熱帯医学研究所社会環境分野編、pp21-26、2000年11月

授業の内容とその方法

講義では"Think globally, Act locally!" をモットーに、「産業保健」「国際保健」に関する実際の事例に基づいた現場をふまえた授業を行い、public health mindのある医療従事者・社会人の養成を目標としている。

大学院生の教育

公衆衛生学に必要な統計学/疫学、産業保健について指導を行っている。

　岡山大学大学院環境学研究科　　　　　　　　

　e-mail:hidekiy at md.okayama-u.ac.jp