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岡山大学文学部紀要37号に掲載された論文をWeb化したものです。


スキナー以後の行動分析学(11)
地域通貨と行動分析
 
岡山大学文学部紀要, 37, 81-95.(2002年7月)
長谷川芳典
 
1.初めに
 本稿は、コミュニティの活性化、とりわけ、環境や福祉面での効用が期待されている地域通貨★1について、行動分析の視点からのアプローチを試みることを目的とする。地域通貨については、すでに経済学分野での論文、一般向けの啓蒙書が数多く刊行されており、また全国の3ケタにのぼる地域★2で多様な実践活動が展開されているが、参加者の個々の行動が地域通貨のやり取りを通じてどのように強化されているのか、どのような新たな行動を形成する可能性があるのかについては、行動分析学の視点からの検討は全く行われていない。なお、紙数の都合により、今回は、概念的枠組みを示すことにとどめる。実験的検討や実践研究に基づいた考察は、本稿の続編において展開する予定である。
 
2.地域通貨の現状
2.1.地域通貨の定義と特徴
 地域通貨は多種多様であり、さまざまな定義がなされている。まず大枠として通用範囲から定義すると
 
地域通貨とは、限定された地域でしか使えない通貨であり、法律で定められた国家通貨である円やドル、ユーロ等に対する言葉です。(森野, 2000)
 
ということになる。要するに、国家が法律に基づいて発行する通貨に対して、その国家の一部の地域あるいは集団内で限定的に通用する通貨と考えてよろしいのではないかと思う。
 しかし、その目的や特徴を含めて内実に基づいて定義を試みるとさまざまな違いが出てくる。じっさい検索サイト「google」★3で「地域通貨」及び「定義」というキーワードで検索すると約460件がヒットした★4が、目的や交換対象、流通上の特徴など、内容に立ち入って定義すると、一通りには定まらない。
 日本サスティナブル・コミュニティ・センターのサイト★5によれば地域通貨は
(1)信用と信頼によって担保された自助を促進させる媒体。
(2)国内通貨に代わってお互いの財やサービスを交換する。
と定義され、またその特徴として
(a) 信用の創造
(b) 地域での限定性
が挙げられている。上記の(1)や(a)を定義に含めると、例えば江戸時代に発行された藩札は地域通貨には含まれないことになる。
 
 また、IP WEBサイト★6によれば
 
 地域通貨は、貨幣のもつ3つの機能(a.価値尺度機能 b.一般交換手段機能 c.価値貯蓄機能)のうち、b.一般交換機能 に特化したものと言われている。また、基本的に地域通貨の発行権は個人にある。このことから、以下の特徴が生まれる。
a. 通貨の価値は、相互の信頼関係を担保とする。
b. 限られた地域や特定のグループの中でしか使用できない。
c. 特定の物のサービスとしか交換できない。
d. 利子がつかない。
e. 取引の価格は相互に決定する。
 
というように特徴づけられている。
 
2.2.地域通貨導入の目的と期待される効果
 上に指摘したように、地域通貨の目的は多様である。このことをふまえた上で、日本サスティナブル・コミュニティ・センターのサイト★7は、地域通貨の一般的な発行要因を
(1) 不況時の失業対策
(2) 特定のコミュニティの創造と維持(再構築)
(3) シャドウワークの顕在化
の3点に要約している。このうち(1)は、 1930年代に欧米で試みられ、地域経済の活性化を目ざすものであったが、国家によって禁止されるなど長続きはしなかった。(2)および(3)に関連して、地域通貨の1つである「エコマネー」は、
 
エコマネーは、環境、福祉、教育、文化といった多様な価値を、コミュニティで流通させるための通貨です。心の豊かさやお互いの信頼など、お金では表せない人々の「善意」を、コミュニティの中で交換していくためのもので、対象となるのはコミュニティにおける非経済的な活動全般。たとえば環境の分野なら、ゴミのリサイクル活動に参加したり、道路端や公園などの公共スペースを清掃する。河口の住民が上流の山に広葉樹を植えて川の有機成分を回復する。教育や文化の分野なら、若者が高齢者にパソコンを教える、地域の伝統芸能を復活・伝承させていく。介護であれば、高齢者の話し相手になるなど介護保険で対象になっていないサービスを提供する……といった、ちょっとしたことだけれど、とても大切なサービス。...................【中略】................貯めても利子がつかず、限られた期間内に使わなければならないので、コミュニティのメンバーの交流促進につながるというわけです。発行するのはコミュニティの住民自身。行政ではなくNPOのような住民主体の組織が運営します。住民相互のあたたかい心を流通させていく、それがエコマネーです。かつての「講」や「結」を、ネットワークを活用して行おうとするものだと考えるとわかりやすいかもしれません。
 
というように自らを特徴づけている(加藤, 2001a)。
 
2.3.地域通貨導入上の留意点
 法律上の問題と、運用に関わる問題がある。
 前者に関する留意点のうち主要なものを挙げると
(1)紙幣類似証券取締法との関係:第1条において「一様ノ形式ヲ具ヘ箇々ノ取引ニ基カスシテ金額ヲ定メ多数ニ発行シタル証券ニシテ紙幣類似ノ作用ヲ為スモノト認ムルトキハ財務大臣ニ於テ其ノ発行及流通ヲ禁止スルコトヲ得」として、制限が設けられている。
(2)税法上との関係:無償取引でない限りは課税関係を生じる可能性がある★8
(3)賃金の支払い:労働基準法第24条に「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」と規定されており、基本的には地域通貨での支給はできない★9
 
 いっぽう、運用に関わる後者に関して加藤(2001b、160〜161頁)は
 
 現在地域通貨への関心が高まっているが、単純な地域通貨の"輸入"論は危険である。それぞれの地域通貨はそれなりの目的を有しているからである。大まかにいえば、LETS★10は経済的不況、低所得者対策、タイムダラーは少数民族(マイノリティ)、コミュニティ対策として登場している。その対比でいえば、エコマネーは、少子高齢化社会の到来、環境問題の解決などの課題を解決し日本のコミュニティ再生をめざすことを目的としている。
 
として、単純な輸入論ではなく、目的や趣旨に合わせた導入形態を慎重に検討する必要を説いている。なお後者の留意点については、本稿全体でそのつど言及することとしたい。
 
2.4.取引形態からみた地域通貨の分類
 
 地域通貨は目的ばかりでなく、取引形態も多様である。目的が同一であっても、取引形態の違いによって全く異なる方向に発展する可能性がある。以下、いくつかの観点から分類を試みる。
 
2.4.1.媒体の違い
 大きく次の3つに分けることができる
(1)独自に発行された「紙幣」や「コイン」を用いるもの
(2)参加者が各自の「通帳」に収支を記録していくもの。★11
(3)ネット上での「電子取引」
 (1)は交流の直後にタンジブル(tangible)な結果を与えるという点で効果的であるが、参加者が自ら追加発行できないという点で特徴的である。これらについては次章で詳しく考察する。
 
2.4.2.閉鎖系か開放系か
 地域通貨は定義上一部の地域あるいは集団内で限定的に通用する通貨であるので、閉鎖系を基本的特徴とする。例えば、ある地域で環境整備活動を行い現金を受け取ったとする。現金は日本国内どの地域でも通用するだろう。地域通貨で受け取った場合はその地域内あるいは集団内だけでしか使えないという点で閉鎖系と言える。この特徴があればこそ、商店街の活性化を目的とした地域通貨が数多く導入されているのである。
 しかし、中には、「エコマネー」のように、他地域からの参加も受け入れるという考え方を示している団体もある。この点に関して加藤(2001a)は
 
LETSに代表される地域通貨がその地域内での経済不況対策を重視した「閉鎖系」であるのに対し、エコマネーは「開放系」です。エコマネーを実験している北海道栗山町と札幌市とは車で1時間の距離がありますが、札幌の人が入りたいといったときにも受け入れるのがエコマネーの考え方であり、地理的な条件は関係ない。またネット上のコミュニティも対象にしています。一人が、いくつものコミュニティにも所属できる重層的なものなのです。
 
と特徴づけている。
 
2.4.3. 貨幣経済か「ボランティア経済」か
 地元商店街で買い物をした時、代金の一部を地域通貨で支払うことができるとなれば、そのシステムは部分的にせよ貨幣経済に依拠していることになる。電気器具や家具のリサイクルに地域通貨を活用した場合も、商品価値のある物と交換できるという点で、貨幣経済にリンクしたシステムということになる。
 これに対して、現金では評価できないようなサービスのやり取りのみに使用する通貨は「ボランティア経済」に依拠したシステムと言うことができる。現金やモノとの交換については3.1.の(6)で論じる。
 
2.4.4.「債権債務関係」か「信頼関係」か
 一般の通貨は厳格な「債権債務関係」を法律で守ることによって成り立っている。貨幣経済とは一線を画す「タイムダラー」、「時間預託」、「ふれあい切符」なども、奉仕時間の貸し借りをするという点で同様である。たとえば「ふれあい切符」には
 
ふれあい切符では、介護、家事援助、精神的援助をおこなった場合、その活動をした時間、またはこれに相当する点数を特定の団体に登録します。自分の活動時間を団体に「預託」するわけです。そして預託者本人やその両親などが、たとえば介護を必要とするとき、預託した時間または点数ぶんだけの介護を受けることができます。[加藤, 2000, p50]
 
という債権債務関係がある。
 いっぽう、通貨の追加発行や価格決定を参加者に任せ、信頼関係を築きあげることによってボランティア経済の自立をめざすという考え方もある(加藤,2000, p61)
 加藤(2000, p.60)は、上記2.4.3.と合わせて2次元の比較軸を作り、地域通貨を次の4通りに分類している。
 
●貨幣経済+債権債務関係→お金(通常の通貨)
●ボランティア経済+債権債務関係→タイムダラー(時間預託、ふれあい切符)。
●貨幣経済+信頼関係→LETS
●ボランティア経済+信頼関係→エコマネー
 
3.行動分析からみた地域通貨
 
3.1.トークンあるいは般性習得性好子としての効果
 地域通貨は、行動分析学ではトークン(token)の一種として位置づけられる。杉山・島宗・佐藤・マロット・マロット(1998)によれば、トークンは
 
何か他の好子と交換されることで好子としての機能をはたしている習得性好子
 
として定義されている。目的や流通形態に多様性があるとは言え、すべての地域通貨は、行動の結果として受け取られ、別のサービス(好子)と交換されることを基本としている。
 
 地域通貨には、もう1つ、般性習得性好子としての機能がある。 杉山ほか(1998)によれば、般性習得性好子は
 
多種の裏付好子と対提示されることで好子としての機能を獲得した習得性好子
 
として定義されている★12
 これら2つの機能を備えることによって、地域通貨は、一般的に次のような長所をもつと考えられる。
 
(1)「ちりもつもれば山となる」型の行動を直後強化
 例えば環境を守るための行動というのは、1回1回の行動に伴う結果があまりにも小さく、強化されにくい。例えば、道路のゴミを1つ拾っても町全体の環境が直ちによくなるわけではない。そのように、結果が累積しないと意味をなさない行動は人為的に好子を付加して強化しなければならない。地域の清掃活動や花壇整備などに地域通貨を活用すれば、個別的な行動が具体的に強化されることになる。
 また、通常、ご近所や知人との助け合いは、お歳暮やお中元、あるいは「以前お世話になったので今回は...」という「恩返し」のような形で相互強化されるが、いずれも、相当日数の遅延がある。その点、地域通貨は行動の直後に支払われるという点で効果的であり、より多様な行動を強化できる可能性がある。
 
(2)努力の量や質が形に表れにくい行動に対して具体的かつ数量化された結果を与える
 どのような行動も結果が随伴しない限り強化されない。これが行動分析の基本原理である。相手に対して何らかのサービスを行う行動は、ふつう、「ありがとう」という感謝の言葉や笑顔といった社会的好子で強化される。しかし感謝や笑顔は相手方の気分や性格によって大きく異なるし、儀礼だけに終わってしまうことさえある。地域通貨を導入すれば、努力に応じて結果を与えることができる。
 
(3)般性好子の導入による飽和化の解消
 「菓子折」の事例でも明らかなように、贈答品は必ずしも受け取る側にとって好子になるとは限らない。いくら甘党でも毎日のように羊羹のお礼ばかり貰えば飽きてしまう。地域通貨のような般性好子は、いろいろなものと交換できるので、飽和化(satiation)によって強化力が低下する恐れが無い。
 
(4)お金だけに支配される世界からの脱却
 一般のお金★13は、働いて受け取る以外に、不動産収入、為替差益、ギャンブルなどによっても獲得することができる。また、物の価格は需給関係など市場原理によって定まるため、2倍働いて2倍の農産物を収穫したからといってそれに比例して収入が得られるとは限らない。
 さらにここ数年、国や自治体の財政赤字、銀行の不良債権問題など、本来、結果として与えられるべき「お金」が逆に人間の行動を束縛する自体が発生している★14
 ほんらいお金の貸し借りというのは、個人や団体間で発生する問題。それゆえ、誰からも借金せず、誰にもお金を貸していない人にとっては他人事で済ませられる問題のはずだ。ところが、それが、福祉や医療、教育などの公共サービスの低下や大量失業といった形で、貸借関係を持たない人々の生活までが脅かされるというのはどうみても異常である。福祉や安定や平和を追求すべき国家が、目に見えない借金取りに追い立てられて本来の業務を後回しにするというのはまことに奇妙なことである。
 
5)「価値」を見直すきっかけをつくる
 一般に地域通貨には有効期限があり、使わないとリセットされてしまう仕組みになっている。また、お金や物に換えて貯めることもできない。この特徴は、
 
生活者一人ひとりの価値観をモノの「所有」から「使用」に転換し、「エコライフ」にライフスタイルを変える(加藤, 2000b)
 
ということの大きな原動力になる.
 地域通貨の1つ、エコマネーのようにサービスを主体とした交流では、モノとの交換は原則としてできない。なぜなら、
 
マネーは、物と交換した瞬間に交流を終結させる
 
からである。交流のみが支払いの対象となる地域通貨では、メンバーが互助を必要とする限り無限に循環されるだろう★15。しかし、ここで、例えばAさんがBさんに不要となった冷蔵庫を譲り、代わりに通貨を受け取った場合はどうだろうか。BさんがAさんから受けたのはもはやサービスではない。その瞬間、BさんはAさんではなく冷蔵庫から「サービスを受ける」ことになるのだ。
 実は、日頃、「お礼の品」として贈られる菓子折にも似たような意味がある。菓子折を渡すということは、自分の受けたサービスの代価を「支払う」という意味と同時に、
 
●今後、私のほうから貴方様にはサービスいたしません。
 
という交流の打ち切りの意思表示であるとも言える。仮に菓子折を贈らない場合は、近々、相手方から別のサービスを受けることになるはずだ。
 
 では菓子折ではなくエコマネーを支払うということはどういうことか。それは
 
●これからもサービスを提供しましょう。
 
という意味であるが、必ずしも、相手方からのサービスではなくコミュニティの誰かからのサービスという点で、特定の2者関係に限定されるものではない。この特徴は3.2.で述べる。
 なお、お金、所有、使用の価値については、長谷川(1999)の4章で詳しく考察してあるので、そちらを参照されたい。
 
3.2.多様な交流の強化
 地域通貨の1つであるエコマネーでは、多様な交流が大切にされている。エコマネー導入のメリットは、2者間のみならず、3者間以上の関係の中で互助的関係が強化されるという点になる。
 
 ここで図1のように2者間で「観葉植物の育て方を教える」というサービスと「ピアノの弾き方を教える」というサービスが交換されていることを示す事例を考えてみよう。このケースではエコマネーは全く不要である。両者の間では双方向のサービスが同程度にやりとりされていればよいのであって、エコマネーのようなものは必要ない。夫婦間でエコマネーが必要ないこともこのグラフから見て取れる。
  では、図2のように、A、B、C3者の間で
・AはBにパソコンの活用法を教える
・BはCに英語表現について指導する
・CはAにピアノの弾き方を教える
という「3すくみ」関係がある時はどうだろうか。この場合、図2以外のサービスはお互いに必要としていないと仮定する(Aは英語表現に熟達、Bはピアノが上手、Cはパソコンを使いこなすことができるので他者からのサポートを必要としていない)。このような双方向のサービスが成り立たない場合でも、「親切」とか「仲良し」という抽象概念に価値を与えることで一定の互助関係を生み出すことはできる。しかしエコマネーを導入すれば、それぞれのサービス行動に対してエコマネーを支払うという強化随伴性が成立するので、格段の活性化がはかれるものと期待される。
 図3はさらに特殊なケースであり、ここではA、B、C、Dという4者のあいだで4通りのサービスが提供される。それぞれのサービスに対してはエコマネーが支払われるものとしよう。ここで興味深いのは、AとB、およびCとDの間では何の関わりも存在しないことだ。犬猿の仲であってもいい。にも関わらず、4者はサービスとそれに対するエコマネー支払いによって全体で互助関係を維持し、コミュニティを形成しているのである★16
 エコマネーは単なるトークン、あるいは般性習得性好子ではなく、「私がこういうサービスをすれば、別の機会に、こういうサービスを受けることができる」というルール支配行動の具体化であると考えることもできる。つまり、エコマネーを受け取ること自体によって強化されるのではなく、強化機会の保証書のようなものかもしれない。
 なお、上記の図では「サービスを受けること」を好子として扱ってきたが、「サービスを提供すること」自体にも行動内在的な好子が含まれている。それゆえ、例えば、昔の話をする人は、話をしたことに対してエコマネーを受け取る一方、話をする機会を与えてくれたことに対してエコマネーを払おうという気持ちになるのである(次の3.3.参照)。
 
3.3.自己理解、自己開示、自己実現
 2002年3月1日に行われた第11回エコマネー・トーク★17 において、パネリストの一人岡田真美子氏★18は、姫路市で行われている「千姫プロジェクト」★19において、自分が提供できるサービスを登録する際やエコマネーを振り込む際に
 
(1)「できますよ」登録効果:自分に会える、自分探し、自己開示
(2)人の輪効果「つなぐ」:日常知り合えない人との交流
(3)振り込み効果「あらわす」:自己実現、認められ、感謝される喜び、感謝を表せる喜
 
という3つの効果がありうることを指摘した。
 このうちの(1)に関連して岡田氏は、さらに「キャンパス千姫効果」として「指示待ち学生がいなくなった」、「いつも自分のできることを捜す癖」、「丁稚ができるようになった」という行動が形成されたことを報告した。行動分析的に言えば、「いつも自分のできることを捜す」とは、狭い範囲の強化随伴性に実を晒して行動を維持強化するのではなく、自分の行動リパートリーを言語化し、多様な強化機会に自らを投じる行動を形成するという意味になる。
 また(3)の「振り込み効果」に関して岡田氏は、「感謝できることを絶えず捜している」という行動が形成されることを指摘した。つまり、単にトークンとしてのエコマネーを無表情かつ機械的に支払うのではなく、感謝を表すという行動が自然に形成される可能性があることが示唆されている。
 エコマネーというとコミュニケーションツールとしての側面に目が向けられがちであるが、こうした、「できますよ」登録効果や振り込み効果が確認できるとすれば、自己実現の場としての教育効果も期待できる。
 
4. 今後の活性化に向けた行動分析の役割
4.1.「実験研究」と「試行積み重ね」
 まず、地域通貨の効果測定に関して、「実験的方法」と「試行積み重ね」の情報的価値について考察しておきたい。
 地域通貨を導入する際には、
兵庫県姫路市「千姫」:プレ実験→第1次実験→第2次実験
千葉県東金市「どんぐり倶楽部の実験」
というように、「実験」という言葉が使われることが多い。しかし、少なくとも心理学において「実験研究を行った」と主張するためには
 
(1)研究対象に対して何らかの働きかけを行うこと。
(2)システマティックな働きかけであること。
 
という2点を満たすことが不可欠である(長谷川, 1998)。「うまくいくかどうか分からないが、とにかく実際にやってみて、うまく行きそうな部分は伸ばし、うまく行かないところは改めていけばよい」という取り組みであるならば、それは「試行」(地域通貨に関して言えば「試験流通」)とは言えても、独立変数を厳密に統制し従属変数の変化を観測するというレベルの「実験研究」とは呼べない。
 しかし、それでは、地域通貨の効果測定において実験的研究は有用な情報をもたらすことが本当にできるのだろうか。心理学の卒論や修論の序文にありがちな
 
・○○については、現実場面で広く行われており、その有効性を支持する事例も多数得られているが、実験的に検討されたことは一度もなかった。そこで本研究では.....を操作し、.....
・○○の有効性を実験的に検証することを目的とする。
 
などという意義づけは本当に意味があるのだろうか。
 
 この種の問題は、長谷川(2001b)で取り上げたセラピーの効果測定についても言える。心理学者なるものが特定のセラピーを実験的に検討して何らかの有効性を「実証」したところで、現場に活かせる情報は殆どゼロに等しい。せいぜい「○○大学でその有効性が実証されている」というお墨付き程度の宣伝効果しか無い。
 長谷川(2001a)が指摘したように、心理学研究において実験的方法を導入する際には、
 
(1)1つの要因や1つの行動変化ばかりに注目して、全体の連関や変化を見失う恐れ
(2)無限に近い要因が関与する現実場面からの乖離
 
という2点に十分に配慮する必要がある。地域通貨の効果測定においても同じ配慮が求められるだろう。
 地域通貨の効果測定で重要なことは、一般法則の発見や実証ではなく、それぞれの現場が実情に合わせて取り組みを活性化することにある。人間の健康に例えるならば、医学的・栄養学的な知識の集積よりもむしろ、健康で活発な個人を増やすが第一ということだ。各自が披露する「健康法」には過信や迷信が含まれているかもしれないが、そのような体験例が100も200も寄せ集まれば、「一致と差異の併用法」(ゼックミスタ・ジョソン, 1996)によって、健康に有益な情報がある程度引き出せることになるだろう。
 個体内ではきっちりした実験計画に基づくものでなかったとしても、各団体からの多様な実践報告が集められれば、全体としては、有用な情報になりうる。基本的な指針とツールだけを固定し、あとは参加者の自発的能動的関わり(=オペラント)に委ねたほうが、人工的な統制実験から要因を見出すより遙かに優っていると言えるかもしれない。
 
4.2.媒体の違い
 2.4.1.で取り上げたように、地域通貨は次の3つに分けることができる
(1)独自に発行された「紙幣」や「コイン」を用いるもの
(2)参加者が各自の「通帳」に収支を記録していくもの。★20
(3)ネット上での「電子取引」
 これらの違いに行動分析的視点からとらえることは、今後の活性化に大いに役立つものと思われる。
 まず、行動分析の知見によれば、行動を有効に強化するためには、行動(交流)の直後にタンジブル(tangible)な結果を随伴させることが肝要である。この点から言えば、通帳記入型よりは、ちゃんとデザインした紙幣のように、物理的媒体でやりとりすることのほうがメリットが大きい。いっぽう(3)の方式.は、簡便性はあるかもしれないが、数値の増減だけでは具体的な結果は見えてこない。サービスを受けたことに感謝しながら、紙幣のように形のあるものを直接手渡してこそ効果があるのではないだろうか。
 しかし(2)には別のメリットがある。それは、結果の随伴が単発的に終わりがちな紙幣型に比べ、通帳型では、記帳することで「累積価値」が高められるという別の効果である。記録行数が増えるというだけでも数量的な累積効果が期待されるが、いろいろな交流内容が具体的に記帳されている通帳であるならば、「自分が何ができるか」、「何を求められたか」、「どういう人から求められたか」、「何をしたか」、「何をしてもらったか」、などを記録に残すことができる。これにより、自分の得意とするジャンル、これから開拓すべきリパートリー、交流の質の変化などが分かってくるだろう。これは大学教育でよく使われる「ポートフォリオ型自己育成」と相通ずるところがある★21
 地域通貨発行量や流通量がコミュニティ全体の活性化指標となる一方、通帳に記された交流記録は、構成員個々人の自己実現指標として重要な役割を果たすはずだ。
 なお、ネット上であっても、これらの取引内容が具体的に記録に残るならば同様となる。但し、いつでも記載内容を閲覧できることが肝要であろう。
 
4.3.分析としての有用性
 次に、分析ツールとしての有用性を強調しておきたい。周知のように行動分析では、個々の行動の記録や、行動変化の実証、有効な独立変数の同定などに適したたくさんのツールが用意されている。
 行動分析学で培われた方法が全く無用ということにはなるまい。各地の実践報告が他地域で活用されるためには、やはり、何がどう操作されたのかは客観的、再現可能な形で記述されていなければならない。成果についても、ただ「面白かった、楽しかった」ではなく、個人や集団のどういう側面がどう変わったのかを多様に測定しておく必要がある。プロジェクトがうまく進まなかった時に、その原因を「やる気のなさ」などの精神主義に帰属させず、「行動とその結果」という随伴性概念に基づいて改善させていくためには、操作や測定をきっちりさせておくことが大前提となるだろう。
 地域通貨の効果測定を行うには、単に総取引量ばかりでなく、どういう世代間で取引があったのか、具体的にどういうサービスがやりとりされたのかを客観的に把握していく必要がある。例えば、参加者全員から任意の2名を選んだ時の年齢の組合せに比べて、実際に発生したやり取りがどの世代内(あるいは世代間)に片寄っていたのかを把握したとする。もし、20代は20代、50代は50代の間だけでやり取りをしていたとするなら、わざわざ地域通貨を導入しなくても、各世代のニーズにマッチしたサークルを作ればよい。いっぽう、10代の子供と60代の高齢者間の間で多様な交流が生まれているならば、地域通貨は世代間の交流に大きく貢献しているという証拠になる。「やり取り」件数の増加ばかりでなく、こうした内訳を細かく分析する際に、行動分析が用意する各種ツールは有用であろう。
 コミュニティ全体の活性化とは別に、参加者それぞれの行動がどう変化したのかを知る必要もある。例えば生活時間全体の中で、交流に充てる時間がどう変化したのか、行動リパートリーがどう増えたのか、登録しただけで実際に交流しなかった参加者の行動はどうすれば変えられるのか、などの分析には、行動分析が得意とする「単一事例法」が大いに活用できるはずだ。
 
4.4. ライフスタイルと地域通貨
 2.2.で指摘したように、地域通貨は、不況時の失業対策、コミュニティの活性化、シャドウワークの顕在化などを目的として開始されたものであったが、3.1.の(5)で引用した
 
生活者一人ひとりの価値観をモノの「所有」から「使用」に転換し、「エコライフ」にライフスタイルを変える
 
という加藤(2000b)のように、ライフスタイルを変えるツールとしての有効性を説く立場もある。加藤(2000b)は同じ著書の中で、さらに“人それぞれに多様な「幸せ」へ”、“「時間デザイン社会」に向けて”といった提言も行っている。
 地域通貨導入によってあるコミュニティ内の交流が活性化された時には、個々人は、自分一人で過ごす時間と交流にあてる時間とのバランスを保つ必要が出てくる。そうなると、
内山節(1998)が説く個や自由の問題とも関連づけて考察する必要がある★22
  2001年11月22日に行われた第10回エコマネー・トーク★23の中で、提唱者の加藤敏春氏は、
 
(1) 相互扶助(交流):信頼の熟成
(2)課題解決:介護保険制度充実、環境回復など目標設定のプロセス
(3)協働:まちづくり全体の活動、繰り返しのプロセス、個人のライフスタイル、エコライフ
 
というエコマネーの発展段階に言及した。また同じ日に講演された中島恵理氏★24は、地域における環境問題の解決として、
 
ステップ1:人と人とをつなげる、気づき、インセンティブ。
ステップ2:小さなプロジェクトの実施、刷新的プロジェクトの実験。
ステップ3:地域の実践から経済社会のシステムの変革
 
という3段階を構想し、それぞれの発展過程でエコマネーが大きな役割を果たすことを強調した。またその際には、
 
●環境問題をコミュニティで解決することは、「がまん」を「楽しみ」に変える
●環境は地域経済の制約要因ではなく、地域経済を元気にするツールともなりうる
 
という発想が大切であると指摘した。個人が自分だけで環境問題に取り組もうとしても、モラル向上や我慢の呼びかけに終わってしまって限界がある。コミュニティの中での「協働」は人と人との繋がりを生み出す★25
 
 こうした取り組みにおいて、行動分析学はどのような役割を果たしうるだろうか。まず、上記のステップ1の部分の「気づき」や「インセンティブ」の部分は、行動もしくは行動随伴性の概念でより具体的に捉えることができるはずである。地域の取り組みを具体的な行動に置き換え、何が強化因になるのかを考えることも大切である。特に、環境問題の本質的な解決という行動内在的な結果と、エコマネーを通じてコミュニティが人工的に付加する結果の配分を考える上で行動分析的アプローチは大いに役立つはずだ。
 Malott, Malott, & Trojan (2000)は、第26章において、行動分析をツールとした目的指向システムデザインにより生物がよりよく生きることのできる社会の構築を提唱している。そのシステムが必要とする3要素として資源、ルール、随伴性が挙げられているが、随伴性の前提となるべき好子として何をいかに形成するかについては十分に論じられているとは言えない。サービスのやりとりを裏付け好子としたエコマネーはシステム構築に欠くことのできない般性習得性好子になりうるであろうし、また逆に、加藤敏春氏が提唱する「(1) 相互扶助(交流)→(2)課題解決→(3)協働」というエコマネーの発展をめざすためには、 資源、ルール、随伴性の3要素の概念を導入することがぜひとも必要となるであろう。
 
引用文献
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森野栄一監修、あべよしひろ・泉留維著 (2000). だれでもわかる地域通貨入門. 北斗出版.
杉山・島宗・佐藤・マロット・マロット(1998). 行動分析学入門. 産業図書.
内山節(1997). 貨幣の思想史〜お金について考えた人びと〜. 新潮社.
内山節(1998).自由論〜自然と人間のゆらぎの中で〜、岩波書店.
ゼックミスタ・ジョンソン著、宮元・道田・谷口・菊池訳 (1996). クリティカルシンキング入門編. 北大路書房.
 
補注

★1  地域通貨を初めて提唱したのは、シルビオ・ゲゼル(1862-1930)という経済学者であり、『自然的経済秩序』の中で、「お金は老化しなければならない」「経済活動を終えたあとは消え去らなければならない」などと主張した。そのあらましは 1999年5月4日にNHKBSで放送された「エンデの遺言:根源からお金を問う」。2000年10月に放送された「ウィークエンドスペシャル 続エンデの遺言1:坂本龍一『地域通貨の“希望”』」で紹介されている。
★2 地域通貨の一種「エコマネー」を実践している団体は2002年3月現在でおよそ100地域。その中でも最も先進的と言われている栗山町の場合は、第2次が553人。第3次は800人〜1000人を想定しているという。これ以外にも地域通貨を実践している団体は各種知られており、NHK衛星放送番組「続・エンデの遺言」などで紹介されている。
★3 http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&querytime=B&q=%92n%88%E6%92%CA%89%DD%81%40%92%E8%8B%60
★4 2002年3月末現在
★5 日本サスティナブル・コミュニティ・センター(SCCJ)[http://www.sccj.com/index.html]内の 「エコミュニティ研究会 〜地域通貨〜」報告(2000年9月19日、講師・山口洋典氏)による。
★6 IP WEB[http://www.intellectual.co.jp/index.html]内の「地域通貨『エコマネー』の現状と背景. [http://www.intellectual.co.jp/report/comment/00015.html]
★7 補注5参照.
★8 地域通貨の税金・法律問題(http://www.kaikaku21.com/ohmi/data/houritsu.htm)に山本正雄氏による詳しい解説がある。
★9  ゲゼル研究会(http://www.grsj.org/index.html)のサイトによる。
★10 Local Exchange Trading System、地域交換取引制度
★11 通帳残高をゼロに近づける努力目標を掲げたもの、報告義務を課したものなどもある。
★12 「トークン」と「般性習得性好子」は同義ではない。例えば、「トマトジュース引替券」は、トマトジュースという好子と交換されることで好子としての機能をはたすのでトークンではあるが、オレンジジュースやコーヒーとは交換できない。トマトジュースが嫌いな人にとってはトークンにはなりえない。いっぽう、「笑顔」や「褒め言葉」は多種の裏付け好子と対提示されることによってそれだけで好子としての機能を獲得できるが、交換機能は持たない。地域通貨は、多種のサービスと交換可能であるという点で、トークンでありかつ般性習得性好子であると言える。
★13 本稿では、特に断らない限り、国家(日本の場合は日本銀行)が発行する貨幣のことを「お金」と呼ぶことにする。
★14  2001年11月18日の朝日新聞によれば、全国670市と23特別区の地方債残高が2000年度末に過去最悪の約42兆円に達したことが明らかになったという。これまでの最高額だった99年度よりも2600億円増加、また2000年度の市区の歳入額は約38兆1200億円でこれを上回っているという。同じ記事の中で神野直彦・東大教授(財政学)は、「...福祉や医療、教育など必要な公共サービスが十分できなる恐れがある。...」とコメントを寄せている。
 2001年11月の新聞紙上では、このほか
・IMFの国際通貨金融委員会は17日採択した声明の中で、日本に不良債権問題を抜本的に解決するように求めた。(1/19)
・大金融グループの不良債権処理額は、みずほグループが2兆円規模、UFJグループが1兆数千億円、三菱東京グループが5000億円規模、三井住友が4000億円+αなど(11/20)
・今年度の国債発行額が30兆円を超える見通し。
などやたらと「債」の字が目立つ。
★15 但し、モノであっても、サービスの結果として完成されたモノであれば交換の対象になるはずだ。例えば、小学生がおじいさん、おばあさんのために絵を描く(←結果として作品を贈る)、屋根瓦の補修をする(←結果として屋根ができる)、空き地に花壇を作る(←結果として花壇ができる)、などは結果としてはモノとの交換になっても、サービスが含まれているので、交流の終結には至らないと思われる。
★16 2002年3月1日に行われたシンポジウム「第11回のエコマネー・トーク」のディスカッションの中で、ある質問者が、「お金が使えることで、今まで肉ばかり食べていた人が魚を食べられるようになった」という例を出したところ、提唱者の加藤敏春氏は、「いや、最初のお金は、肉と魚の交換のためではない。コミュニケーションツールとして登場した。エコマネーの『マネー』という呼称は、コミュニケーションツールとしての原点に戻れという意味だ」と言っておられた。ここにあげた諸関係もまさにそういうことを意味するのだろう。
 
★17 第11回エコマネー・トーク 「キャンパス発エコマネー」、2002年3月1日(金)、主催:エコマネー・ネットワーク 、会場:アサツーディ・ケイ銀座オフィス
★18  姫路工業大学環境人間学部環境宗教学・教授
★19  http://1000hime.jp/
★20 通帳残高をゼロに近づける努力目標を掲げたもの、報告義務を課したものなどもある。
★21 木村忠正(2000)によれば、「ポートフォリオ」とは建築家などが自分の能力を売り込むために、それまでの設計業績などをファイルして持ち歩くための書類入れのこと。大学教育における「ポートフォリオ型自己育成」とは、具体的な個々の分野で自分がどのような能力を持っているかということを常に人に説明できるようにしながら能力を獲得していくこと という意味に使われる。、「どういう専攻を卒業したか」とか「授業科目を何単位とったか」と異なり、その学生が「大学4年間で何をやってきたのか」という実績を内容に立ち入って評価する視点とも言える。「卒論は手抜きだったがサークルで頑張った」というのも1つのポートフォリオにはなりうるが、これからの大学教育では、むしろ、卒論研究を4年間の最終作品として位置づけ、その中で「忍耐力、意思伝達力、折衝力、決断力、適応力、行動力」などを総合的に磨き上げていくことも重要視されている。
★22  内山節の『自由論』に関しては、行動分析学会ニューズレターに掲載された長谷川の書評を参照されたい[ http://www.behavior.nime.ac.jp/~behavior/newsletters/nl1-19.html#hasegawa]
★23第10回エコマネー・トーク 「キャンパス発エコマネー」、2001年11月22日(金)、主催:エコマネー・ネットワーク 、会場:アサツーディ・ケイ銀座オフィス
★24環境省・地球環境局地球温暖化対策課係長
★25  かつてのムラ社会では豊作や無病息災がコミュニティ全員の最大の関心事であった。だからこそ、それらを願う村祭りが盛大に行われ、結果として人々の繋がりが活性化された。いまこれに代わるものといえば、環境問題以外にはあるまい。盆踊り、運動会、慰安旅行、形式的な歳末募金などを年中行事として行っても町内会は衰退するばかりだ。環境問題をメインにして地域一帯で取り組めば、必ずやその地域は「元気になる」はずだ

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