岡山大学保健管理センター

 マイコプラズマ感染症に関する注意喚起              

国立感染症研究所の報告によると,「マイコプラズマ肺炎」の1週間当たりの患者報告数が,感染症法に基づく1999年の調査開始以降で過去最多レベルになっているそうです。全国の基幹定点医療機関(約500カ所)当たりの患者報告数は,9月中旬以降,0.84人(9/199/25→1.18(9/2610/2)→1.33人(10/310/9)のように増加しています。
都道府県別の報告数(10/310/9)は,岐阜(5.8人),群馬(3.13人),北海道(3.0人)の順に多く,岡山県では0.6人と比較的少ない状況ですが,東京,茨城,鳥取などでは小学校での学級閉鎖も報告されており,今後の流行に注意が必要です。

 「マイコプラズマ」は細菌の一種で,気管支炎,肺炎といった呼吸器感染症を引き起こします。従来4 年周期でオリンピックのある年に流行を繰り返していましたが,1984 年と1988年の大きな流行以来,周期的な大流行はありませんでした。しかし20112012年にかけて大きな流行があり,今年はそれと同レベルの流行が懸念されています。感染者の約80%は14歳以下の子供と言われていますが,2005年頃から徐々に15歳以上の割合が増え,特に20歳〜39歳の感染者の増加が多くなっています。

初期症状は発熱,全身倦怠感,頭痛など風邪と同様,しかし中でも特徴的な症状は「咳」です。
典型的には初発症状から35日して乾いた(痰を伴わない)咳が始まり,その後も長期(34週間)にわたり持続します。
ただし,特に年長児や青年では次第に湿性の咳となることも多いようです。嗄声,耳痛,咽頭痛,消化器症状,胸痛,皮疹などがみられることもあります。


潜伏期は通常23週間で,感染経路は飛沫感染(患者の咳による飛沫を吸入することで感染)と接触感染(患者に接触することで感染)です。発症後,気道粘液への病原体の排出は46週間以上続きます。肺炎を来しても多くは軽症で,外来通院で治癒する場合がほとんどですが,中には重症肺炎や合併症により入院治療を要する場合もあります。

通常の風邪と同様に予防を心掛けるとともに,咳が続くなどの場合は早めに医療機関を受診するようお願いいたします。
                                          (平成28年10月25日)

参考:マイコプラズマ肺炎に関するQ&A(厚生労働省)

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou30/

問い合わせ先】 保健管理センター(内)7217