岡山大学医学部附属病院

循環器内科

難治性頻脈性不整脈に対する非薬物療法

 従来,薬物療法(抗不整脈薬)が中心であった頻脈性不整脈の治療は,近年出現してきたカテーテルアブレーション法や植え込み型除細動器の登場によって大きく変わろうとしています。

 高周波を用いたカテーテルアブレーション法は,先端電極が24mmという特殊な電極カテーテルを経静脈あるいは経動脈的に心内に挿入し,先端から得られる微少な心内心電図から頻拍の起源となる部位を同定し,先端から高周波を流すことによってその部位の組織温度を上昇させ,不整脈の起源を焼灼する根治療法です。すでに WPW 症候群に代表される上室性頻拍症では薬物療法に変わる第一選択治療となっていますが,最近では心房粗動や難治性の心房細動,心室頻拍にも適応が拡大されつつあります。特に心房細動に対するアブレーションとして最近注目されているものは,心房細動の始まりとなる心房期外収縮(多くは左上肺静脈内から発生)を焼灼する方法です。当科においても2年前よりこの方法を導入し比較的良好な成績を収めています。薬物抵抗性の心房細動症例に対して今後は積極的な治療となる可能性が高く,今後の発展が期待される治療法であります。

 植え込み型除細動器は,日本では欧米に比べ約10年導入が遅れましたが,96年に第3世代の植え込み型除細動器が保険承認され,現在では第5世代の植え込み型除細動器が保険承認を受けています。当初のものは開胸手術が必要でしたが,最新のものではペースメーカー植え込みと同様の手術となり極めて短時間に非侵襲的なものとなりました。当科では現在まで30名あまりの症例に植え込みを行い,良好な成績を収めています。今後,心室頻拍や心室細動などの突然死の予防法として益々発展していく分野であります。

外来担当医(月曜日,木曜日)
大江 透教授,江森哲郎講師,草野研吾助手,森田 宏助手