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臨床

顔面骨骨折

頭蓋・顔面は多くの骨が組合わさることで構成され、顔面骨骨折には様々な種類の骨折があります。

① 前頭骨骨折

いわゆる「おでこ」の骨折です。症状として多いものは額や眉毛の部位の陥凹です。骨折が眼窩壁に及ぶと眼瞼下垂(上まぶたが下がる)や複視(物が二重に見える)を認めます。また、前頭洞骨折では前頭洞炎や頭蓋内への感染を引き起こす可能性があります。

骨片の転位が大きい場合には手術が必要となります。また前頭洞骨折では前述した前頭洞炎や頭蓋内感染を未然に防ぐためにも手術が必要です。

② 眼窩内骨折

眼部に衝撃が加わることで眼球を取り囲む骨が骨折します。症状として複視、眼球陥凹、頬部〜上唇のしびれを生じます。

手術は骨・軟骨移植あるいは人工物(金属、シリコン等)を用いて眼球陥凹を改善します。

③ 鼻骨・鼻篩骨骨折

鼻骨は薄い骨でできているため弱い力でも骨折し易いです。受傷から1〜2週間で折れた骨が癒合するので、なるべく早い時期に手術を行う必要があります。早い時期に治療を行えば、局所麻酔での手術が可能で、整復後の形態も受傷前により近くなります。

この場合、目の形が変形したり、涙を鼻に送る通り道が塞がり、涙が止まらなくなります。

④ 頬骨骨折

頬骨は顔面の中央、外側を形成しています。そのため、頬骨骨折によって頬部の平坦化、眼症状(複視・眼球陥凹)や開口障害、頬部〜上唇・歯茎の知覚障害等を生じます。

骨片の転位が軽度で骨折による症状もほとんど認めない場合には手術は必要としませんが、変形が強い場合や障害が重度であれば手術による整復が必要となります。

⑤ 上顎骨折

上顎骨骨折では、鼻骨も含めて骨折する場合、あるいは頬骨が含まれる場合、縦方向に骨折が及ぶ場合、または左右で別々の骨折を認めるものがあります。症状は咬合不全(噛み合わせが合わなくなる)を認めます。また、鼻骨・頬骨に骨折が及べば、前述した症状も認めます。

治療は手術による整復固定と噛み合わせを戻すために上下の歯を固定する顎間固定を行います。

⑥ 下顎骨折

下顎骨は関節を有しており、特異的な骨折を認めます。症状は上顎骨骨折と同様に咬合不全を認めます。

骨折の部位や転位の程度にもよりますが、手術での整復や、あるいは顎間固定だけで済む場合もあります。

以上のように顔面骨骨折には様々な種類がありますが受傷の状況によりそれぞれの骨折が組合わされた場合もあります。診断にはレントゲン写真だけでなく、CT検査による診断も必要となります。

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