血液ガス, 


臨床的意義
血液ガス分析装置が直接測定しているものは、酸素分圧(PaO2)・炭酸ガス分圧(PaCO2)とpHの3つであり、いずれも電極法によっている。それ以外のパラメーター(重炭酸イオン[HCO3―]・酸素飽和度SaO2・あるいは塩基余剰base excess(BE)・緩衝塩基buffer base(BB)など)は前述の3つの基本数値から計算されたものである。PaO2、PaCO2、pHは、その背後にある酸素化能力、換気(肺胞換気量)、酸塩基平衡を代表する数値である。

測定方法: 電極法 
 
測定機器:
 オムニ S(平成18年7月18日より)
        ABL510(平成18年7月17日まで)

相関
pH
平成18年7月18日
X=旧機器、旧試薬
Y=新機器、新試薬
Y=0.91X+0.65 r=0.991  

pCO2
平成18年7月18日
X=旧機器、旧試薬
Y=新機器、新試薬
Y=0.99X-0.24 r=0.978

pO2
平成18年7月18日
X=旧機器、旧試薬
Y=新機器、新試薬
Y=0.98X+1.16 r=0.993

tHb
平成18年7月18日
X=旧機器、旧試薬
Y=新機器、新試薬
Y=0.96X+0.34 r=0.979

sO2
平成18年7月18日
X=旧機器、旧試薬
Y=新機器、新試薬
Y=0.98X+3.87 r=0.997

基準範囲

項目 基準範囲(〜2009.05.20) 基準範囲(2009.05.21〜) 単位
pH 7.35〜7.45 7.35〜7.45
PCO2 35.0〜45.0 35.0〜45.0 mmHg
PO2 >75 80以上 mmHg
THB(tHb-COOX) 11.7〜16.4 11.7〜17.4 g/dL
O2HB 94〜96 90〜95
SO2(SO2-COOX) 94.0〜99.0 95〜98
HHb 0.0〜6.0 1.4〜4.9
COHb 0.0〜0.8 0.5〜1.5
MetHb 0.2〜0.6 0.8以下
cHCO3- 22〜28 20〜26 mmoL/L
cHCO3-st 21〜25 22〜26 mmoL/L
ctCO2(P) 21〜27 21〜27 mmoL/L
BEact -2.4〜2.3 -3.3〜2.3 mmoL/L
BE -2.4〜2.3 -3.3〜2.3 mmoL/L
Na 135〜148 135〜148 mmoL/L
K 3.5〜4.5 3.5〜4.5 mmoL/L
Cl 98〜107 98〜107 mmoL/L
イオン化Ca 1.09〜1.33 1.12〜1.32 mmoL/L
AG 12〜16 12〜16 mmoL/L

 

(性別・年齢参考値)

オムニS(表記) ABL510(従来表記) 参考基準範囲
pH pH 成人男性7.34−7.44
成人女性7.35−7.45
pCO2 pCO2 成人男性35−45mmHg
成人女性32−42mmHg
pO2 pO2 69−116mmHg
tHb tHb 成人男性13.8−16.4g/dL
成人女性11.7−14.6g/dL
SO2 SO2 95−99%
cHCO3− HCO3− 成人男性22−26mmoL/L
成人女性20−24mmoL/L
ctCO2(p) TCO2(p) 成人男性23−27mmoL/L
成人女性21−25mmoL/L
BEact ABE 成人男性-2.4−2.3mmoL/L
成人女性-3.3−1.2mmoL/L
BE SBE 成人男性-2.4−2.3mmoL/L
成人女性-3.3−1.2mmoL/L
cHCO3−st SBC 22−26mmoL/L
Na 成人:135−148mmoL/L
新生児:134-144mmoL/L
子供:138−144mmoL/L
K 成人:3.5-5.0mmoL/L
新生児:3.7-5.9mmoL/L
子供:3.4-4.7mmoL/L
Cl 成人:98-107mmoL/L
新生児:98-113mmoL/L
イオン化Ca 成人:1.09-1.33mmoL/L
新生児:1.10-1.50mmoL/L
AG 12〜16mmoL/L
O2HB(削除)


*PaO2は加齢によって低下する。
(検査値の読み方)
PaCO2 : PaCO2は肺胞換気量の指標である。 PaCO2が高ければ肺胞換気量は不十分であり、低ければ過剰換気状態にある。

PaO2 : PaO2は血液酸素化能力を代表している。 PaO2を規定しているものは複雑で、外界要因である吸入気の条件(大気圧と酸素濃度)、肺胞換気量、肺胞におけるガス交換能力(換気/血流比、拡散能、シャント)の少なくとも3つのファクターが影響する。したがって肺胞換気能が十分であるにもかかわらず、PaO2が低下しているとき、肺胞レベルのガス交換障害があると判断され(肺胞気・動脈血酸素分圧較差A-aDo2の増加)、多くの呼吸器疾患における低酸素血症の原因である。

酸塩基平衡とpH : pHは血液の酸塩基平衡の指標、正確には水素イオン( [H+] )の量を示している。そして呼吸によって調節されるPaCO2(呼吸性因子)と腎臓で調節される[HCO3―](代謝性因子)によって規定される。生体はpHを正常に維持するためにどちらの異常に対しても他方が代償する。BEは代謝性異常によって付加された強塩基又は強酸の量のことであり、酸塩基平衡異常の代謝性変化を表す指標の1つとして用いられる。ポイントは酸塩基平衡は正常か異常か、異常であれば原因が呼吸性か代償性かその両方(混合性)か、また急性か慢性(代償状態)か判断しなくてはいけない。

採取容器: ガス用


Acute Care支援サイト(ラジオメータ株式会社) 

 

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