プロテインC, protein C(活性値)

外注会社:LSIM(平成26年4月1日より社名変更 旧MBM)

臨床的意義
 
プロテインCは生理的に重要な血液凝固制御機構であるプロテインC凝固制御系の中心的因子であり、血液凝固因子のプロトロンビン、X因子、IX因子、VII因子などと同様にビタミンK依存性に肝臓で合成される。ヒトプロテインCの分子量は約62,000であり、循環血液中の一部(10〜15%)は1本鎖分子であるが、大部分はS-S結合で連結された2本鎖(軽(L)鎖(分子量21,000)および重(H)鎖(分子量41,000))分子として存在する。L鎖のN末端領域にはビタミンK依存性蛋白質に特徴的なγ-carboxyglutamic acid(Gla)を9残基含むGlaドメインが存在する。セリンプロテアーゼ前駆体であるプロテインCは、内皮細胞上のトロンボモジュリンに結合したトロンビンによって活性化される。活性化に際し、H鎖のN末端のArg(12)-Ser(13)結合が限定分解され、アミノ酸12個からなる活性化ペプチドが遊離される。活性化プロテインC(APC)は血小板や血管内皮細胞膜のリン脂質にCa2+の結合したGlaドメインを介して結合し、プロテインSおよびV因子の存在下に活性型凝固補酵素蛋白質のVIIIa因子およびVa因子を分解・失活化する。その結果、IXa因子によるX因子の活性化反応およびXa因子によるプロトロンビンの活性化が著しく阻害され、凝固反応の推進に重要なトロンビンの生成が阻害される。また、APCはトロンビンにより血管内皮細胞や血小板から分泌されるtissue plasminogen activator inhibitor-1(PAI-1)と反応し、血管内局所におけるPAI-1レベルを低下させて循環血液中のt-PAレベルを高め、線溶系を促進することが示唆されている。このAPCの線溶促進機序には、APCによりトロンビン生成が阻害された結果、トロンビンによる内皮細胞や血小板からのPAI-1の分泌が阻害されるためとの説もある。APCは最終的に、血漿中のプロテインCインヒビター(PCI)およびα1アンチトリプシン(α1AT)と複合体を形成し、代謝される。プロテインCは先天性血栓性素因の一つであり、その先天性欠損症は高頻度に重篤な血栓塞栓症をきたす。また、後天性のプロテインC低下症も血管内凝固亢進の一因になると考えられており、血漿プロテインC値の測定は、血栓性疾患患者の診断と治療法の確立に不可欠である。

測定法: 
合成基質法

基準値: 
 64135%(平成17年3月28日より)
       
73142%(平成17年3月25日まで)
      
 70%以上(測定機種: 全自動血液凝固線溶測定装置 STA(ロシュ・ダイアグノスティック株))

異常値を示す疾患
低値: 先天性プロテインC欠損症、胆道閉鎖症、肝硬変、慢性肝炎

検体採取・測定条件

3.13%のクエン酸ナトリウム1に血液9の割合で採血し,転倒混和を5〜6回繰り返した後,すみやかに提出する。
・溶血すると不正確になるため注意が必要である。
・検体採取時には,組織トロンボプラスチンの検体への混入を避ける為,ダブルシリンジ法を用いるとよい。

関連項目

APCレジスタンス
プロテインS
C4b結合蛋白質(C4BP)
トロンボモジュリン
APC‐PCI複合体
アンチトロンビンIII(活性値)

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