黄体化ホルモン, LH (luteinizing hormone) 


測定法:FEIA(蛍光酵素免疫測定法)中央検査部 平成16年10月4日より開始 ,RIA 法(核医学診療室)平成17年3月25日

臨床的意義
 
黄体化ホルモン(luteinizing hormone ; LH)は、下垂体のゴナドトロープから分泌される卵巣刺激ホルモン(follicle-stimulating hormone ; FSH)とともにゴナドトロピンであり、性腺である卵巣や精巣を刺激し、性腺機能を刺激する作用がある。LHは、主として視床下部のゴナドトロピン放出ホルモン(gonadotropin releasing hormone ; GnRH)(LHRH)と、性腺からの性ステロイドホルモンにより制御されているホルモンである。LHは、下垂体から分泌されるゴナドトロピンの一つであるので、LHを測定することで下垂体のゴナドトロピンの産生・分泌能を知ることができる。また、下垂体は、単独で機能してゴナドトロピンを産生・分泌しているのではなく、視床下部、卵巣・精巣など他の生殖内分泌臓器が形成しているフィードバック系の一部としてゴナドトロピンを分泌しているので、ゴナドトロピンであるLHを測定することは、このフィードバック系が正常に作動しているか調べることにもなる。したがって、LHを測定することは、主に下垂体ゴナドトロピン分泌能とともに視床下部のGnRHの分泌能や卵巣・精巣の機能をも知ることになる。通常状態では、視床下部からのGnRHが下垂体のLHの産生・放出を促進し、これが卵巣・精巣からの性ステロイドホルモンの分泌を促す。一方、性腺からの性ステロイドホルモンは、視床下部や下垂体にフィードバックし、それらの分泌を抑制していることが多い。したがって、性腺機能低下または無機能で視床下部・下垂体機能が正常の場合は、性ステロイドホルモンによる抑制がないので、GnRHやLHの分泌量は増加する。このことから、基準参考値の中でも月経周期の卵胞初期と閉経以降の値を正常値として考え、患者の対応するそれぞれの状態に比較してこれより高い場合はLHの分泌亢進を示し、LHの標的臓器である卵巣か精巣の機能障害が考えられる。逆にLH値が低い場合は、当然、下垂体自身の機能低下によるものか、視床下部の機能低下によるのか、視床下部の機能低下による二次的な下垂体機能低下によるのかは判別がつかないことが多い。また、最近よく用いられる子宮内膜症の治療薬であるGnRH agonistは下垂体を脱感作し、LH、FSHの分泌を抑制する。LHの測定値は、それほど低くないこともあるが、その場合、LHの生物活性値をLeydig cellを用いて測定すると、免疫活性より低下している。また、逆に多嚢胞性卵巣症候群ではLHの高値がみられ、その生物活性はさらに高いことが知られている。糖鎖のあるLHの現在のassay法は、生物活性を測定しているのではなく、免疫活性を測定していることに絶えず留意する必要がある。

基準範囲:

中央検査部;測定機器:AIA-1800(東ソー株式会社)、 測定試薬 : ST Eテスト「TOSOH」U

成人男性 1.7〜11.2 mlU/ml 
成人女性  卵胞期 1.7 〜13.3 mlU/ml 
        排卵期 4.1 〜68.7 mlU/ml 
        黄体期 0.5 〜19.8 mlU/ml 
閉経後 14.4〜62.2 mlU/ml 


核医学
  

男性 1.80〜5.20 mlU/ml      女性  1.40〜7.40 mlU/ml

小児の基準値
 
乳児期に高く1歳以降は二次性徴発来少し前まで低値で、思春期に高くなって成人値に移行する。男女差があり、乳児期には男子の方がやや高く、思春期には女子の方がやや高い。脈動的な分泌とともに、日中低く夜間高い日差変動がある。

採取容器: 茶)試験管

関連項目

卵胞刺激ホルモン(FSH)
性ステロイドホルモン
LHRH(GnRH)負荷試験

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