グリコヘモグロビンA1c, HbA1c ( glyco hemoglobin A1c )


臨床的意義
 
HbA1cは、血糖値と尿糖値に比較して生理的因子による変動がなく、過去1〜3ヶ月の平均的血糖値を反映します。さらに、患者の重症度と正の相関があります。そのため、糖尿病の診断マーカー、経過観察の絶好のマーカーとされています。

高値を示す疾患: 糖尿病・ヘモグロビンF・尿毒症・アルコール中毒・アスピリン大量服用・鉛中毒・高ビリルビン血症・乳ビ血症

低値を示す疾患: 
赤血球寿命の短縮・ヘモグロビンS・ヘモグロビンC・ヘモグロビンE

測定方法:高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法

測定原理(HPLC法)
 
弱陽イオン交換カラム(非多孔性充填剤)を用い、塩濃度の異なるリン酸緩衝液による3液ステップグラジェント溶出法に基づき短時間で、高い分解能でヘモグロビンHbA1cを分離し測定します。さらに、分析カラムの高性能化により従来短時間では分離できなかった不安定型HbA1cを安定型HbA1cと分離可能になっており、安定型HbA1cのみを結果報告しています。

測定機器および測定時間
自動グリコヘモグロビン分析計 HLC−723G8(東ソー株式会社)1分(平成22年4月1日から)
自動グリコヘモグロビン分析計 HLC−723G7(東ソー株式会社)1.2分(平成22年3月31日まで)

相関:平成22年4月1日


基準範囲: 4.9 〜 6.0 % (平成27年7月1日より共用基準範囲へ変更)
4.3〜5.8 %(JDS), 4.6〜6.2 %(NGSP),(平成24年4月1日より平成27年6月まで)
(日本糖尿病学会「グリコヘモグロビンの標準化に関する委員会」によるグリコヘモグロビンの標準化に対応した較正を実施)(平成11年6月12日までの基準値4.3〜6.2%)

標準物質の変更(平成19年4月26日より)
東ソ− インフォメーション

JCCLS CRM-004a対応後前後のHbA1c値

従来値 CRM-004a対応値 差異
4.0% 4.1% +0.1%
5.0% 5.0% +-0.0%
6.0% 5.9% -0.1%
7.0% 6.8% -0.2%
8.0% 7.7% -0.3%
9.0% 8.6% -0.4%


国際標準化された新しいHbA1cについて(平成24年4月1日)

1.日常臨床では、平成24年4月1日からHbA1c(NGSP)を用い、HbA1c(JDS)を併記する。

2.新しく国際標準化されたHbA1c”HbA1c(NGSP)”と表記し、従来のHbA1cは”HbA1c(JDS)”と表記する。

3.HbA1c(NGSP)は、従来のHbA1c(JDS)と次の関係式で表現する。

  (関係式) HbA1c(NGSP)=1.02×HbA1c(JDS)+0.25

  (換算式) HbA1c(JDS)=0.980×HbA1c(NGSP)-0.245


採取容器: 
(灰)FNa入り試験管

関連項目

血糖(グルコース), 尿糖, 髄液糖
インスリン, Insulin(IRI)
グルカゴン


<参考文献>
1) 河原玲子,ヘモグロビンA1(グリコヘモグロビンA1) ヘモグロビンA1c(グリコヘモグロビンA1c).日本臨床増刊号47:1033-1035(1989)
2) 自動グリコヘモグロビン分析計HLC−723GHbV取扱説明書 (東ソー株式会社)
3) 東ソー自動グリコヘモグロビン分析計HLC−723GHbX A1c2.2技術資料.HLC−723GHbシリーズ・テクニカルレポート(東ソー株式会社)
4) 島 健二 他,グリコヘモグロビンの標準化に関する委員会報告(X).糖尿病41: 317-323(1998)

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