インスリン, insulin IRI (immunoreactive insulin)


臨床的意義

 インスリンは、膵β細胞より分泌されるポリペプチドホルモンで、21個のアミノ酸よりなるA鎖と30個からなるB鎖により構成されている。β細胞では、まずプロインスリンとして合成され、分泌顆粒内でCペプチドとインスリンに分離し、血中ブドウ糖濃度の上昇などの分泌刺激により放出される。血中インスリンの測定値はインスリン分泌能と同時に末梢組織のインスリン感受性を反映しており、糖尿病あるいは耐糖能障害の病態を評価するうえで有用である。また、インスリンそのものに異常がある場合や抗インスリン抗体の存在、インスリン分泌あるいは分解過程の障害などによっても異常値を示す。

測定方法: FEIA(蛍光酵素免疫測定法)
               
EIA法(平成16年10月1日まで)

測定機器:  AIA CL2400(東ソー株式会社)(平成29年5月8日より)
         AIA-2000(東ソー株式会社)(
平成25年12月9日から平成29年5月2日まで)
         AIA-1800(東ソー株式会社)(
平成16年10月4日から平成25年12月6日まで)
         エルジアF750 (平成16年10月1日まで)

測定試薬: ST Eテスト「TOSOH」U(東ソー株式会社)
         エルジアFインスリン(ネオ)(国際試薬)(平成16年10月1日まで)

基準範囲:  2.1〜19.0 μU/mL(平成29年5月8日より)
          1.1〜17.0 μU/mL(平成16年10月2日より平成29年5月2日まで)
          8 μU/ml  未満(平成16年10月1日まで)

相関:
 
平成29年5月8日
X=旧機器
Y=新機器
Y=0.9102X+0.1679 r=0.9857  n=127

平成25年12月9日

平成16年10月2日
y=0.768x+0.1097
 r=0.972   n=73 
(y:新法、x:従来法)


異常値を示す疾患

高値: インスリノーマ、インスリン自己免疫症候群、Cushing症候群、末端肥大症、巨人症、ステロイドホルモン投与、IGT,2型糖尿病の一部、肝疾患、肥満、異常インスリン血症、高プロインスリン血症、インスリン受容体遺伝子異常(A(C)型インスリン受容体異常、leprechaunism(妖精症)、Rabson-Mendenhall症候群など)、脂肪萎縮性糖尿病、B型インスリン受容体異常症
糖負荷後のみ高値: 反応性低血糖、甲状腺機能亢進症、胃切除後

低値: 膵摘除、慢性膵炎、1型糖尿病、ミトコンドリア遺伝子異常、MODY (maturity-onset diabetes of the young)、2型糖尿病の一部、下垂体機能低下症、副腎機能不全、膵外腫瘍による低血糖症、飢餓、低栄養

採取容器:
茶)生化学一般用分離剤入り試験管

関連項目

血糖
C−ペプチド(CPR)
プロインスリン


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