リンパ浮腫専門ケアチーム

チームの概要

【リンパ浮腫とは】

リンパ浮腫は,原因のわからない原発性と,原因のはっきりした続発性に分けられます。

原発性 先天性 … 生まれつき,もしくは2歳までに浮腫が出現。リンパ管の形成がわるくて浮腫が起きています。
早発性 … 35歳未満で浮腫が出現。典型的には初潮時もしくは妊娠時の女性に見られます。
晩発性 … 35歳以上で浮腫が出現。リンパ管の機能低下が影響していると考えられています。
リンパ浮腫
の10%
続発性 主にがんの治療でリンパ節を切除したり放射線治療をうけた後に起こるリンパ浮腫です。
他に,けがやフィラリア感染症,静脈瘤の悪化や,悪性腫瘍の増悪などによるものもあります。
リンパ浮腫
の90%

従来は「命が助かったのだから」と放置されていましたが,リンパ浮腫の症状である手や足のむくみは日常生活に大きな支障をもたらします
リンパ浮腫は,現在でも一度発症すると完治させることは非常に難しく,治療せず放置しているとだんだん悪化することが多い疾患です。悪化すると皮膚が硬くなったり,合併症がおこってしまい,治療が非常に難しくなるため,早期発見・早期治療が大切です
しかしながら,リンパ浮腫の標準的治療である「複合的治療(保存的治療)」と,「外科的治療(手術療法)」を総合的に受けることができる病院は全国にもまだまだ少ない状況です。

【構成診療科】
【構成メンバー】

活動内容

【治療の対象】

当院では医師・看護師・理学療法士・作業療法士がチームとなって悪性腫瘍治療後のリンパ浮腫のみならず,先天性リンパ浮腫や難治性リンパ浮腫などの治療困難症例の治療にも取り組んでいます
小児から成人,高齢者の方まで,症状の改善を求めて全国から患者さまが受診されております。

特 色

地域病院と連携したチーム医療
【リンパ浮腫の診断】
蛍光リンパ管造影写真
蛍光リンパ管造影

心不全や腎不全,静脈の流れが悪くても手足がむくんできます。リンパ浮腫と紹介頂いても,別の原因でむくんでいることがままあります。
まず何による浮腫なのかを明確に診断するために必要な検査を行い,その後の治療を安全に進めてゆきます。正しいリンパ浮腫診断のために当院では全例で標準化蛍光リンパ管造影検査を行っており,リンパ浮腫の早期発見や病期診断を行っております。

【リンパ浮腫の治療】
当院における治療の流れ図

リンパ浮腫の治療には,それぞれの患者様の状態や生活環境,そして実際に継続できうる治療方法をチームのみんなで考え,ベストなプランを提案させて頂いております。
保存的治療だけで十分な効果が得られることもありますが,当院ではリンパ浮腫に対する手術と組み合わせたハイブリッド治療も積極的に行っております。
リンパ浮腫に対する手術はおもにリンパの流れを改善する手術と,ボリュームを減らす減量術があり,リンパ浮腫の状態にあわせて適切な方法を選択しています。
リンパの流れを改善する手術としては,リンパ管静脈吻合術リンパ節移植術を,減量術としては脂肪吸引術を中心に行っております。状況によってこれらの方法を併施することもあります。

◎保存的治療
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医療リンパドレナージ
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弾性着衣や包帯による圧迫治療
◎外科的治療
リンパ浮腫に対する外科治療[ステージによる術式の選択] リンパの流れを改善する手術とボリュームを減らす手術
【これまでの手術治療実績】

当院では2000年の開局当初よりリンパ浮腫の外科治療を積極的に行っており,特にリンパ管静脈吻合術については,500例以上の治療実績があります。以下に過去5年の症例数の一覧をお示しいたします。近年では,新たにリンパ節移植術脂肪吸引術なども行っており,複数の術式で治療にあたっております。

  リンパ管静脈吻合術 リンパ節移植術 脂肪吸引術
2012年 42    
2013年 45 1 6
2014年 46 7 14
2015年 58 4 12
2016年 50   14
【症例写真】

保存的治療と外科的治療(リンパ管静脈吻合術+脂肪吸引)のハイブリッド治療を行った症例です。

症例@ 乳がん術後右上肢リンパ浮腫
治療前→治療後
症例A 婦人科術後右下肢リンパ浮腫
治療前→保存的治療後→手術治療後

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