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岡山大学におけるメンタリングについて


新任教員のためのメンター制度の整備を進めています。

※Newsletter第3号(平成23年3月発行)からの抜粋。 ニュースレター第3号はこちらから

メンタリングとは

あなたはご存じでしょうか?メンタリングとは、ギリシャ神話に登場する人名の「メンター (Mentor)」を語源とし、仕事の仕方や取り組み方、キャリアについて、より多くの経験と知識を持つ先輩(メンター)が後輩(メンティー)に指導・助言を行い支援することを指します。
 近年、メンタリングは組織におけるキャリア形成、心理的・社会的支援策の一環として企業や大学で採用されています。メンターには、アドバイザー、教師、ロールモデル、友人、スポンサーといった役割を総合的に果たすことが期待されています。これまでの職業人としてのキャリアを振り返ってみれば、実はあなたもメンターあるいはメンティーとしてメンタリングに関わっていたことがおわかりではないでしょうか。

アメリカでの成功例

競争的で個人主義的社会と言われるアメリカでさえも、大学教員にとってメンターあるいはメンティーとしてメンタリングに関わることの重要性が認識されています。まず、大学院生やポスドク時に知り合う研究上のメンターとは学会活動等を通して長年にわたる関係が続き、論文投稿や研究費獲得、職探しにおいて世話になることがあります。加えて、博士号取得大学とは異なる大学で大学教員としてのキャリアをスタートさせることが一般的なアメリカでは、テニュア獲得の過程を円滑に進めるために、教育者・研究者として多くの必須事項を学ぶことが必要であり、勤務大学の諸事情に詳しいメンターを持つことが大いに役立ちます。
 逆に、ベテラン大学教員にとっては、院生やポスドク、新任教員といった若手研究者のメンターとなることは当然の責務であり、かつ自らの評価にも関わることで、多数の優秀なメンティーがいることは名誉なことだと考えられています。

工夫と実践

そうはいっても、大学教員は多忙で独立心も高いため、お互いに効果的なメンタリング関係を築くことは容易ではありません。特に、大学教員の中で比較的少数の女性や外国人、人種的マイノリティ等の場合、自分が置かれた状況やニーズを十分に理解してくれる先輩をメンターに持つことは困難も多いようです。このようなメンタリング実践の機会不足の補完を目的として、多くの大学ではボランティア・メンターの協力を得て、メンタリングを制度化しています。
 制度化された公式メンタリング・プログラムでは、1対1、あるいはグループでの面談が中心となりますが、新任教員とベテラン教員との間にメンタリングの関係を半強制的に作るため、非公式にできたメンタリングの関係と比較すると不自然さが残る、あるいは共に仕事をすることを通して助言ができにくいといった限界もあります。それでも、よりよい関係が構築されれば、授業やゼミを見学させてもらったり、研究計画書を見てもらったりすることも可能となり、大変重宝されているそうです。

日本の現状

我が国の大学では長年続いた講座制中心の大学教員組織が改変され、大学教員は新任教員といえども独立して教育・研究活動をすることが求められています。そのため大学教員に必要な教育、研究上の訓練の機会がなく、メンタリングのニーズは高まっており、公式メンタリング・プログラムの構築が喫緊の課題だといわれています。とりわけテニュア・トラック制に採用されている教員や教員組織の中で孤立しがちな女性や外国人等の教員に対しては、公式にメンターに任命されたベテラン教員による支援が不可欠です。
 現に、女性研究者支援を積極的に行っている大学の多くが既にメンター制度を整備しており、男女を問わず新任教員を対象としてメンターを紹介しています。
 今後は、例えばFDの新しい活動としてメンタリングを加え、テニュア・トラック教員に限らず、若手を中心とした新任教員に対するメンタリングが活発にできるための支援策が必要でしょう。それは岡山大学における有用な人材育成に大きく貢献し、本学の将来的発展にも重要な貢献をなすものになると言えるでしょう。

制度導入にむけて

岡山大学では、テニュア・トラックの異分野融合先端研究コアやウーマン・テニュア・トラック教員制度に採用された教員には既に特定のメンター教員がいますが、若手新任教員にメンターを紹介する制度はまだありません。
 男女共同参画室では、これまでメンター養成研修やメンタリングに関するセミナー(コラム参照)を開催し、本格的なメンタリングの普及を目指してきました。最近では、テニュア・トラックのメンター教員を対象に勉強会や意見交換会を実施し、メンタリングのあり方について討論を重ね、本学における本格的なメンター制度の整備に向けて検討を進めています。
 皆様からの率直なご意見・ご提案をお待ちしております。