このコースに含まれる学問領域としては、心理学、地理学、社会学、社会文化学、文化人類学があります。
いずれも人間の行動・営み・生活様式・生き方について、実験や調査など、主に実証的方法を用いて理解しようとするものです。各学問領域の間で連携をとりつつ、個人から集団、社会、環境に至る諸問題を実証的に把握し、具体的な方策を提供できる人材の育成を目指しています。
実際の授業では、まずそれぞれの学問領域の概略とその魅力に出会えるように、入門用の科目が用意されています。基本的な考え方と基礎理論を学んだ後で、その基盤の上に心理学、地理学、社会学・文化人類学・社会文化学の三領域の区分に沿った、より専門性の高い授業が展開されます。話を聞くだけではなく、自分でデータを集めて分析をしたり、専門的な内容が外国語で書かれた文献を読んだりする、演習形式の授業にも、じっくり取り組んで行きます。最終学年である4年次には、自分の研究テーマを持って卒業研究に取り組みます。これは一年がかりで学術論文を仕上げる、学びの集大成ですので、チャレンジを楽しみにしていてください。
発見したことは?自分の意見は?分かりやすくプレゼンテーションして、深く討論する練習を重ねていきます。
ユーモア溢れる先生の授業。思わず教室中に笑いがこぼれるひととき。
心理学は、人間が自己を取り巻く環境をどう認知し、何をどのように学習し、思考し、働きかけ、新しいものを創造していくのか、対人関係や集団生活にどう自己を適応させていくのか、人格や態度・行動の形成に文化や社会はどう関わるのかを探究します。
人のものの見方や考え方、感じ方、行動の仕方について、自ら積極的に「実験」や「調査」などをして調べたい方を、歓迎します。機械を用いて心と体の反応を測定したり、心の様子を測定値で表してパソコンで統計的に解析したり、語りを傾聴したり、行為を緻密に観察・記録したりしていきます。
パソコンでデータ解析。ゆくゆくは調査や分析の仕事に就く人も多くいます。
廊下に貼られた、先輩達の学会発表のポスターを見て勉強。「ポスターセッション」とは、研究成果をまとめた紙の前に立って質疑応答をする、発表形態のことです。
社会学とは、一言でいうならば、「人と人とが織りなす社会現象を経験的・科学的に研究する学問」です。
私たちはさまざまな集団のなかにいます。家族、地域社会、学校などです。広くいえば、国際社会にも属しています。そしてそのなかでは、さまざまな問題が起こっているとともに、新しい動きもみえます。同性カップル、NPOの活動、田舎ぐらし、フリースクール、移民労働など数えあげたらきりがありません。問題が何故おこるのかを考えるのみならず、新しい動きをどう理解したらよいのかを考えていく学問のひとつが社会学なのです。
愛媛県上島町岩城島からの眺望。地域を大切に生き、誇りを持って生活している島の人たちの姿がまぶしい。
岡山県高梁市中山間地の農村。「限界集落」と言われている所で、「限界」を感じさせない住民の生き様に出会います。
社会文化学では、「社会」と「文化」の仕組みを、CMや漫画など身近な素材をてがかりに、分析します。文化研究(カルチュラルスタディーズ)も含みます。本領域では、他者・他民族のイメージができる過程を扱います。
いじめも戦争も、他人を「攻撃してよいもの」とする点で共通しますね。ですから、他民族にネガティブイメージをつける世界大戦・植民地を大事にします。「オーラル・ヒストリー」(聴き取り)の方法論を学び、実際の体験がメディアで変容する意味を考えます。メディア制作者や、戦争経験者を招いたトークセミナーが特色です。
現役のジャーナリストの貴重なお話を伺う授業。メディアや報道について、深く考える機会です。
日本の俘虜収容所にいた英国人元捕虜の声を聴く。
文化人類学では、地球上に生活するさまざまな人びとの文化や社会を、比較の視点から研究します。
私たちがテレビ番組や、あるいは観光旅行などを通じて接する「異文化」は、奇妙で不可解に見えることもあるでしょう。でもそれは、私たちが自分たちにとっての「あたりまえ」にこだわっているせいかもしれません。
授業では、子どもの育て方、結婚のルール、コミュニケーションのとり方、政治のしくみなど、あらゆるトピックを題材としつつ、人間にとって社会とは何か、文化は人の生き方にどんな影響を及ぼすのか、といった問題を考えていきます。
外国の市場を覗くと、生活が見えてきます。ジャカルタにて。
毎年恒例のゼミ合宿。4年生が卒業論文の中間報告をします。
地理学の基本は「見て、歩いて、そして考える」です。本コースの地理学では、人間の行動と地域や場所との関係を生き生きととらえることを中心課題としています。特に、環境問題、防災、産業地域や都市の変動、さらに国土利用や地域計画など、地域を分析してより良い将来を考えます。
授業でも、近隣地域を対象としたフィールドワークとともに、各地へ出かけて調査を行います。地理学を学んだ学生は一般企業の他、シンクタンク、教員、学芸員、公務員など多様な方面に就職しますし、旅行業務取扱管理者や気象予報士の資格を取る人もいます。
牧畜業の今日についてうかがっています。産業の現場に足を運んで、実感をつかんでいきます。
野外調査で訪れた地で、記念写真。みんなで行くから楽しくて、疲れも吹き飛ぶ。
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- 多屋頼典教授
実験心理学(知覚、認知)
認知科学、知覚と認知、生態学的心理学、心理学の歴史
「ピーチ」の階段を4階まで登って周りを見渡すと幸せな気分になります。お試しあれ。
- 長谷川芳典教授
行動分析学、心理学方法論
能動と生きがい、心理学研究法、行動分析学の諸問題
- 田中共子教授
社会心理学
現代社会心理学、異文化間心理学、健康心理学
- 堀内孝准教授
社会心理学
社会的認知、自己の心理学、心理統計
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- 小林孝行教授
比較社会学、コリア社会研究
日本コリア比較社会研究、現代韓国社会の国際化
- 藤井和佐准教授
地域社会学、政治文化論
農山漁村の地域リーダー、住民自治論、社会調査論
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- 北村光二教授
コミュニケーションの人類学
フィールドワークという方法、文化的多様性の基礎
- 中谷文美教授
ジェンダー人類学、仕事の人類学
観光人類学、東南アジアの社会と文化、ジェンダー論
1年次後期には、本コースの教員が開講する基礎科目2で「行動科学の基礎」として、担当教員の専門領域を中心に、実証的なアプローチの思考法や調査法を学び、人間行動への探求力・考察力の基礎を身につけます。また、同じく1年次生向けの基礎科目3は、本コースの教員全員が担当するオムニバス形式の授業です。5つの領域それぞれの特徴をふまえながら、行動科学の方法論とその研究の実際を、理論的背景、具体的データなどを通じて理解していくことを目指します。
コースへの所属が決定した2年次以降は、各領域に関係の深い概説、講義、演習を履修します。とくに行動科学実験・調査演習では、実験、アンケート調査、インタビュー調査、フィールドワークなどの方法論を学び、実践します。将来、社会で活躍する時に役立つ企画力、分析力、応用力に磨きをかけ、問題解決能力が身につく時期です。
3年次の後期からは、それぞれの領域別に開講される行動科学課題演習で担当教員の指導を受けながら、卒業論文のための研究に取り組みます。
| 授業科目 | 講義題目 |
|---|---|
| 基礎科目2 | 行動科学の基礎~地理学と社会学の視点から~ |
| 基礎科目2 | 行動科学の基礎~文化人類学と心理学を中心に~ |
| 自然地理学概説 | 日本の地形と気候 |
| 心理学概説2 | 社会心理学入門 |
| 心理学講義 | 知覚心理学 |
| 心理学講義 | マイクロ・エスノグラフィー |
| 社会学講義 | 共同と公共の担い手 |
| 文化人類学講義 | 仕事とジェンダーの文化人類学 |
| 地理学講義 | 自然と生活 |
| 行動科学実験・調査演習 | 心理学研究法上級実習 |
| 行動科学実験・調査演習 | 地理学における地域調査の方法 |
| 行動科学実験・調査演習 | 社会調査の基礎と応用 |
| 社会学演習 | 現代の社会学 |
| 社会文化学演習 | オーラルヒストリーの方法:記録と記憶の科学的考察 |
| 文化人類学演習 | フィールドワークという方法 |
- 在日留学生における日本的ソーシャル・スキルの実施度と日本人学生との友人関係の評価
~ペア比較を行って~ - 一般社会の生活環境をいったん経た浄土真宗僧侶の意識変容とその立場への意味づけ
~生涯発達的な観点からのライフストーリーより~ - 日本人にとっての高級ブランド品 ―消費行動としての贈与をめぐって―
- 高齢者が選び取る「生きがい」 ―白石島を題材として―
- 島根県八束町大根島におけるボタン栽培の実態と近年の変化
- 代替バス運行が地域に与える影響 ―石川県・のと鉄道の廃止を事例として―
- キャラについての社会学的考察
- 中山間地域における「活性」の意味 ―岡山県高梁市成羽町吹屋地域の事例―
- ある元兵士の戦争体験の受容プロセスとその「語り」の分析
