メカノメディスン:メカノ医工学を駆使した再生医療・生殖医療への展開

私たちの体はさまざまな力学的・機械的刺激(メカニカルストレス)を受容し、応答することで正常な生理機能を維持しています。この仕組みが破綻すると病的状態におちいります。各種疾患において、その成因解明・治療にメカニカルストレスを考慮に入れたメカノメディスンが重要となります。本研究は、これまでに研究代表者が培ってきた分子・細胞・組織・個体レベルでのメカノバイオロジー理論に基づき、少子高齢化対策の一助としてメカノ心臓再生医療とメカノ生殖医療のトランスレーショナルリサーチを展開します。さらに医療現場でのニーズをフィードバックし、臨床利用可能な革新的次世代メカノ医療技術を開発します。

再生医療・生殖医療を行う上で、メカニカルストレスを積極的に取り入れた方法が必要です。Englerらは細胞培養の力学環境の違いにより幹細胞の分化制御ができることを示しました(Cell 2006)。私たちは、血管前駆細胞にシェアストレスを与えると内皮細胞に、ストレッチを与えると平滑筋細胞に分化することを示しました(J Appl Physiol 2008)。このように、与えるメカニカルストレスの種類によって幹細胞の分化を制御することが可能です。

現状の生殖医療技術は、母胎における生理的生殖過程とはかけ離れた環境下で行なわれ、受精率・着床率・生児獲得率などの向上は限界に達しています。臨床現場からはブレークスルーとなる技術が渇望されています。卵管内での生理的メカニカルストレスを模した人工卵管システムの研究を行っているグループは多くありません。国内では私たちのグループ(Advanced Elastomers 2012)が、国外では米国ミシガン大学のグループ(Hum Reprod 2010)が開発しているのみです。私たちのグループのメカノ医工学的アプローチを用いた斬新な研究は、生殖医療専門誌の論説で紹介され表紙を飾りました(RBM Online 2010)。

What's new

2014.05.30. 当研究課題が独立行政法人日本学術振興会により採択されました。
2015.03.21. 第92回日本生理学会にて研究発表を行いました。
2015.08.dd. EMBC 2015にて研究発表を行います。
yyyy.mm.dd. xx誌にxxの論文が掲載されました。