

ここでは岡山大学脳神経内科で研修医や大学院生として研修・研究をしたみなさんの声を紹介します。


医員 森原 隆太
岡山大学神経内科は、神経疾患の患者さん全般を数多く診療しており、病棟・外来を通じて後期研修医として豊富な経験を積むことができます。阿部教授は、良い臨床医を育て優れた研究を推進するというモットーのもと、初期・後期研修医や学生に対する指導も熱心で、教授回診や外来診療では診察手技から疾患の考え方に至るまで、神経内科のことはもちろん、医学一般についても丁寧に厳しくご指導されています。われわれ後期研修医は、優秀な指導医や上級医に囲まれて、充実した大変楽しい日々を過ごしております。神経内科は、病歴と身体所見が大切な科であり、医者として非常に大切な「診察力」が身に付くように工夫されています。また最近は様々な画像診断が行われるようになってきており、診断に至るまでの思考過程を大切にする科でもあります。神経内科では、様々な疾患において治療法が少しずつ確立されてきています。また今後は、病態の解明や新しい治療法の開発に、われわれの研究に対する期待が大きくかかってきております。大変やりがいのある仕事だと思います。一緒に頑張りましょう。


香川県立中央病院 神経内科 診療科長 森本展年


香川県立中央病院は、私が赴任して間もない平成26年3月には病院の新築移転があり、今はできたばかりの新品の病院で仕事をしています。MRIやSPECT-CT、PET-CT、筋電計などもすべて刷新され、最新の医療設備に囲まれた環境です。ICUや救命病棟では、高度な医療を24時間体制で行うことができ、その気になれば何でもできる病院です。
香川県には神経内科専門医が極端に少なく、神経内科疾患の患者さんに、いまだ十分な医療が提供できているとは言えません。これから、自分自身の技術を高めると同時に、仲間をもっともっと増やして、地元香川県の医療に貢献したいと思っています。


宮崎君は2006年から当科に在籍し、修士課程と博士課程在籍中に実に5本もの英語論文(JCBFM誌など一流紙を含む)を執筆し、現在も医学の勉強を続けています。そんな先輩からのメッセージが当科に届いたのでこの度紹介します。
福井大学医学部医学科3年 宮崎一徳

他学部卒業後に受け入れてくれる医療系の研究室は他にもありますが、岡山大学脳神経内科学教室には世界的に有名な阿部教授をはじめ、臨床・研究経験豊富で多数の業績をあげている医師・研究者から指導を受けることが出来、基礎医学の知識や技術の習得のみならず、臨床医学の情報に接する機会が多々あります。ここで得られる知識や経験、広い視野は将来医科学の分野で活躍する上でとても役に立つと思います。さらに、学会での発表や論文執筆の機会も数多く、他の研究室ではなかなか経験できない密度の濃い充実した日々を送ることができます。
新たな領域に足を踏み入れることに不安を感じる方もいらっしゃると思います。私は何の技術や知識も持ち合わせておらず脳科学に対する興味だけで飛び込みましたが、在学中は先生方や同僚の温かいご支援をいただき多くの成果を上げることができました。意思あるところに道は開けると今強く実感しています。脳科学に興味を持つ、やる気のある学生の人たちは是非岡山大学神経内科の門を叩いてみて下さい。


大学院博士課程 河野 祥一郎

そして今年度からは、脳卒中研究グループの一員として研究生活がスタートしました。これまで携わってきた実臨床に即した研究テーマを頂き、阿部教授への研究報告や研究ミーティングで多くのアドバイスを受け、スタッフの先生方や留学生、博士・修士課程の仲間たちに支えられ大変充実した、楽しい大学院生活を過ごすことができています。


大学院修士課程 福井裕介



講師 菱川 望
2013年9月、私はそれまで働いていた愛知県の病院を退職し、現在、松下村塾ならぬ“蘭学阿部塾”(岡山大学神経内科)に入塾し、研究させていただいています。
愛知県では名古屋大学神経内科の祖父江元教授、愛知医科大学加齢医科学研究所の橋詰良夫名誉教授、吉田眞理教授の元で、臨床に最も近い神経病理学の研究をさせていただいていました。神経病理学は、所謂“研究”だけでなく、臨床で得られた診断をミクロまで観察して“答え合わせ”をするような面白さがあり、その病理学的知識・経験を臨床に活かすことができる分野でもあります。大学での主な研究テーマがパーキンソン病、レビー小体型認知症などの変性疾患や認知症でしたので、大学から出た後、その知識を活かしながら、一般市中病院で“もの忘れ外来”を立ち上げ、臨床医として働いていましたが、次第に臨床研究にも興味が出てきたため、また岡山県出身ということもあり、岡山大学で再び研究をする機会をいただきました。臨床研修‐大学での研究‐一般病院勤務を経た後の臨床研究は、初期研修後の研究とはまた違い、臨床経験を活かせる研究となるように思います。時代の一歩先を見据えた“蘭学阿部塾”の塾生たちと二度目の研究生活をご一緒に楽しんでみませんか。


医員 武本麻美
平成25年4月より岡山大学神経内科に入局させて頂き、今まさに勉強中の身です。私は、平成8年に川崎医科大学を卒業後、同医科大学附属病院の外科研修医として2年間初期研修後、同医科大学附属病院胸部心臓血管外科教室へ入局致しました。途中川崎医科大学医用工学教室で研究もさせて頂き、同教室にて学位を取得させて頂きました。大学院卒業後、結婚を機に郷里の兵庫県に戻り、その後8年間、一般内科医として地域医療に従事致しました。私の郷里は兵庫県でも高齢者の比率が大変高い地域であります。初期の認知症を疑う患者も多く、どのような医療サポートをすれば良いのか悩む日々でした。家庭生活のリズムもつかんだ平成24年の晩夏に、「皮膚筋炎」で苦しむ患者を診療致しました。典型的な皮膚症状があったため診断はすぐに出来ましたが、治療を行う際に近くの専門科のある病院へ転院の依頼を出したものの、満床なので先生の病院で治療を行ってもらえないだろうかということになり、指示を仰ぎながら治療を施行致しました。その時に、認知症や末梢神経・筋疾患の診療を今より専門的に出来るようになれないだろうか、それが私の郷里での診療にも活かせるのではないかとふと「もう一度、研修させてもらえる病院を探そう」と思い立ちました。
今でも不思議なのですが、当時必死にその患者さんの治療をしていた気持ちの高ぶりも後押ししたのでしょうが、快く私の研修を承諾して下さった阿部教授には心より感謝しております。入局後、自宅から大学病院まで新幹線とバスを利用した通勤となり、仕事と家庭生活のバランスの取り方で本当に悩んだこともございましたが、医局の先生方が日々温かく励まして下さったことが何よりの原動力となって学び続けることが出来ております。孔子の論語に「子曰 学而時習之 不亦説乎 有朋自遠方来 不亦楽乎 人不知而不慍 不亦君子乎」という有名な白文がございますが、岡山大学神経内科学教室は、他科で研鑚をつんだ医師であっても、結婚している、あるいは子育てもしている医師であっても、学びたいという志のある医師に対しては広く門戸を開けて温かく迎えて下さいます。症例数も疾患の種類も豊富で、御指導頂くスタッフの先生方も心・技共に大変優秀であります。私のように何かのきっかけで、神経内科学を一から学びたいという先生がおられましたら、ぜひ岡山大学神経内科学教室まで見学にいらして下さい。