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淺沼医学部長からの祝辞

岡山大学医学部医学科卒業生の皆さん

 医学科卒業生の皆さん,ご卒業おめでとうございます。
本来ならば医学科学位記等授与式を開き,晴れ姿の皆様一人一人の顔をみて学位記を手渡しし,教職員や後輩をあげてお祝い申し上げたかったところですが,新型コロナウイルス感染症の拡大状況と皆さんの今後の医療系機関等での勤務を鑑みて,このような形での学位記授与とさせて頂きました。
 多くの学友,先輩後輩と苦楽を共にし,一緒に学んだ医学科の6カ年は,実に濃密な充実した期間であったことと思います。他のどの学部よりもはるかにタイトなカリキュラムでの講義や実習を通して,皆さんが修得できたものは何であったでしょうか。医学科で掲げられている5つのディプロマポリシー,人間性に富む豊かな教養,目的につながる専門性,効果的に活用できる情報力,時代と社会をリードする行動力,そして生涯に亘る自己実現力を涵養することができたでしょうか。今後も引き続き自己研鑽を積み,是非とも人々の健康増進と福祉に貢献することを目指す医療人,医学者になって頂きたいと思います。各々が謙虚に己を見つめ,他者を利する思いやりの医の精神を持ち続けて下さい。少子高齢化,医師の適正配置,専門医制度,研究医減少,バイオインフォーマティクスとAIの導入など様々な課題が現在あり,これからの医学医療の世界は大きく変わることになると予想されています。まさしく皆さんがその諸問題に取り組む世代となるのです。医療の世界においても働き方改革の一環として医師個人のQOLを重視する風潮がありますが,どうか「己を研き,他を慈しむ」医の精神を大切にして下さい。
 これから皆さんは岡山大学医学部医学科同窓会すなわち鶴翔会会員となります。岡山大学医学部は今年2020年で150周年を迎えます。「地域に支えられ世界を目指す」をスローガンにしている岡山大学医学部の次の50年を築いていくのは同窓の一人一人の,特に若い世代の皆さんの活動です。各々がそれぞれの道で「医の志」を貫いてくれることを祈念して,簡単ではありますが私からのはなむけの言葉と致します。

令和2年3月25日
岡山大学医学部長  淺沼 幹人