OHNCC 岡山大学病院頭頸部がんセンター

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頭頸部がん治療における歯科医の役割

ビスフォスホネートにおける顎骨壊死について

ビスフォスホネート製剤(BP製剤)は、癌の骨転移や骨粗鬆症などの治療薬で、服用後や投与後に抜歯やインプラント植立などが原因でおこる場合が多いようです。特に癌の骨転移の治療薬として使用されるものは、点滴製剤で内服薬に比べ、顎骨壊死の発生頻度が高いといわれています。骨転移のため、BP製剤を使用予定の患者は、早期に、歯科口腔外科への受診を行った方がよいと思われます。可能であれば、保存不可能な歯は早期の抜歯が望ましいですが、BP製剤の開始時期との関連もあり、腫瘍の治療を担当している主治医との相談が必要です。今後は、将来的に骨転移の可能性が高い患者は、歯科受診を行い、早期に保存不可能な歯の抜歯を行うことをお薦めします。その後は、口腔ケアや歯の保存治療が必要です。骨転移のためすでにBP製剤を開始した患者については、抜歯や外科処置は可能なかぎり避けた方が無難です。またBP製剤により、顎骨壊死をおこした患者については、抗菌剤により消炎処置を行い保存療法に努めますが、症例によっては顎切除が必要な場合も存在します。一般的な骨髄炎に補助療法に使用する高気圧酸素療法は、BP製剤が原因の骨髄炎には、無効な場合が多いようです。

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