○岡山大学学生に係る懲戒等に関する規則
平成28年2月23日
岡大規則第1号
(趣旨)
第1条 この規則は,岡山大学(以下「本学」という。)に学籍を有する全ての者(以下「学生」という。)に係る岡山大学学則(平成16年岡大学則第2号)第58条第2項及びそれを準用する岡山大学大学院学則(平成16年岡大学則第3号)第49条に基づく懲戒及び学生に対して教育的指導として行う厳重注意について,必要な事項を定める。
(基本的な考え方)
第2条 懲戒は,懲戒の対象となる行為の様態,結果,影響等を総合的に検討し,教育的指導の観点から行わなければならない。
(懲戒の種類・効果等)
第3条 学生の懲戒は,処分書を交付して行い,その種類及び効果は,次の各号のとおりとする。
一 退学 学生としての身分を失わせること。
二 停学 一定の期間登校を停止させること。
三 訓告 文書により注意を与え,将来を戒めること。
2 前項第2号に定める停学は,有期又は無期とし,期間は次のとおりとする。
一 有期停学 3月以内又は3月を超え6月以内のいずれかの区分で決定し,確定期限を付す。
二 無期停学 原則として6月を超える期間とし,確定期限を付さない。
(有期停学期間の短縮及び無期停学の解除)
第3条の2 有期停学の期間は,別に定める取扱いに基づき,指導による効果等を勘案して,当該区分の範囲内で短縮することができることとする。
2 無期停学は,別に定める取扱いに基づき,指導による効果等を勘案して,解除の時期を決定する。
(懲戒の対象となる行為)
第4条 懲戒の対象となる行為は,次の各号の一に該当する場合とする。
一 本学の秩序を乱し,授業・研究等本学の運営を妨げるような行為を行った場合
二 学内外において違法行為を行った場合
三 本学が実施する試験において,不正行為を行った場合,不正行為を行おうとした場合,不正行為を幇助した場合又は監督者の注意若しくは指示に従わない場合で特に悪質と判断された場合
四 本学の諸規則等に違反する行為を行った場合
五 その他学生の本分に反する行為を行った場合
(懲戒処分の量定)
第5条 懲戒処分の量定の決定に当たっては,別表に掲げる懲戒処分標準例を参考に,行為の悪質性や結果の重大性,教育的指導の観点から総合的に判断するものとする。ただし,個別の事案の内容によっては,これによらない場合もあるものとする。
2 前項の判断基準は,岡山大学学生の懲戒処分の量定決定に関する内規(平成28年2月23日学長裁定)」による。
(退学・停学の懲戒手続)
第6条 当該学生が所属する学部・研究科等(以下「学部等」という。)の長(以下「学部長等」という。)は,当該事実(その疑いに合理性のあるものを含む。)が退学又は停学に相当すると認めるときは,当該学生に対し直ちに謹慎を命ずるとともに学長にその旨を報告するものとする。
2 学部長等は,当該学部等の教授会(教授会として置かれた運営委員会を含む。以下「教授会等」という。)の議を経て,当該学生を退学又は停学とすることが相当であると判断したときは,学長に申出るものとする。
3 学長は,前項の申出があったときは,教育研究評議会に付議し,その審議結果を参酌して,当該学生の処分等を決定する。
5 第1項の謹慎の期間は,停学期間に算入する。
(訓告の懲戒手続)
第7条 学生の懲戒のうち訓告は,全学的な見地から検討を要する場合を除き,岡山大学学則第58条第1項及びそれを準用する岡山大学大学院学則第49条の規定に基づき,学部長等に委任するものとする。
2 訓告の決定は,当該学部等の教授会等の議を経て,学部長等が行う。
3 学部長等が訓告を行おうとする場合は,事前に学長に報告するものとする。
(弁明)
第8条 学部長等は,学生の懲戒の申出又は決定を行おうとするときは,教授会等の審議に先立ち,当該学生に対して,懲戒の提案がある旨を文書で通知し,相当期間まで文書又は口頭による意見陳述の機会を与えるものとする。
2 意見陳述の機会を与えたにもかかわらず,正当な理由なく意見陳述書を提出しなかった場合又はこれを欠席した場合は,この権利を放棄したものとみなす。
(懲戒審査委員会)
第9条 学長は,全学的な見地から検討を要すると認めたときは,懲戒審査委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
2 委員会は,副学長のうち学長が指名した者,関係する学部長等及び学長が指名した教育研究評議会評議員若干人で組織する。
3 委員会は,当該懲戒の適否について審議し,その結果を学長に報告する。
4 委員会は,審査にあたり,当該学生に対して,懲戒に対する文書又は口頭による意見陳述の機会を与えるものとする。ただし,意見陳述の機会を与えたにもかかわらず,正当な理由なく意見陳述書を提出しなかった場合又はこれを欠席した場合は,この権利を放棄したものとみなす。
5 学長は,委員会の審査結果を参酌し,必要と認めたときは,学部長等に当該懲戒の再検討を指示することができる。
(懲戒の通知等)
第10条 学長又は学部長等が懲戒を決定したときは,当該学生に対し,文書により通知する。
2 前項の通知は,懲戒の内容及び理由を記載した懲戒処分書を,学部長等から当該学生に交付することにより行う。ただし,交付が不可能な場合は,他の適当な方法により通知する。
3 懲戒処分の発効日は,当該学生に前項による交付等が行われた日とする。ただし,やむをえない場合は,この限りではない。
(処分内容の公表)
第11条 学生の懲戒を行ったときは,同種の不正行為等を防止し,学生の規範意識を啓発する目的で,当該懲戒の内容を,学内への掲示等により公表するものとする。ただし,当該学生の氏名,学生番号その他個人を特定できる情報は公表しない。
(懲戒に関する記録)
第12条 懲戒を行った場合は,当該学生の学籍簿にその内容を記録するものとする。ただし,証明書及び推薦書等にはその内容を記載しない。
(不服申立て)
第13条 懲戒処分を受けた学生は,事実誤認,新事実の発見その他の正当な理由があるときは,懲戒の発効日の翌日から起算して14日以内にその証拠となる資料を添えて,文書により学長に不服申立てを行うことができる。
2 学長は,必要があると認めた場合は,学部長等に再審査を指示し,結果の報告を求めるものとする。
3 学長は,前項の報告を教育研究評議会に付議し,その審議結果を参酌して,当該懲戒処分に係る再審査の結果を決定する。
4 学長は,再審査の結果(再審査の必要がないと認めた場合は,その旨)を,当該学生に文書により通知するものとする。
5 不服申立ては,懲戒処分の効力を妨げない。
(停学中の取扱い)
第14条 停学中の受験及び履修手続きは,次の各号のとおりとする。
一 停学中の受験は認めない。
二 停学中の履修手続きは,停学の解除後,学部等が定める期間内に行う。
2 当該学部等は,教育的観点から,停学及び謹慎中の学生に対する指導を行うものとする。
(有期停学期間の短縮及び無期停学の解除手続)
第15条 学部長等は,教授会等の議を経て,第3条の2に基づき,当該学生を有期停学期間の短縮又は無期停学の解除とすることが相当であると判断したときは,学長に申出るものとする。
3 無期停学の解除は,第1項の申出により,教育研究評議会の議を経て,学長が行う。ただし,無期停学の解除の時期は,原則として当該停学の始期から起算して6月以内の日とすることはできない。
4 学長は,有期停学期間の短縮又は無期停学の解除を決定した場合は,当該学生に対し,文書により通知する。
5 前項の通知は,学部長等から当該学生に交付することにより行う。
(自主退学・休学)
第16条 学長は,懲戒の対象となる行為を行ったとされる学生から,懲戒等の処分が決定する前に,自ら退学する願い出があったときは,この願い出を許可しないものとする。また,懲戒の審査を開始していない場合であっても,当該事実又はその疑いが懲戒に相当すると認められる場合も同様とする。
2 学長又は学部長等は,停学中の学生から休学の願い出があったときは,この願い出を許可しないものとする。
3 学長は,休学中の学生に対し停学を命じるときは,当該学生の停学期間の起算日以降の休学許可を取り消すものとする。
(逮捕・勾留時の取扱い)
第17条 学生が逮捕・勾留され,本人に接見することができない場合であっても,本人が罪状を認めていると確認された場合は,懲戒を行うことができる。
2 前項において,本人が罪状を否認している場合であっても,諸般の状況を考慮し慎重に検討した上で,学長が当該学生を懲戒処分にすることが適当であると認めた場合は,懲戒を行うことができる。
(厳重注意)
第18条 学長又は学部長等は,社会的規範に照らし,不適切な行為を戒め,規律を保持する必要があると認めるときは,教育的指導として文書又は口頭により厳重注意を行うことができる。
(雑則)
第19条 この規則に定めるもののほか,試験における不正行為の取扱い及びその他学生の懲戒等に関し必要な事項は,別に定める。
附則
この規則は,平成28年4月1日から施行する。
附則(平成31年3月28日規則第19号)
この規則は,平成31年4月1日から施行する。
附則(令和元年12月24日規則第30号)
この規則は,令和元年12月24日から施行する。
附則(令和3年1月25日規則第1号)
この規則は,令和3年1月25日から施行する。
附則(令和4年6月23日規則第20号)
この規則は,令和4年6月23日から施行し,令和4年4月1日から適用する。
附則(令和5年6月27日規則第22号)
1 この規則は,令和5年6月27日から施行する。
2 改正後の第3条及び第15条の規定に関わらず,既に懲戒処分により停学中の学生については,なお従前の例による。
別表(第5条関係)
懲戒処分標準例
区分 | 懲戒対象行為 | 該当する懲戒の種類 | |||
退学 | 停学 | 訓告 | |||
無期 | 有期 | ||||
犯罪行為 (交通事故・違反を除く。) | 殺人,強盗,強制性交等,放火等などの凶悪な犯罪行為又は犯罪未遂行為 | ○ | |||
薬物犯罪行為(大麻その他違法薬物,危険ドラッグの使用及び不法所持,売買,仲介等) | ○ | ○ | ○ | ○ | |
わいせつ行為 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
傷害行為 | ○ | ○ | ○ | ||
他人を傷害するに至らない暴力行為 | ○ | ○ | ○ | ||
違法な賭博行為 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
窃盗,詐欺,恐喝,住居不法侵入などの犯罪行為 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
ストーカー行為 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
コンピューター又はネットワークを用いた犯罪行為 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
その他,上記以外の刑罰法令に触れる行為 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
交通事故・違反 | 死亡又は高度な後遺症を残す人身事故を伴う交通事故を起こした場合で,その原因行為が無免許運転,飲酒運転,暴走運転など悪質な場合 | ○ | |||
人身事故を伴う交通事故を起こした場合で,その原因行為が飲酒運転や暴走運転など悪質な場合 | ○ | ○ | ○ | ||
飲酒運転,暴走運転などの交通法規違反を犯した場合 | ○ | ○ | ○ | ||
飲酒 | 飲酒を強要し,死に至らしめた行為 | ○ | ○ | ○ | |
飲酒を強要し,急性アルコール中毒等の被害を与えた行為 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
飲酒を強要した行為 | ○ | ○ | ○ | ||
20歳未満の者の飲酒の事実を知りながら同席していた場合 | ○ | ○ | ○ | ||
20歳未満の者が飲酒を行った場合 | ○ | ○ | ○ | ||
違法行為により本学の秩序を乱す行為 | 本学の教育研究,学修環境又は管理運営を著しく妨げる行為 | ○ | ○ | ○ | ○ |
本学構成員に対する暴力行為,威嚇,拘禁,拘束等 | ○ | ○ | ○ | ||
本学が管理する建造物又は器物の破壊,汚損,不法改築等 | ○ | ○ | ○ | ||
本学が管理する建造物への不法侵入又はその不正使用若しくは占拠 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
セクシュアル・ハラスメント,アカデミック・ハラスメント,いじめ等のハラスメント行為 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
発表された研究成果の中に示されたデータや調査結果等の捏造,改ざん及び盗用 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
その他違法行為により本学の信用を著しく失墜させる行為 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
試験不正行為 | 代理(替玉)受験をしたり,させた場合又は特に悪質な不正行為を行った場合 | ○ | ○ | ○ | |
不正行為を行った場合 | ○ | ○ | |||
不正行為を行おうとした場合又は不正行為を幇助した場合 | ○ | ○ | ○ |