○岡山大学の放射線障害の防止に関する管理規則

平成28年3月29日

岡大規則第13号

第1章 総則

(目的)

第1条 この規則は,放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(昭和32年法律第167号。以下「法」という。)及び電離放射線障害防止規則(昭和47年労働省令第41号。以下「電離則」という。)に基づき,岡山大学(以下「本学」という。)における放射性同位元素,放射性同位元素装備機器及び放射線発生装置(以下「放射性同位元素等」という。)並びにエックス線装置の取扱いに関し必要な事項を定め,これらによる放射線障害を防止し,本学内外の安全の確保に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この規則において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号の定めるところによる。

 放射線施設 放射性同位元素等を取り扱う施設

 エックス線装置 1メガ電子ボルト未満のエネルギーを有するエックス線を発生する装置(医療用を除く。)

 放射線業務従事者 放射性同位元素等の取扱い,管理又はこれらに付随する業務(以下「取扱等業務」という。)に従事する者

 エックス線業務従事者 エックス線装置の取扱等業務に従事する者

 管理部局 放射線施設を管理する部局。

 設置部局 エックス線装置を設置する部局

 所属部局 放射線業務従事者又はエックス線業務従事者が所属する部局

(放射線障害予防規程)

第3条 管理部局の長(以下「管理部局長」という。)は,法第21条第1項の規定に基づき,放射線障害予防規程(以下「予防規程」という。)を定めなければならない。

2 前項の予防規程を制定又は改廃するときは,あらかじめ第14条に規定する放射性同位元素等安全管理委員会の議を経るものとする。ただし,その改正内容が軽微なものであるときは,この限りでない。

(特定放射性同位元素防護規程)

第3条の2 法に定める特定放射性同位元素を有する施設の管理部局長は,特定放射性同位元素を防護するため,特定放射性同位元素防護規程(以下「防護規程」という。)を定めなければならない。

第2章 管理体制

(組織)

第4条 本学における放射性同位元素等及びエックス線装置の取扱い並びにその安全管理に従事する者に関する組織は,別表のとおりとする。

(学長)

第5条 学長は,本学における放射性同位元素等及びエックス線装置の取扱い並びに放射線障害の防止に関して総括する。

(統括放射線安全管理主任者)

第6条 本学における放射性同位元素等及びエックス線装置の安全管理を統括させ,管理部局長又は設置部局の長(以下「設置部局長」という。)に対して放射線障害の防止の適切な実施に関し指導,助言,勧告等を行わせるため,統括放射線安全管理主任者を置く。

2 統括放射線安全管理主任者は,自然生命科学研究支援センター光・放射線情報解析部門の教員のうちから自然生命科学研究支援センター長が指名し,学長が任命する。

3 統括放射線安全管理主任者は,核燃料物質等に関する放射線安全管理についても指導,助言,勧告等を行う。

(管理部局長)

第7条 管理部局長は,所掌する放射線施設の管理運営を適切に行うとともに,それに係る放射線障害の防止に努めなければならない。

2 管理部局長は,放射線施設の管理運営及び放射線障害の防止に関し,第10条に規定する放射線取扱主任者の意見を尊重しなければならない。

(設置部局長)

第8条 設置部局長は,当該部局に設置するエックス線装置の安全管理に努めなければならない。

2 設置部局長は,エックス線装置の安全管理に関し,第12条に規定するエックス線作業主任者の意見を尊重しなければならない。

(所属部局長)

第9条 所属部局の長(以下「所属部局長」という。)は,放射線業務従事者及びエックス線業務従事者の放射線障害の防止に努めなければならない。

(放射線取扱主任者及びその代理者)

第10条 管理部局長は,放射線施設の管理運営及び放射線障害の防止について指導監督を行わせるため,放射線施設ごとに放射線取扱主任者(以下「取扱主任者」という。)を置く。

2 管理部局長が必要と認めた場合は,放射線施設に複数の取扱主任者を置くことができる。

3 管理部局長は,放射線施設に複数の取扱主任者を置く場合には,主たる放射線取扱主任者1名とそれを補佐する放射線取扱副主任者(以下「取扱副主任者」という。)に区分し,その職務を明らかにしなければならない。

4 取扱副主任者は主たる取扱主任者が出張,疾病その他の事故により,その職務を行うことができないときに,その期間中にその職務を代行しなければならない。

5 管理部局長は,取扱主任者及び取扱副主任者が出張,疾病その他の事故により,その職務を行うことができないときに,その期間中その職務を代行させるため,取扱主任者の代理者を置くことができる。

6 取扱主任者及び取扱主任者の代理者は,取扱主任者となる資格を有する者のうちから管理部局長の推薦により学長が命ずる。

7 学長は,法第36条の2に定めるところにより,取扱主任者に,登録定期講習機関が行う定期講習を受けさせなければならない。

(特定放射性同位元素防護管理者)

第11条 管理部局長は,放射線施設が特定放射性同位元素を保有する場合は,その防護措置を行わせるため,特定放射性同位元素防護管理者(以下「防護管理者」という。)を置く。

2 防護管理者は,管理部局長の推薦により学長が命ずる。

3 学長は,法の定めるところにより,防護管理者に,登録定期講習機関が行う定期講習を受けさせなければならない。

(エックス線作業主任者)

第12条 設置部局長は,放射線施設以外の施設にエックス線装置を置く場合には,電離則第3条に規定する管理区域(以下「管理区域」という。)を設定するものについては,当該管理区域ごとに同条により定められた業務を行わせるため,電離則第46条に定めるエックス線作業主任者(以下「作業主任者」という。)を置く。

2 作業主任者は,電離則第47条に定める職務を行う。

3 作業主任者は,設置部局長が指名する。

(健康管理主任者)

第13条 放射線業務従事者及びエックス線業務従事者の健康診断その他必要な保健指導を行うため,本学に健康管理主任者2名を置く。

2 健康管理主任者は,学長が命ずる。

(全学委員会)

第14条 本学における放射線施設及びエックス線装置の管理運営及び放射線障害の防止等に関し協議するため,放射性同位元素等安全管理委員会(以下「全学委員会」という。)を置く。

2 全学委員会は,次の各号に掲げる事項を所掌する。

 本学の放射線施設及びエックス線装置の安全管理に係る全学的な方針の策定に関すること。

 放射性同位元素等及びこれらを使用する研究治療施設の管理運営に関すること。

 エックス線装置を使用する教育研究施設の管理運営に関すること。

 放射性同位元素等又はエックス線装置による障害防止に関すること。

 関係部局間の調整に関すること。

3 委員会は次の各号に掲げる者で組織する。

 統括放射線安全管理主任者

 放射線取扱主任者

 エックス線装置設置部局のうちから選出された教員

 自然生命科学研究支援センター光・放射線情報解析部門鹿田施設長

 自然生命科学研究支援センター光・放射線情報解析部門津島施設長

 研究・イノベーション共創管理統括部長

 その他学長が必要と認めた者

4 委員会に委員長を置き,前項第1号の者をもって充てる。

5 委員長は,委員会を招集し,その議長となる。

6 委員長がその職務を行うことができない場合は,委員長が指名する者がその職務を代理する。

7 委員長は,必要と認めるときに,委員以外の者の出席を求め,その意見を聞くことができる。

(部局委員会)

第15条 管理部局長は,管理する放射線施設に係る放射線障害の防止に関し,必要な事項を審議するため,管理部局に放射線障害防止委員会(以下「部局委員会」という。)を置くものとする。

2 部局委員会に関し必要な事項は,管理部局長が別に定める。

第3章 業務従事者の登録等

(登録)

第16条 放射性同位元素等又はエックス線装置の取扱等業務に従事しようとする者は,所属部局長に所定の様式により,放射線業務従事者又はエックス線業務従事者としての登録を申請しなければならない。なお,エックス線業務従事者の登録は,電離則第3条に定める場合のほか,所属部局長が必要と認めるときに限る。

2 所属部局長は,前項の申請をした者に対して,法第22条又は電離則第52条の5に規定する教育及び訓練の受講並びに法第23条又は電離則第56条に定める健康診断を受診させ,又は健康診断の記録を提出させなければならない。

3 所属部局長は,前項の健康診断の受診結果又は記録に基づき,健康管理主任者が取扱等業務に従事することを可とした者を登録する。

4 登録の有効期間は,登録を行った日の属する年度末までの期間において,登録を行った部局に所属している期間内とする。

5 所属部局長は,登録した放射線業務従事者及びエックス線業務従事者の氏名等を管理部局長及び設置部局長に通知するものとする。また,登録した者に異動があった場合も同様とする。

(許可)

第17条 前条の規定より登録された放射線業務従事者は,各管理部局で管理する放射線施設を使用するにあたり,当該管理部局長の許可を受けなければならない。

2 許可の有効期間は,許可した日の属する第16条第4項に定める期間内とする。

3 管理部局長は,許可した放射線業務従事者の氏名等を所属部局長に通知するものとする。

4 所属部局長は,前項の許可の有無について当該業務従事者に通知する。

(証明)

第17条の2 所属部局長は,登録した放射線業務従事者が学外施設を利用する場合に,当該学外施設より依頼された放射線業務従事者の証明書を発行する。

2 前項の証明書は,放射線業務従事者が使用する放射線施設の取扱主任者が作成する。

3 学内の放射線施設を使用していない放射線業務従事者について,第1項の証明書は,統括放射線安全管理主任者がこれを作成する。

第4章 健康管理

(健康管理)

第18条 管理部局長は,放射線施設及び管理区域に立ち入る放射線業務従事者の個人被ばく線量を測定し,その結果を記録して,所属部局長に報告しなければならない。

2 設置部局長は必要と認めた場合に,管理区域以外に設置されたエックス線装置を使用するエックス線業務従事者について,健康管理及び被ばく管理を行い,その結果を記録して,所属部局長に報告する。

3 所属部局長は,放射線業務従事者に対し,当該部局の定めるところにより健康診断を実施し,その結果を記録しなければならない。

4 所属部局長は,第1項及び第2項並びに前項の記録の写しを当該放射線業務従事者にその都度交付しなければならない。

5 所属部局長は,第1項第2項及び第3項の記録は永久に保存しなければならない。

6 所属部局長は,放射線障害を受けた者又は受けたおそれのある放射線業務従事者に対し,直ちに健康管理主任者と協議の上,取扱等業務に係る時間の短縮及び当該取扱等業務の制限等について必要な措置を講じなければならない。

7 所属部局長は,前項の措置の結果を全学委員会及び管理部局長を経由して学長に報告しなければならない。

第5章 教育及び訓練

(教育及び訓練)

第19条 管理部局長は,所掌する放射線施設を使用する放射線業務従事者に対し,法及び予防規程に定める教育及び訓練を実施しなければならない。

2 設置部局長は,所掌するエックス線装置を使用するエックス線業務従事者に対し,必要と認める場合に,別に定める教育を実施しなければならない。

第6章 安全措置

(密封されていない放射性同位元素の使用)

第20条 密封されていない放射性同位元素の使用は,定められた施設の管理区域内の作業室において行うものとする。

(放射性同位元素の防護)

第20条の2 特定放射性同位元素を保有する施設の管理部局長は,法及び防護規程に定める防護措置を実施しなければならない。

2 前項の防護措置は,第11条に定める防護管理者が統括し,防護従事者が実施する。

3 防護従事者は管理部局長が指名する。

(放射線施設の維持及び管理)

第21条 管理部局長は,放射線施設の適正な維持及び管理を行うため,安全管理責任者を定め,法及び予防規程に定める期間ごとに自主点検を行わなければならない。

2 管理部局長は,前項の実務を行わせるため,安全管理担当者を置く。

3 安全管理責任者及び安全管理担当者は管理部局長が指名する。

(エックス線装置の維持管理)

第22条 設置部局長は,エックス線装置を電離則に定められた期間ごとに点検するとともに,補修する等の措置により適切に維持し管理しなければならない。

(立入調査)

第23条 全学委員会は,第21条及び第22条に定める点検並びに放射線障害防止の適切な実施を図るため,必要に応じ,管理部局及び設置部局に対する立入調査を実施することができる。

(災害時及び危険時の措置)

第24条 管理部局長は,地震,火災等の災害が起こった場合には,予防規程その他関連する諸規則に定める自主点検を臨時に行い,その結果を直ちに学長及び全学委員会に報告しなければならない。

2 前項に定めるもののほか,放射線障害が発生し,又は発生するおそれのある事態が生じたときは,管理部局長又は設置部局長は,直ちに学長及び全学委員会に報告するとともに,応急の措置を講じなければならない。

3 学長は,前2項の報告(次条に掲げる事案を除く。)を受けたときは,遅滞なく原子力規制委員会に届け出るものとし,その他必要事項については法に定める関係機関に届け出るものとする。

第7章 事案発生時の報告

(報告)

第25条 管理部局長は,次の各号に掲げる事態が生じたとき又は行為を行ったときは,その旨を直ちに,その状況及びそれに対する措置を5日以内に,学長及び全学委員会に報告しなければならない。

 放射性同位元素等の盗難又は所在不明が発生したとき。

 気体状の放射性同位元素等を排気設備において浄化し,又は排気することによって廃棄した場合において,排気口の濃度が濃度限度を超えたとき又は管理部局の境界の外における線量が線量限度を超えたとき。

 液体状の放射性同位元素等を排水設備において浄化し,又は排水することによって廃棄した場合において,排水口の濃度が濃度限度を超えたとき又は管理部局の境界の外における線量が線量限度を超えたとき。

 放射性同位元素等が管理区域外で漏えいしたとき。

 放射性同位元素等が管理区域内で漏えいしたとき。ただし,次のいずれかに該当するとき(漏えいした物が管理区域外に広がったときを除く。)を除く。

 漏えいした液体状の放射性同位元素等が当該漏えいに係る設備の周辺部に設置された漏えいの拡大を防止するための堰の外に拡大しなかったとき。

 気体状の放射性同位元素等が漏えいした場合において,空気中濃度限度を超えるおそれがないとき。

 管理部局内の人が常時立ち入る場所の線量並びに管理部局の境界及び部門内の人が居住する区域における線量が線量限度を超え,又は超えるおそれがあるとき。

 放射性同位元素等の取扱いにおける計画外の被ばくがあったときであって,当該被ばくに係る実効線量が放射線業務従事者にあっては5ミリシーベルト,放射線業務従事者以外の者にあっては0.5ミリシーベルトを超え,又は超えるおそれがあるとき。

 放射線業務従事者について実効線量限度及び等価線量限度を超え,又は超えるおそれのある被ばくがあったとき。

 密封された放射性同位元素であって人の健康に重大な影響を及ぼすおそれがあるものとして原子力規制委員会が定めるもの(以下「特定放射性同位元素」という。)に係る受入れ又は払出し若しくは廃棄を行った場合

 前号の特定放射性同位元素の内容を変更(当該変更により当該特定放射性同位元素が特定放射性同位元素でなくなった場合を含む。)した場合

2 学長は,前項の定める事態の報告を受けた時は,その旨を直ちに,その状況及びそれに対する措置を事態の発生した日から10日以内に原子力規制委員会及び関係機関に報告しなければならない。

3 管理部局長は,放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行規則(昭和35年総理府令第56号)第39条第3項及び同条第6項の規定に基づく報告書を,毎年6月15日までに学長に提出しなければならない。

4 学長は,前項の提出を受けたときは6月30日までに,原子力規制委員会に報告しなければならない。

(情報提供)

第26条 管理部局長は,事故等の報告を要する放射線障害のおそれがある場合又は放射線障害が発生した場合には,学長及び全学委員会に報告しなければならない。

2 学長又は全学委員会は,前項の報告を受けたとき,必要に応じ公衆や報道機関への情報提供を行う。

3 前項の情報提供を行った場合には,外部からの問合せに対応するため,全学委員会に問合せ窓口を設置する。

4 第2項及び第3項にかかわらず,全学委員会は必要に応じて,管理部局長に対し,当該放射線施設ごとに公衆や報道機関への情報提供や問合せのための窓口を設置するように指示することができる。

第8章 業務の改善

(業務の改善)

第27条 管理部局長は,所掌する放射線施設について施設活動報告書を年度ごとに作成し,全学委員会に提出しなければならない。

2 全学委員会は,前項の施設活動報告書を審査し,その結果を管理部局長に通知する。

3 前項の通知を受けた管理部局長は,必要な改善を実施するとともに改善報告書を作成し,全学委員会に提出しなければならない。

4 全学委員会は,前項の改善報告書を学長に提出しなければならない。

5 学長は,前項の改善を実施するために必要な予算的措置を行わなければならない。

第9章 雑則

(その他)

第28条 この規則に定めるもののほか,放射性同位元素等及びエックス線装置の取扱いに関して必要な事項は,別に定める。

この規則は,平成28年4月1日から施行する。

(平成29年3月28日規則第6号)

この規則は,平成29年4月1日から施行する。

(平成31年3月28日規則第20号)

この規則は,平成31年4月1日から施行する。

(令和6年3月27日規則第15号)

この規則は,令和6年4月1日から施行する。

別表

【放射性同位元素等の管理に関する組織】

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【エックス線装置の管理に関する組織】

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岡山大学の放射線障害の防止に関する管理規則

平成28年3月29日 岡大規則第13号

(令和6年4月1日施行)

体系情報
第2編 則/第5章 研究・産学連携等
沿革情報
平成28年3月29日 岡大規則第13号
平成29年3月28日 規則第6号
平成31年3月28日 規則第20号
令和6年3月27日 岡大規則第15号