○国立大学法人岡山大学職務発明等取扱規程

平成16年4月1日

岡大規程第17号

第1章 総則

(目的)

第1条 この規程は,国立大学法人岡山大学(以下「法人」という。)における教育研究活動等を通じて,職員が創出した知的財産の取扱いに関する基本的事項を定め,もって,法人の教育・研究の成果を社会に還元してその活用を図るとともに,法人の教育・研究の活性化に資することを目的とする。

(用語の定義)

第2条 この規程において,次に掲げる用語は,次の定義によるものとする。

 「知的財産権」とは,次に掲げるものをいう。

 特許法(昭和34年法律第121号)に規定する特許権,実用新案法(昭和34年法律第123号)に規定する実用新案権,意匠法(昭和34年法律第125号)に規定する意匠権,半導体集積回路の回路配置に関する法律(昭和60年法律第43号)に規定する回路配置利用権,種苗法(平成10年法律第83号)に規定する育成者権及び外国における上記各権利に相当する権利

 特許法に規定する特許を受ける権利,実用新案法に規定する実用新案登録を受ける権利,意匠法に規定する意匠登録を受ける権利,半導体集積回路の回路配置に関する法律第3条第1項に規定する回路配置利用権の設定の登録を受ける権利,種苗法第3条に規定する品種登録を受ける権利及び外国における上記各権利に相当する権利

 著作権法(昭和45年法律第48号)第2条第1項第10号の2のプログラム著作物又は同項第10号の3のデータベースの著作物にかかる著作権法第21条から第28条までの著作権及び外国における上記各権利に相当する権利

 又はに掲げる権利の対象とならない技術情報のうち,秘匿することが可能なものであって,かつ,財産的価値のあるもの(以下「ノウハウ」という。)に関する権利

 「発明等」とは,次に掲げるものをいう。

 特許権の対象となる発明

 実用新案権の対象となる考案

 意匠権の対象となる意匠

 回路配置利用権の対象となる回路配置

 育成者権の対象となる品種

 プログラム及びデータベースの著作物

 ノウハウ

 「職務発明等」とは,職員が行った発明等であって,その内容が法人の業務範囲に属し,かつ,当該発明等を行うに至った行為が法人における当該職員の現在又は過去の職務に属するもの,並びに,法人が費用その他の支援をして行う研究等,又は法人が管理する施設設備を利用して行う研究等に基づき生じたものをいう。

 「発明者」とは,発明等を行った職員をいう。

 「出願等」とは,特許出願,登録出願等の,知的財産権に関して法令で定められた権利保護のために必要な所定の手続きをいう。

 知的財産権の「実施」とは,特許法第2条第3項に定める行為,実用新案法第2条第3項に定める行為,意匠法第2条第3項に定める行為,半導体集積回路の回路配置に関する法律第2条第3項に定める行為,種苗法第2条第5項に定める行為,著作権法第2条第1項第15号及び同項第19号に定める行為並びにノウハウの使用をいう。

(権利の帰属)

第3条 法人は,職務発明等にかかる知的財産権の全部又は一部を承継し,これを保有するものとする。ただし,法人は,権利化される可能性,技術移転の可能性,出願等の費用その他の条件を勘案して,必要と認める場合は,知的財産権の全部又は一部を承継しないことができる。

第2章 届出,帰属の判定及び出願

(発明等の届出)

第4条 職員は,発明等を行ったときは,別に定める様式により,全ての情報を速やかに学長に届け出なければならない。なお,当該発明等を行った者が複数いる場合は,その当事者間において当該発明等の貢献度に基づく原始持分を確定させた上で,当該職員のうちから代表者を1名選定し,当該代表者が届け出るものとする。

(発明等の審議・決定,通知)

第5条 学長は,前条の規定による届出を受理したときは,第4章に定める発明審査委員会に対し,発明等に関する事項を諮問し,その報告に基づき当該発明等が職務発明等に該当するかどうか,法人が当該知的財産権を承継するかどうか,承継する場合の条件及び当該発明等にかかる知的財産権の持分割合を決定する。

2 学長は,前項の規定によって,当該発明等に関する決定を行ったときは,当該職員に通知しなければならない。

(譲渡書の提出)

第6条 発明者は,前条の規定により法人が承継すると決定した職務発明等にかかる知的財産権について,別に定める様式による譲渡書を学長に提出しなければならない。

(異議の申立て)

第7条 職員は,第5条第1項による決定に異議があるときは,通知を受けた日から2週間以内に学長に対し,異議を申し立てることができる。

2 学長は,異議の申立てがあったときは,発明審査委員会の意見を徴した上で,異議申立ての当否を決定する。

3 学長が前項の決定をしたときは,異議申立人及び発明審査委員会に通知するものとする。

(知的財産権の出願等)

第8条 学長は,第5条の規定により法人が承継すると決定した職務発明等に係る知的財産権について,円滑かつ機動的に管理するため,出願等の手続及び設定登録後の権利維持等に係る手続に必要となる各種証明書類,委任状,承諾書等(ただし,契約書に該当する書類を除く。)の作成に係る権限を,研究推進機構知的財産本部長に委任することができる。ただし,研究推進機構知的財産本部長名で作成できる書類であっても,交付を受ける相手方が学長名での作成を希望した場合は,この限りではない。

(法人以外が保有する特許等の譲り受け)

第9条 職員が発明者である発明等について,当該職員又は第三者から当該発明等にかかる知的財産権を法人に譲渡する旨の申し出があったときは,学長は発明審査委員会の意見を徴した上で,当該知的財産権の承継の可否を決定する。

2 前項の定めにより,法人が知的財産権を承継した発明等は,職務発明等とみなす。

(共同出願)

第10条 法人と第三者が知的財産権を共有するときは,共有者が共同して出願等を行うことができる。

(制限行為)

第11条 職員は,法人が当該発明者の発明等について職務発明等でないと決定し,又は職務発明等であるがその知的財産権を法人が承継しないと決定した後でなければ,出願等をし,又は当該発明等にかかる知的財産権を第三者に譲渡し若しくは担保に供してはならない。

(退職後の取扱い)

第12条 職員は,法人を退職(他機関への異動を含む。)した後,法人在職中に行った研究の成果をもとに特許出願等を行う場合,事前に学長に届け出なければならない。

2 学長は,前項の届出を受けた場合,必要に応じ,関係機関等と当該特許出願等の取扱いについて協議するものとする。

3 職員が退職した場合においても,当該発明等が職務発明等に該当する場合の取扱いは,この規程によるものとする。

第3章 補償

(補償金の支払)

第13条 法人は,法人がその保有する知的財産権の実施,第三者への実施許諾又は譲渡等の処分により収益(収入)を得たときは,当該知的財産権にかかる発明等をした職員に対し発明審査委員会の審議を経て,別に定める職務発明等に対する補償金の支払要項(以下「補償金支払要項」という。)に基づき補償金を支払うものとする。

(共同発明者に対する補償)

第14条 前条の補償金は,当該補償金を受ける権利を有する職員が2名以上であるときは,各自の承継前の持分に応じて支払われるものとする。

(転退職又は死亡したときの補償)

第15条 第13条の補償金を受ける権利は,当該権利を有する職員が転職又は退職した後も存続する。

2 前項の権利を有する職員が死亡したときは,当該権利は,その相続人が承継する。

第4章 発明審査委員会

(発明審査委員会の設置)

第16条 法人は,職務発明等に関する事項及び研究成果有体物に関する事項を審議するため,発明審査委員会(以下「審査委員会」という。)を研究推進機構に置くものとする。

(審査委員会の職務)

第17条 審査委員会は,職務発明等に関する事項について,次の各号に該当する事項を審議し,その結果を学長に答申する。

 職務発明等の該当性

 技術的評価

 技術移転可能性

 知的財産権の登録可能性

 知的財産権の承継の可否

 出願の可否

 審査請求の可否

 拒絶理由通知への対応の可否

 不服審判請求の可否

 出願特許の登録及び権利維持の要否

十一 第三者への特許権等の譲渡

十二 第三者への特許権等の実施許諾

十三 第三者からの特許権等の譲り受け

十四 補償金の支払

十五 その他学長が必要と認める事項

2 審査委員会は,成果有体物に関する事項のうち,次の各号に該当する事項を審議し,その結果を学長に答申する。

 成果有体物の提供の可否等の審査

 その他学長が必要と認める事項

3 審査委員会は,必要に応じ,発明者,発明者が所属する組織の長及び利害関係者から意見を徴することができる。

(審査委員会の構成)

第18条 審査委員会は,次の各号に該当する者をもって構成する。

 知的財産本部長

 研究推進機構職員のうち,委員長が必要と認める者

 前号以外で委員長が必要と認める者

2 審査委員会には委員長を置き,知的財産本部長をもってこれに充てる。

3 委員長は,審査委員会を招集し,その議長となる。

4 委員長に事故あるときは,委員長があらかじめ指名する委員がその職務を代理する。

5 第1項第3号の委員は,学内者又は学外者から委員長の指名に基づき,2年以内の必要な期間を定め,学長が委嘱するものとし,再任を妨げない。

6 職員は,委員長の許可を得て,審査委員会に出席し,意見を述べることができる。

(審査委員会の成立等)

第18条の2 審査委員会は,委員の過半数が出席しなければ会議を開き,議決することができない。

2 審査委員会の議事は,出席した委員の全会一致をもって決するものとする。

第5章 雑則

(秘密の保持)

第19条 発明者及び審査委員会の委員は,当該発明等の内容及び審査委員会で知り得た一切の情報等について,厳に秘密を保持するものとし,これを第三者(学内者を含む)に漏洩・開示したり,審査委員会以外の目的で利用してはならない。ただし,法人と職員が合意の上で公表する場合及び法人又は職員の責によることなく公知となった場合はこの限りではない。

(外国出願の取扱い)

第20条 この規程は,外国の知的財産権を対象とする発明等に関しても,準用する。

(雇用関係にない者への準用)

第21条 この規程は,本学と雇用関係にない学部学生,大学院生,客員の身分を有する者,特命教授等に関しても準用することができる。ただし,学部学生,大学院生,客員の身分を有する者のみが発明者となる場合は,この規程を準用しないものとする。

(事務)

第22条 この規程に定める事務は,研究協力部産学連携課において処理する。

(その他)

第23条 この規程に定めるもののほか,この規程の実施に関し,必要な事項は,別に定める。

(施行期日)

第1条 この規程は,平成16年4月1日から施行する。

(経過措置)

第2条 岡山大学発明規則(昭和53年11月25日岡山大学規程第35号。以下「旧規則」という。)第6条第1項及び第2項に該当しないとされた発明の取扱いは,その発明にかかる権利が失効するまでの間,旧規則を準用する。

2 旧規則により国が承継した発明の取扱いについては,この規程を適用する。

3 平成16年3月31日以前に係る発明に対する補償金の取扱いは,別に定める補償金支払要項を適用する。

4 岡山大学データベース等取扱規程(平成12年12月28日岡山大学規程第9号。以下「旧データベース等取扱規程」という。)第3条第1項及び第2条により国に帰属したデータベース等については,この規程を適用する。

5 旧データベース等取扱規程第3条第3項により職員に帰属したデータベース等については,旧データベース等取扱規程を準用する。

(平成18年3月9日規程第21号)

この規程は,平成18年4月1日から施行する。

(平成19年3月30日規程第30号)

この規程は,平成19年4月1日から施行する。

(平成20年3月31日規程第5号)

この規程は,平成20年4月1日から施行する。

(平成23年3月31日規程第6号)

この規程は,平成23年4月1日から施行する。

(平成24年3月30日規程第11号)

この規程は,平成24年4月1日から施行する。

(平成27年9月17日規程第93号)

この規程は,平成27年9月18日から施行する。

(平成31年3月29日規程第35号)

この規程は,平成31年4月1日から施行する。

(令和2年3月27日規程第22号)

1 この規程は,令和2年4月1日から施行する。

2 この規程の施行日前に現に第17条第1項第2号及び第3号の委員である者の任期は,それぞれ改正後の第17条第5項及び第6項の規定を適用する。

(令和3年1月28日規程第1号)

1 この規程は,令和3年4月1日から施行する。

2 令和3年3月31日以前に承継された発明案件にかかる出願補償金,登録補償金及び実施補償金については,補償金支払要項別表2に基づき,従前のとおり,これを支払うものとする。

(令和3年9月30日規程第91号)

この規程は,令和3年10月1日から施行する。

(令和5年11月29日規程第97号)

この規程は,令和6年1月1日から施行する。

国立大学法人岡山大学職務発明等取扱規程

平成16年4月1日 岡大規程第17号

(令和6年1月1日施行)

体系情報
第3編 全学規程/第3章 就業規則等
沿革情報
平成16年4月1日 岡大規程第17号
平成18年3月9日 規程第21号
平成19年3月30日 規程第30号
平成20年3月31日 規程第5号
平成23年3月31日 規程第6号
平成24年3月30日 規程第11号
平成27年9月17日 規程第93号
平成31年3月29日 規程第35号
令和2年3月27日 規程第22号
令和3年1月28日 岡大規程第1号
令和3年9月30日 岡大規程第91号
令和5年11月29日 岡大規程第97号