○岡山大学特定認定再生医療等委員会規程

平成31年4月1日

岡大規程第90号

(目的及び設置)

第1条 岡山大学(以下「本学」という。)に,再生医療等の安全性の確保等に関する法律(平成25年法律第85号。以下「法」という。)第26条に定める審査等業務を行う再生医療等委員会として,岡山大学特定認定再生医療等委員会(以下「委員会」という。)を置く。

2 委員会の設置者は,岡山大学長(以下「学長」という。)とする。

(定義)

第2条 この規程における用語の定義は,法,再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行令(平成26年政令第278号)及び再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行規則(平成26年厚生労働省令第110号。以下「施行規則」という。)の定めによるほか,この規程の定めるところによる。

(審査等業務の対象)

第3条 委員会は,次の各号に掲げる再生医療等提供計画に係る審査等業務を行う。

 第一種再生医療等提供計画

 第二種再生医療等提供計画

 第三種再生医療等提供計画(本学において実施されるものに限る。)

(審査等業務)

第4条 委員会は,次の各号に掲げる業務を行う。

 法第4条第2項(法第5条第2項において準用する場合を含む。)の規定により再生医療等を提供しようとする病院若しくは診療所又は再生医療等提供機関の管理者から再生医療等提供計画について意見を求められた場合において,当該再生医療等提供計画について再生医療等提供基準に照らして審査を行い,当該管理者に対し,再生医療等の提供の適否及び提供に当たって留意すべき事項について意見を述べること。

 法第17条第1項の規定により再生医療等提供機関の管理者から再生医療等の提供に起因するものと疑われる疾病,障害若しくは死亡又は感染症の発生に関する事項について報告を受けた場合において,必要があると認めるときは,当該管理者に対し,その原因の究明及び講ずべき措置について意見を述べること。

 法第20条第1項の規定により再生医療等提供機関の管理者から再生医療等の提供の状況について報告を受けた場合において,必要があると認めるときは,当該管理者に対し,その再生医療等の提供に当たって留意すべき事項若しくは改善すべき事項について意見を述べ,又はその再生医療等の提供を中止すべき旨の意見を述べること。

 前3号に掲げる場合のほか,再生医療等技術の安全性の確保等その他再生医療等の適正な提供のため必要があると認めるときは,本委員会の名称が記載された再生医療等提供計画に係る再生医療等提供機関の管理者に対し,当該再生医療等提供計画に記載された事項に関し意見を述べること。

(委員の構成要件)

第5条 第一種再生医療等提供計画及び第二種再生医療等提供計画に係る審査等業務を行う場合は,委員会は次の各号に掲げる委員で組織する。ただし,各号に掲げる者は当該各号以外に掲げる者を兼ねることができない。

 分子生物学,細胞生物学,遺伝学,臨床薬理学又は病理学の専門家

 再生医療等について十分な科学的知見及び医療上の識見を有する者

 臨床医(現に診療に従事している医師又は歯科医師をいう。以下同じ。)

 細胞培養加工に関する識見を有する者

 医学又は医療分野における人権の尊重に関して理解のある法律に関する専門家

 生命倫理に関する識見を有する者

 生物統計その他の臨床研究に関する識見を有する者

 第一号から前号までに掲げる者以外の一般の立場の者

2 第三種再生医療等提供計画に係る審査等業務を行う場合は,委員会は次の各号に掲げる委員で組織する。ただし,各号に掲げる者は当該各号以外に掲げる者を兼ねることができない。

 再生医療等について十分な科学的知見及び医療上の識見を有する者を含む2名以上の医師又は歯科医師(ただし,所属機関が同一でない者が含まれること。)

 医学又は医療分野における人権の尊重に関して理解のある法律に関する専門家又は生命倫理に関する識見を有する者

 前2号に掲げる者以外の一般の立場の者

(委員の構成基準)

第6条 第一種再生医療等提供計画又は第二種再生医療等提供計画に係る審査等業務を行う場合の委員の構成基準は,次のとおりとする。

 男性及び女性がそれぞれ2名以上含まれていること。

 本学と利害関係を有しない者が2名以上含まれていること。

 同一の医療機関(当該医療機関と密接な関係を有するものを含む。)に所属している者が半数未満であること。

 前条第1項各号に規定する特定の区分の委員の数に偏りがあることのないよう配慮すること。

2 第三種再生医療等提供計画に係る審査等業務を行う場合の委員の構成基準は,次のとおりとする。

 委員が5名以上であること。

 男性及び女性がそれぞれ1名以上含まれていること。

 本学と利害関係を有しない者が2名以上含まれていること。

 同一の医療機関(当該医療機関と密接な関係を有するものを含む。)に所属している者が半数未満であること。

 前条第2項各号に規定する特定の区分の委員の数に偏りがあることのないよう配慮すること。

(委員の任期)

第7条 委員の任期は,2年とし,再任を妨げない。ただし,委員に欠員が生じた場合の後任の委員の任期は,前任者の残任期間とする。

(技術専門員)

第8条 委員会は,第4条第1号に規定する審査等業務(法第5条第2項において準用する場合を除く。)を行うに当たっては,次の各号に掲げる者(以下「技術専門員」という。)からの評価書を確認する。

 審査等業務の対象となる疾患領域の専門家

 生物統計の専門家その他再生医療等の特色に応じた専門家

2 第5条第1項第1号ないし3号の委員が審査等業務を行う疾患領域に対する専門的知識を有する場合にあっては,当該委員を技術専門員とすることができる。

3 委員会は,第1項以外の審査等業務を行う場合は,必要に応じて,技術専門員の意見を聴かなければならない。

4 技術専門員は,委員会における審査等業務において,結論を得るための議決に加わることはできない。ただし,第2項の規定により,委員と技術専門員を兼ねる者については,この限りではない。

5 再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行規則及び臨床研究法施行規則の一部を改正する省令(平成30年厚生労働省令第140号。以下「改正省令」という。)の経過措置期間(平成31年4月1日から令和2年3月31日まで)中に,平成31年4月1日以前から行われている再生医療等について,改正省令による改正後の省令に適合させるための再生医療提供計画の変更に係る審査等業務を行うに当たっては,第1項1号の技術専門員からの評価書又は第1項2号の技術専門員からの評価書を確認しなければならない。

6 技術専門員の任期は,2年とし,再任を妨げない。ただし,欠員が生じたときの後任の技術専門員の任期は,前任者の残任期間とする。

(委員長及び副委員長)

第9条 委員会に委員長を置き,委員の互選により選出する。

2 委員長は,委員会を招集し,その議長となる。

3 委員会に副委員長を置く。副委員長については,別に定める。

(委員会の運営)

第10条 委員会が,第一種再生医療等提供計画又は第二種再生医療等提供計画に係る審査等業務を行う際には,次に掲げる要件を満たさなければならない。

 5名以上の委員が出席していること。

 男性及び女性の委員がそれぞれ2名以上出席していること。

 次に掲げる者がそれぞれ1名以上出席していること。

 第5条第1項第2号に掲げる者

 第5条第1項第4号に掲げる者

 第5条第1項第5号又は第6号に掲げる者

 第5条第1項第8号に掲げる者

 第4条第1号の審査等業務を行う場合は,審査の対象疾患に対する技術専門員(第5条第1項第2号又は第3号に掲げる者が,審査等業務の対象となる再生医療等の対象疾患等に対する専門知識を有する場合には,当該者)が1名以上出席していること(技術専門員がやむを得ない理由により出席できない場合にあっては,審査等業務の対象となる再生医療等について,あらかじめ評価書を提出することができる。評価書を提出した場合にあっては,当該技術専門員は出席したものとみなす。)

 出席した委員の中に,審査等業務の対象となる再生医療等提供計画を提出した医療機関(当該医療機関と密接な関係を有するものを含む。)と利害関係を有しない委員が過半数含まれていること。

 本学と利害関係を有しない委員が2名以上含まれていること。

2 委員会が,第三種再生医療等提供計画に係る審査等業務を行う際には,次に掲げる要件を満たさなければならない。

 5名以上の委員が出席していること。

 男性及び女性の委員がそれぞれ1名以上出席していること。

 第5条第2項各号に掲げる者が各1名以上出席していること。

 出席した委員の中に,審査等業務の対象となる再生医療等提供計画を提出した医療機関(当該医療機関と密接な関係を有するものを含む。)と利害関係を有しない委員が過半数含まれていること。

 本学と利害関係を有しない委員が2名以上含まれていること。

 第4条第1号の審査等業務を行う場合は,審査の対象疾患に対する技術専門員(第5条第1項第2号又は第3号に掲げる者が,審査等業務の対象となる再生医療等の対象疾患等に対する専門知識を有する場合には,当該者)が1名以上出席していること(技術専門員がやむを得ない理由により出席できない場合にあっては,審査等業務の対象となる再生医療等について,あらかじめ評価書を提出することができる。評価書を提出した場合にあっては,当該技術専門員は出席したものとみなす。)

3 委員会における審査等業務に係る結論を得るに当たっては,出席委員全員から意見を聴いた上で,原則として,出席委員の全員一致をもって行うよう努めなければならない。ただし,委員会において議論を尽くしても,出席委員全員の意見が一致しないときは,出席委員の過半数の同意を得た意見を委員会の結論とすることができる。

4 次に掲げる委員会の委員又は技術専門員は,審査等業務に参加してはならない。ただし,委員会の求めに応じて,委員会において説明することを妨げない。

 審査等業務の対象となる再生医療等提供計画を提出した医療機関の管理者,当該再生医療等提供計画に記載された再生医療等を行う医師若しくは歯科医師及び実施責任者

 審査等業務の対象となる再生医療等提供計画を提出した医療機関の管理者,当該再生医療等提供計画に記載された再生医療等を行う医師若しくは歯科医師又は実施責任者と同一の医療機関の診療科に属する者又は過去一年以内に多施設で実施される共同研究(臨床研究法第2条第2項に規定する特定臨床研究に該当するもの及び医薬品医療機器等法第2条第17項に規定する治験のうち,医師又は歯科医師が自ら実施するものに限る。)を実施していた者

 前2号に掲げる者のほか,審査等業務の対象となる再生医療等提供計画を提出した医療機関の管理者,当該再生医療等提供計画に記載された再生医療等を行う医師若しくは歯科医師若しくは実施責任者又は審査等業務の対象となる再生医療等に関与する特定細胞加工物製造事業者若しくは医薬品等製造販売業者若しくはその特殊関係者と密接な関係を有している者であって,当該審査等業務に参加することが適切でない者

5 委員会が行う審査等業務について,テレビ会議等の双方向の円滑な意思疎通が可能な手段を用いて行うことができる。ただし,委員会に出席した場合と遜色のないシステム環境を整備するよう努めるとともに,委員長は適宜出席委員の意見の有無を確認する等,出席委員が発言しやすい進行について配慮するものとする。

(簡便な審査)

第11条 前条までの規定にかかわらず,委員会は,審査等業務の対象となるものが,次の各号に掲げる再生医療等の提供に重要な影響を与えないものである場合のいずれかに該当し,かつ,委員会の指示に従って対応するものである場合には,施行規則第64条の2第3項の規定に基づき,委員会を開催することなく,委員長のみの確認をもって行う簡便な審査により,委員会の結論を得ることができる。

 第4条第1項1号に規定する業務(法第5条第2項において準用する場合に限る。)であって,内容の変更を伴わない誤記の修正の変更である場合

 第4条第1項3号に規定する業務であって,再生医療等の提供がない場合

(緊急審査)

第12条 委員会は,第4条第2項又は第4項に規定する業務を行う場合であって,再生医療等の提供を受ける者の保護の観点から緊急に当該再生医療等の提供の中止その他の措置を講ずる必要がある場合には,前条までの規定にかかわらず,施行規則第64条の2第4項の規定に基づき,委員会を開催することなく,委員長及び委員長が指名する1名の委員による審査等業務(以下「緊急審査」という。)を行い,結論を得ることができる。

2 前項の規定により緊急審査を行った場合には,速やかに委員会を開催し,追認を得なければならない。

(学長への報告)

第13条 委員長は,委員会における審査の結論を,文書により学長に報告する。

(厚生労働大臣への報告)

第14条 学長は,委員会が次に掲げる意見を述べたときは,遅滞なく,厚生労働大臣にその旨を報告する。

 再生医療等提供計画に記載された再生医療等の提供を継続することが適当でない旨の意見を述べたとき

 施行規則第20条の2第4項の規定により,再生医療等の提供を行う医療機関の管理者から,不適合であって,特に重大なものが判明した場合の意見を求められた場合において,意見を述べたとき

(審査等業務に係る契約)

第15条 再生医療等を提供しようとする医療機関(岡山大学病院を除く。)の管理者が,委員会に審査等業務を委託する場合は,施行規則第40条の規定に基づき,あらかじめ文書により,審査等業務に係る契約を締結しなければならない。

(手数料)

第16条 委員会は,再生医療等を提供しようとする医療機関から,審査等業務に要する費用(以下「手数料」という。)を徴収する。

2 手数料の額については,委員への報酬の支払等,委員会の健全な運営に必要な経費を賄うために必要な範囲内であり,かつ,公平なものとなるよう配慮した上で,学長が別に定める。

3 手数料は,審査等業務を開始する日の前日までに全額を一括して徴収するものとする。なお,既納の手数料は,返還しない。

(活動の自由及び独立の保障)

第17条 学長は,委員会の審査が適正かつ公正に行えるよう,その活動の自由及び独立を保障しなければならない。

(審査等業務の継続性)

第18条 学長は,委員会が審査等業務を継続的に実施できる体制の確保に努めなければならない。

(委員等の教育又は研修)

第19条 学長は,年1回以上,委員等(委員会の委員,技術専門員及び運営に関する事務を行う者をいう。以下同じ。)に対し,教育又は研修の機会を確保する。ただし,委員等が既に学長が実施する教育又は研修と同等の教育又は研修を受けていることが確認できる場合は,この限りでない。

(変更,廃止等の手続き)

第20条 学長は,次の各号に掲げる手続きを行うときは,法及び施行規則の定めるところにより行うものとする。

 法第27条の規定による変更の認定等

 法第28条の規定による認定の有効期間の更新

 法第30条の規定による委員会の廃止

2 学長は,前項第3号の手続きにより委員会を廃止したときは,速やかに,その旨を委員会に再生医療等提供計画を提出していた医療機関に通知する。

3 前項の場合において,学長は,委員会に再生医療等提供計画を提出していた医療機関に対し,当該医療機関における再生医療等の提供又はその継続に影響を及ぼさないよう,他の認定再生医療等委員会を照会することその他の適切な措置を講じるものとする。

(適合命令及び改善命令)

第21条 学長は,厚生労働大臣から法第32条第1項の規定に基づく適合命令又は第2項の規定に基づく改善命令を受けたときは,それぞれ適合又は改善のために必要な措置をとらなければならない。

(帳簿の備付け等)

第22条 学長は,第4条各号に掲げる業務に関する事項を記録するための帳簿を備え,当該帳簿を,最終の記載の日から10年間保存する。

(審査等業務の記録等)

第23条 学長は,委員会における審査等業務の過程に関する記録を作成する。

2 学長は,審査等業務に係る再生医療等提供計画その他の審査等業務を行うために提供機関管理者から提出された書類,前項の記録(技術専門員からの評価書を含む。)及び委員会の結論を提供機関管理者に通知した文書の写しを,当該再生医療等提供計画に係る再生医療等の提供が終了した日から10年間保存する。

(運営に関する情報の公表)

第24条 学長は,再生医療等を提供しようとする医療機関の管理者又は提供機関管理者が,委員会に関する情報を容易に収集し,効率的に審査等業務を依頼することができるよう,委員会の審査手数料,開催日程及び受付状況を公表する。

2 学長は,施行規則第49条第4号の規定に基づき,審査等業務の透明性を確保するため,個人情報,研究の独創性及び知的財産権の保護に支障を生じるおそれのある事項を除き,審査等業務に関する規程,委員名簿その他再生医療等委員会の認定に関する事項及び審査等業務の過程に関する記録に関する事項について,厚生労働省が整備するデータベースに記録することにより公表する。

(秘密保持義務)

第25条 委員会の委員,技術専門員及びその他委員会の業務に関与する者は,正当な理由なく当該審査等業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

(専決)

第26条 前条までの規定にかかわらず,学長は,その権限に基づき委員会の設置者として行う事項を,岡山大学病院長に専決させるものとする。

2 前項の規定に基づき,委員会の運営に関する事務は,岡山大学病院研究推進課(以下「研究推進課」という。)が処理する。

3 委員会の運営に関する事務を行う者は,委員会の審査等業務に参加することができない。

(苦情及び問合せを受け付けるための窓口)

第27条 委員会に,苦情及び問合せを受け付けるための窓口を置く。

2 前項の窓口は,研究推進課とする。

(雑則)

第28条 この規程に定めるもののほか,委員会の運営に関し必要な事項は,委員会が別に定める。

1 この規程は,法第27条第1項による厚生労働大臣の認定を受けた日(平成31年4月1日)から施行する。

2 この規程の施行後,最初に委嘱される委員及び技術専門員の任期は,第7条及び第8条第6項の規定にかかわらず,令和2年3月31日までとする。

岡山大学特定認定再生医療等委員会規程

平成31年4月1日 岡大規程第90号

(平成31年4月1日施行)

体系情報
第3編 全学規程/第6章 研究・産学連携等
沿革情報
平成31年4月1日 岡大規程第90号