○国立大学法人岡山大学利益相反マネジメント規程

平成30年4月17日

岡大規程第39号

第1章 総則

(目的)

第1条 この規程は、国立大学法人岡山大学利益相反マネジメントポリシーに基づき、国立大学法人岡山大学(以下「本学」という。)が、産学官連携活動その他の社会貢献活動(以下「産学官連携活動等」という。)を行うことに伴う経済的利益又は責務と、本学で行う活動との利益相反を適正に管理するため必要な事項を定めることにより、本学及び職員等の社会的信頼を確保するとともに、本学の産学官連携活動等を推進することを目的とする。

(定義)

第2条 この規程において、次の各号に掲げる用語の定義は、当該各号に定めるところによる。

 職員等 本学の役員及び職員をいう。ただし、第5条に規定する利益相反マネジメント委員会(以下この条,第3条及び第4条において同じ。)が必要と認める場合には、関連する経済的利益がある場合の職員の配偶者等(職員等と生計を一にする配偶者及び一親等の者(親及び子)をいう。)を含むものとする。

 企業等 企業その他外部の機関(個人を含む)をいう。

 経済的な利益関係 企業等から給与等を受け取るなどの関係を持つことをいう。「給与等」には、給与の他に、報酬、役務又は委任による対価(コンサルタント料、謝金等)、産学官連携活動(受託研究、共同研究、寄付講座、共同研究講座、寄付研究部門、共同研究部門、受託研究員、各種団体からの研究助成、知的所有権の移転、依頼分析等)に係る人材・資金、株式等(株式、株式買入れ選択権(ストックオプション)等)、寄付金、設備・物品の供与等を含むが、これらに限定はされず、何らかの金銭的価値を持つものはこれに含まれる。ただし、公的機関から受領する謝金等は除く。

 特別な関係 企業等の経営への参加、企業等の株式等の取得、出資、包括連携協定等締結先企業等の活動への関係を有することをいう。

 個人としての利益相反 次の各号のいずれかに該当するものをいう。

 職員等の経済的な利益関係が、本学における当該職員等の責務と相反する状況にあること。

 職員等の兼業先に対する責務が、本学における当該職員等の責責務と相反する状況にあること。

 組織としての利益相反 次の各号のいずれかに該当するものをいう。

 本学(本学から権限が委譲されている場合の部局等を含む。)が企業等と経済的な利益関係にあること又は特別な関係にあることが、研究及び教育その他本学の活動に影響を及ぼすおそれがあると見えること。

 利益相反マネジメント委員会が定める本学のために意思決定を行う権限を有する学長、理事、副学長、部局長等(以下「組織の長」という。)が企業等と経済的な利益関係にあること又は特別な関係にあることが、研究及び教育その他本学の活動に影響を及ぼすおそれがあると見えること。

 臨床研究 大学院医歯薬学総合研究科、大学院保健学研科、医学部、歯学部、薬学部、岡山大学病院(以下「医療系部局」という。)が行う臨床研究法(平成29年法律第16号)に定める臨床研究をいう。

(個人としての利益相反マネジメントの対象)

第3条 個人としての利益相反マネジメントは、職員等が次の各号に掲げる行為を行う場合に生じる利益相反を対象とする。

 産学官連携活動等(活動の内容に応じ一定金額以上のもの)への参加

 企業等からの一定金額以上の寄付金、設備・物品、株式等の供与を受ける行為

 その他利益相反マネジメント委員会が利益相反マネジメントの対象と認めた行為

(組織としての利益相反マネジメントの対象)

第4条 組織としての利益相反マネジメントは、本学(本学から権限が委譲されている場合の部局等を含む。)次の各号に掲げる行為を行う場合に生じる利益相反及び組織の長が企業等から一定金額以上の個人的な経済的利益を得る場合に生じる利益相反を対象とする。

 一定金額以上の収入を伴う、産学官連携活動等,寄付金受入れ又は包括協定等の組織間連携

 国立大学法人法第22条第1項第6号及び第7号に基づく出資

 企業等からの株式等の取得

 その他利益相反マネジメント委員会が利益相反マネジメントの対象と認めた行為

2 前条及び前項に示す一定金額の基準額等の細目は、利益相反マネジメント委員会で定める。

第2章 利益相反マネジメント体制

(利益相反マネジメント委員会)

第5条 本学に、個人及び組織に係る利益相反を適正に管理するため、利益相反マネジメント委員会(以下「マネジメント委員会」という。)を置く。

2 マネジメント委員会については、別に定める。

(利益相反アドバイザー)

第6条 本学に、次の業務を行うため利益相反アドバイザーを置く。

 職員等からの利益相反マネジメントに係る相談に対する助言、指導等

 利益相反問題に対する調査活動、面談の実施及びその結果のマネジメント委員会への報告(職員等のプライバシー保護の観点から、報酬、資産等に関する自己申告の確認については、本学顧問弁護士による面談を活用)

2 利益相反アドバイザーは、本学の職員等又は学外の専門家のうちからマネジメント委員会の意見を聴いて、学長が委嘱する。

3 利益相反アドバイザーの任期は2年とし、再任を妨げない。ただし、利益相反アドバイザーの任期は、利益相反アドバイザーを委嘱する学長の任期を超えないものとする。

4 前項の規定にかかわらず,利益相反アドバイザーに欠員が生じた場合における後任者の任期は、前任者の残任期間とする。

(臨床研究に係る利益相反体制)

第7条 前2条に掲げる利益相反マネジメント体制について、臨床研究に関する事項を対象とするものについては、その特性に鑑み、医療系部局の長が定めるところにより、医療系マネジメント委員会及び医療系利益相反アドバイザーを置くことができる。この場合、マネジメント委員会は、当該委員会については所掌しないものとする。

2 前項の医療系マネジメント委員会が設置される場合、第8条から第10条の規定に基づきなされる臨床研究に関する事項は、同委員会が所掌する。

第3章 利益相反マネジメントの実施方法

第1節 個人としての利益相反マネジメントの実施方法

(個人に係る利益相反の提出等)

第8条 職員等のうちマネジメント委員会が別に定める者は、同委員会が別に定めるところにより、利益相反自己申告書を同委員会に提出しなければならない。

2 厚生労働科学研究費補助金、厚生労働行政推進調査事業費補助金及び国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下「AMED」という。)が配分する研究資金等(以下「医療系外部資金」という。)を利用する者にあっては、医療系マネジメント委員会が定めるところにより、交付申請書提出時までに利益相反自己申告書を同委員会に提出し、審査を申し出なければならない。研究期間中は、毎年度及び新しく報告すべき行為が発生するごとに、同委員会に利益相反自己申告書を提出しなければならない。

(審査等)

第9条 マネジメント委員会は、前条第1項に基づき提出を受けた内容に係る利益相反について審査し、当該申告を行った職員等に対し、事前における審査にあっては承認又は回避要請を、事後における審査にあって弊害が生じるおそれのある場合は是正要請を通知する。

2 マネジメント委員会は、前項の審査において疑義が生じた場合には、利益相反アドバイザーに事実関係の検討を依頼することができる。

3 前項に定めるもののほか、マネジメント委員会は、第1項の規定により回避要請又は是正要請の通知を行った職員等について、これらに係る措置の実施状況等を確認するため必要と認めた場合には、当該職員等に対し、調査を行うことができる。

4 職員等は、第1項の規定により回避要請又は是正要請の通知を受けた場合には、当該通知の内容を踏まえ、適切な措置を講じなければならない。

(不服申立て)

第10条 前条第1項の回避又は是正の要請の通知を受けた職員等は、当該審議結果に不服があるときは、マネジメント委員会に対して不服申立てをすることができる。

2 前項の不服申立ては、前条第1項の規定による通知を受けた日の翌日から起算して30日以内にしなければならない。

3 マネジメント委員会は、第1項の不服申立てを受けたときは、速やかに再審査を行うものとする。

第2節 組織としての利益相反マネジメントの実施方法

(組織としての利益相反マネジメントガイドラインの策定)

第11条 マネジメント委員会は、組織としての利益相反マネジメントに係る留意点等についてガイドラインを策定するものとする。

(利益相反状況の把握と管理)

第12条 組織の長は、マネジメント委員会から求めがあったときは、第4条に定める行為等の状況について情報を提供しなければならない。

2 マネジメント委員会は、個人としての利益相反に関して得られた情報及び組織としての利益相反の状況を把握し、それらの情報を適正に管理するものとする。

(是正措置等)

第13条 マネジメント委員会は、前条により得られた情報に基づき必要があると認めた場合には、組織の長に対して回避要請又は是正要請の通知を行うことができる。この場合には、学長に報告するものとする。

2 学長は、前項の報告を踏まえ、必要があると認めるときは、組織の長に対し、当該報告に係る行為の回避又は是正を指示するものとする。

(不服申し立て)

第14条 前条第1項の回避又は是正の要請に対する不服については、第10条の規定を準用する。

第4章 利益相反マネジメント後の対応等

(外部からの指摘への対応)

第15条 職員等に関して、外部から利益相反の指摘があったときにおいて、マネジメント委員会(臨床研究に係るものについては医療系マネジメント委員会)が必要と認める場合には、同委員会委員長及び指摘を受けた組織の長が対応を協議の上、適宜適切な措置を講じるとともに、本学として外部へ必要な説明を行うものとする。

(厚生労働省等への報告)

第16条 学長は、医療系外部資金を用いる研究において利益相反に関する弊害が生じた場合、弊害が生じているとみなされる可能性があると判断した場合又は医療系マネジメント委員会による管理がなされず研究が実施されていたことを知った場合には、厚生労働省,補助金配分機関又はAMEDに,当該機関の定めるところにより,速やかに報告するものとする。

(研修の実施)

第17条 マネジメント委員会(医療系マネジメント委員会を含む。)は、職員等に対し、利益相反について理解を深め、利益相反マネジメントに関する意識の高揚を図るための啓発その他必要な教育研修を行うものとする。

(個別相談)

第18条 職員等は、利益相反を回避するため、利益相反自己申告時その他の機会において、利益相反アドバイザー(臨床研究に係るものについては医療系利益相反アドバイザー)に個別に相談することができる。

2 相談に関する手続き等は、利益相反マネジメント委員会(臨床研究に係るものについては医療系マネジメント委員会)で定める。

(検証と評価)

第19条 マネジメント委員会は、その活動内容について必要に応じて検証又は評価を受けるものとする。

(秘密情報及び個人情報の保護)

第20条 本学における利益相反マネジメント業務に関与する者は、職務上知り得た一切の秘密情報及び個人情報を、本学の利益相反マネジメントの業務の履行のためにのみ使用するものとし、他に漏えいし、又は提供してはならない。その職務を退いた後も同様とする。

(記録の保管)

第21条 利益相反に係る文書のうち、審査に関する文書については、国立大学法人岡山大学法人文書管理規程(平成21年岡大規程第55号)で保存期間が5年未満とされている場合にあっても5年間保存しなければならない。

第5章 雑則

(事務)

第22条 この規程による利益相反マネジメントに関する事務は、別に定める場合を除き、関係部局の協力を得て研究協力部産学連携課において行う。ただし、第7条の規定に係る事項に関する事務は,岡山大学病院研究推進課において行う。

(その他)

第23条 この規程に定めるもののほか、利益相反マネジメントに関し必要な事項は別に定める。ただし,第7条の規定に係る事項については医療系部局の長が定めることができる。

1 この規程は,平成30年4月17日から施行し,平成30年4月1日から適用する。

2 第2条第7号の「臨床研究」の定義に該当しない部局において、臨床研究法の適用を受ける研究を行う場合又は医療系外部資金により研究を行う場合には、当分の間、第2条第7号の定義による「臨床研究」に該当するものとみなす。

3 平成30年3月31日において、岡山大学利益相反マネジメント委員会内規(平成16年8月20日学長裁定)第6条の規定に基づき任命された利益相反アドバイザーであった者は、引き続き、第6条に定める利益相反アドバイザーとなるものとし、その任期は、第6条第3項の規定にかかわらず、平成31年3月31日までとする。

(平成31年3月29日規程第51号)

この規程は,平成31年4月1日から施行する。

国立大学法人岡山大学利益相反マネジメント規程

平成30年4月17日 岡大規程第39号

(平成31年4月1日施行)

体系情報
第3編 全学規程/第6章 研究・産学連携等
沿革情報
平成30年4月17日 岡大規程第39号
平成31年3月29日 規程第51号