○国立大学法人岡山大学ハラスメント防止委員会規程

令和5年3月29日

岡大規程第48号

(趣旨)

第1条 この規程は、国立大学法人岡山大学におけるハラスメント等の防止及び対応に関する規程(平成29年岡山大学規程第41号)(以下、「防止規程」という。)第7条第2項の規定に基づき、ハラスメント防止委員会(以下「委員会」という。)の組織及び運営に関し、必要な事項を定める。

(目的)

第2条 委員会は、国立大学法人岡山大学におけるハラスメント及びハラスメントに起因する問題(以下、「ハラスメント等」という。)の発生の防止及びハラスメント等が生じた場合に対応することを目的とする。

(定義)

第3条 この規程において、次に掲げる用語の意義は、次の各号及び防止規程第2条第1項各号に定めるところによる。

 相談者 ハラスメント相談員にハラスメントに関する相談を行った者をいう。

 相手方 ハラスメント相談においてハラスメントを行ったとされる者をいう。

 本人 ハラスメント相談及び措置申立てにおいて、構成員からハラスメントを受けたとされる者をいう。

 申立人 措置申立てを行った者をいう。

 被申立人 措置申立てにおいて、ハラスメントを行ったとされる者をいう。

 当事者 申立人及び被申立人をいう。

(業務)

第4条 委員会は、第2条の目的を達成するため、次の各号に掲げる業務を行う。

 ハラスメント等の防止に関する啓発活動の企画及び実施に関すること。

 ハラスメント等に関する部局間の連絡調整に関すること。

 防止規程第8条に定めるハラスメント相談室(以下、「相談室」という。)においてハラスメント相談が行われた事案のうち、委員会へ報告又は措置申立てがあった事案(以下「要対処事案」という。)への対応について協議すること。

 要対処事案について、必要に応じて調査委員会を設置し、事実関係の調査を行わせること。

 要対処事案に係る調査結果に基づき、被害救済措置、再発防止措置等について検討し、学長に対して必要な措置等を勧告又は要請すること。

 その他ハラスメント等の防止及びハラスメント等への対応に関する重要事項を協議すること。

(組織)

第5条 委員会は、次の各号に掲げる者で組織する。

 法務・コンプライアンス担当副理事

 教育学域及び社会文化科学学域の教育職員(原則として教授とする。以下この項において同じ。)のうちから学長が指名した者 1名

 環境生命自然科学学域及びヘルスシステム統合科学学域の教育職員のうちから学長が指名した者 1名

 保健学域及び医歯薬学域の教育職員のうちから学長が指名した者 1名

 法務学域の教育職員のうちから学長が指名した者 1名

 岡山大学病院の職員のうちから学長が指名した者 1名

 教育推進機構の教育職員のうちから学長が指名した者 1名

 学内又は学外の法律、カウンセリング等の専門家のうちから学長が指名又は委嘱した者 若干名

 ハラスメント相談室長

 総務・企画部法務・コンプライアンス対策室長

十一 その他学長が必要と認めた者

2 前項第2号から第8号までの委員の任期は2年とし、同項第11号の委員の任期は学長が指定し、いずれも再任を妨げない。ただし、委員が前項各号に該当しなくなった場合、又は委員の退任等により、欠員が生じた場合の後任者の任期は、前任者の残任期間とする。

3 防止委員会に委員長を置き、第1項第1号の者をもって充てる。

4 防止委員会委員長(以下、単に「委員長」という。)は、防止委員会を招集し、その議長となる。

5 委員長に事故あるときは、委員長があらかじめ指名した者がその職務を代理する。

6 委員長が必要と認めるときは、構成員等の出席を求め、その意見を聴くことができる。

7 防止委員会は、委員の2分の1以上が出席しなければ、議事を開き、議決することができない。

8 防止委員会の議事は、出席した委員の過半数の賛成をもって議決する。ただし、可否同数のときは、議長の決するところによる。

(相談実施通知手続)

第6条 委員長は、ハラスメント相談が行われた事案につき、ハラスメント等の防止及びハラスメント等の対応のため必要があると認めるときは、次に掲げる者に対し、ハラスメント相談が行われたことを通知すること(以下「相談実施通知」という。)ができる。

 相手方

 相手方の監督者及び所属部局長等

 その他、ハラスメント等の防止及びハラスメント等への対応のため必要と認められる構成員等

2 委員長は、前項の通知をもって、相談実施通知手続を終了することができる。

(調整手続)

第7条 委員長は、ハラスメント相談が行われた事案につき、就業・就学環境等の調整が必要であると判断した場合、部局長等に調整を要請することができる。ただし、部局長等が相手方である場合は、当該部局長等に調整を要請することはできない。

2 委員長から調整を要請された部局長等(以下「調整実施者」という。)は、相談者及び相手方の意見を公平な立場で考慮し、就業・修学環境の調整を行わなければならない。

3 調整実施者は、調整内容につき相談者及び相手方の合意が得られた場合は、合意内容に沿った適切な措置を行い、調整手続を終了することができる。

4 前項の合意を行った相談者及び相手方は、合意内容に反する言動を行ってはならない。

5 調整実施者は、調整内容につき相談者又は相手方の合意が得られる見込みがない場合又は調整内容が相当でないと認める場合には、調整が成立しないものとして、調整手続を終了することができる。

6 調整実施者は、調整手続が終了した後、速やかに調整結果を委員長に報告しなければならない。

(緊急措置)

第8条 委員長は、ハラスメント相談が行われた事案につき、本人の保護のため、緊急の措置が必要であると認める場合は、部局長等に緊急措置を講ずるよう勧告することができる。

2 委員長から前項の勧告を受けた部局長等は、適切な措置を講じなければならない。

3 部局長等から前項の措置を受けた構成員は、その措置に従わなければならない。

4 委員長は、第1項の事由が消滅した、又は措置の継続が相当でないと判断した場合、勧告を行った部局長等に対して、緊急措置の解除を要請することができる。

5 前項の解除要請を受けた部局長等は、緊急措置を解除し、措置の対象者に解除を通知しなければならない。

(措置申立て)

第9条 相談室から委員長に対し、措置申立書が提出されたことをもって、本人から委員会に対し、措置申立てが行われたものとする。

2 措置申立てを行うことができる者は、原則として本人とする。ただし、委員長が許可した場合は、本人以外の相談者が本人に代理して措置申立てを行うことができる。

3 前2項の手続は、原則として本人が在職中の場合に限るものとする。ただし、本人が離職、卒業、退学等により構成員等でなくなった日から、原則として1年以内である場合にはこの限りでない。

4 委員長は、申立人が措置申立ての取り下げの意思を示した場合、取り下げの可否を判断する。

5 措置申立書の様式及び作成方法等は、別に定める。

(委員長の措置申立書審査権)

第10条 委員長は、提出された措置申立書の記載事項を審査し、内容が不明瞭な場合には、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを指示しなければならない。

(悪意による虚偽の措置申立て)

第11条 構成員が悪意をもって虚偽の措置申立てを行った場合には、懲戒処分等に付されることがある。ただし、ハラスメント認定の結果、申立てに相当する事実が認められなかった場合であっても、直ちにこのことをもって、虚偽の措置申立てを行ったとみなし、申立人に不利益な取扱いをしてはならない。

(措置申立てに関する審議)

第12条 委員長は、措置申立てがなされた事案について、第15条に定める調停手続の開始、第16条に定めるハラスメント認定手続の開始及び第17条第1項に定める調査委員会の設置を決定することができる。

2 前条の決定に際し、委員長が防止委員会の審議が必要と認める場合、又は次項各号の却下事由が存在すると認める場合、防止委員会で審議しなければならない。

3 防止委員会は、措置申立てが次に掲げる事項に該当する場合には、決定により、当該措置申立ての全部又は一部を却下できる。全部却下となった場合、措置申立手続は却下決定により、終了する。

 第9条により定められた措置申立ての要件を満たさない場合

 第10条により定められた期間内に申立人が補正に応じない場合

 措置申立てに係る行為が、その発生から3年が経過しており、かつ、現にその状況が継続していないと認められる場合

 申立人の求める事項が、調停手続及びハラスメント認定手続を行うことなく解決に至りうると判断した場合

 申立人の求める事項が、調停手続及びハラスメント認定手続での解決が不可能と判断した場合

 ハラスメント認定手続が終了した事案と同一内容であると認められる場合

 本項により却下決定された事案と同一内容であると認められる場合

 防止委員会の決定に対する措置申立てであると認められる場合

 措置申立てに係る紛争について、既に学外において、裁判、調停その他の裁判外紛争処理手続が係属している場合

 その他、措置申立てが適切でないと認められる場合

4 防止委員会は、却下決定を行った場合、書面をもって、申立人に通知しなければならない。

(却下決定に対する異議申立て)

第13条 申立人は、前条第3項の却下決定に対して、異議申立てを行うことができる。

2 異議申立ては、異議申立書を委員会に提出してしなければならない。

3 異議申立書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

 当事者の氏名

 前条第3項各号に該当しないと考える理由

 ハラスメント等への対応の必要性に関する事実

4 異議申立ては、却下決定の通知があった日から、7日以内に行わなければならない。

(異議申立てに関する審議)

第14条 委員長は、異議申立てがなされた場合、当該異議申立てに明らかに理由がないと認める場合を除き、防止委員会を招集し、防止委員会において、審議しなければならない。

2 防止委員会は、異議申立てに理由があると判断した場合、第12条第2項の審議を行わなければならない。

3 防止委員会は、異議申立てに理由がないと判断した場合、決定により、異議申立てを却下しなければならない。

4 申立人は、前項の決定について、異議申立てを行うことができない。

(調停手続)

第15条 委員長又は防止委員会は、措置申立てがなされた事案につき、調停員による調停による解決が必要と認めた場合、事案ごとに調停員を置き、調停を行わせなければならない。

2 前項の調停員は複数置くこととし、事案の内容を考慮し、構成員から委員長が指名する。ただし、当該事案に関するハラスメント相談を受け付けた相談員又は当事者との間において特別な利害関係がある者を調停員に指名することはできない。

3 委員長は、調停員を指名した後、当事者及び当事者が所属する部局の部局長等に対し、調停が開始されたことを通知しなければならない。ただし、当該部局長等が当事者又は措置申立てに係る事実に関与している場合は、当該部局長等への通知を行わないことができる。

4 調停員は、次に掲げる職務を行う。

 当該事案に係る事実関係の確認を行うこと。

 当事者に対して、調停案を提示すること。

 調停結果を委員長に報告すること。

 その他、当事者間の合意を成立させるために必要な一切の事項

5 調停員は、当事者に対し、公平な立場で対応を行わなければならない。

6 当事者及び関係する構成員等は、調停員が行う調停に協力しなければならない。

7 調停員は、調停において当事者間に合意が成立した場合は、調停合意書を作成し、調停を終了することができる。この場合、調停員は、第3項の通知を受けた部局長等に対し、調停合意書の写しを交付することとする。

8 前項の調停合意を行った者は、合意内容に従わなければならない。

9 調停員は、当事者間に合意が成立する見込みがない場合、調停の実施が困難となる事情が生じた場合、又は成立した合意が相当でないと認める場合には、調停が成立しないものとして、調停を終了することができる。

10 調停員は、調停が終了した後、速やかに調停結果を委員長に報告しなければならない。

11 調停員は、調停結果の報告をもって、その任を解かれる。

12 第9項により調停が終了した場合、委員長は次条に定めるハラスメント認定手続の開始及び第17条第1項に定める調査委員会の設置を決定することができる。ただし、申立人が、ハラスメント認定手続を希望しない場合にはこの限りでない。

(ハラスメント認定手続)

第16条 委員長又は防止委員会は、措置申立てがなされた事案につき、ハラスメント認定に基づくハラスメント防止等の措置(以下「改善措置」という。)勧告の要否の判断が必要と認めた場合、ハラスメント認定の有無及び改善措置勧告の内容を審議しなければならない。

2 委員長は、第17条第1項の調査委員会を設置した場合は、前項の審議の際に、調査委員会委員長であった者を、オブザーバーとして防止委員会に出席させることができる。

3 委員長は、第1項の審議の結果、改善措置勧告が必要と判断された場合、学長に対して、認定されたハラスメント事実及び改善措置内容を示して、当該改善措置の勧告をしなければならない。

4 委員長は、第1項の審議結果を当事者及び当事者の所属する部局の部局長等に通知しなければならない。ただし、被申立人に対して、第17条第7項の通知を行っていない場合には、被申立人への通知を行わないことができる。

5 学長は、第3項の勧告に基づき、関係する部局長等に適切な措置を講じるよう要請するものとし、要請を受けた部局長等は、速やかに適切な措置を講じなければならない。

6 前項の部局長等からの措置の対象となった者は、その措置に従わなければならない。

7 第5項の規定に関わらず、国立大学法人岡山大学職員就業規則(平成16年岡大規則第10号)第68条の懲戒処分又は同規則第69条の訓告若しくは厳重注意(同規定を準用する場合も含む。)に相当する旨の改善措置勧告については、国立大学法人岡山大学職員の懲戒等に関する規程(平成16年岡大規程第20号)第3条第1項第2号の顛末の報告があったものとして、取り扱う。

(ハラスメント認定に対する異議申立て)

第16条の2 当事者は、前条第1項の審議に基づくハラスメントを認める決定に対して、次の各号の要件のいずれかを満たす場合には、委員長に対し、異議申立てを行うことができる。

 事実関係の調査に手続上の重大な瑕疵が認められる場合

 事実関係の調査に際して提出できなかった新たな証拠が発見され、当該証拠がハラスメント認定の結論に影響を及ぼすことが明らかである場合

 ハラスメント認定の結論に影響を及ぼすことが明らかな証拠が偽造・変造等により虚偽であったことが証明された場合

2 異議申立ては、次に掲げる事項を記載した異議申立書を法務・コンプライアンス対策室に提出してしなければならない。

 被申立人の氏名

 前項各号のいずれかに該当すると判断した理由

3 異議申立ては、前条第4項の通知を受けた日から14日以内に行わなければならない。

4 委員長は、第1項の異議申立てがなされた場合には、その旨を他方の当事者に通知するものとする。

(異議申立てに関する審議)

第16条の3 委員長は、異議申立てがなされた場合、当該異議申立てに理由があると認める場合は、防止委員会を招集し、申立て内容について審議しなければならない。

2 防止委員会は、前項の審議の結果、第16条に基づく審議結果を変更する必要があると判断した場合は、ハラスメント認定の取消しその他必要な措置を講じるものとする。

3 委員長は、第1項の審議結果を当事者及び当事者の所属する部局の部局長等に通知しなければならない。同項において、防止委員会における審議をしなかった場合も、同様とする。

4 当事者は、第1項の審議結果に対し、更に異議申立てを行うことはできない。

(調査手続)

第17条 委員長又は防止委員会は、第16条第1項及び前条第1項の審議に際し、事実関係の調査が必要と認めるときは、事案ごとに調査委員会を設置し、同委員会に事実関係の調査を行わせなければならない。

2 前項の調査委員会の委員は、あらかじめ学長が指名又は委嘱した次の各号に掲げる者のうちから委員長が事案ごとに若干名を指名する。ただし、調査の公平性・中立性の観点から、当該調査事案を受け付けた相談員又は当該調査事案の当事者との間に特別な利害関係がある者を指名することはできない。

 教育職員(原則として教授とする。)のうちから学域ごとに学長が指名した者 各2名

 岡山大学病院の職員のうちから学長が指名した者 1名

 事務職員のうちから学長が指名した者 若干名

 学内又は学外の法律専門家のうちから学長が指名又は委嘱した者 若干名

3 委員長が必要と認めた場合は、前項各号に掲げる者以外の者を調査委員に指名することができる。この委員の任期は、当該調査手続の終了までとする。

4 調査委員の任期は2年とし、再任を妨げない。ただし、委員に欠員が生じた場合の後任者の任期は、前任者の残任期間とする。

5 前項に関わらず、任期満了による委員の交替の日の前日において、調査結果報告が未了の場合は、当該事案に限り、現に委員である者が引き続き委員として調査を行うこととする。ただし、当該調査結果報告の完了までに当該委員が欠員になった等により調査に参加できない場合は、この限りでない。

6 調査委員会に委員長(以下、「調査委員長」という。)を置き、当該調査委員会を組織する調査委員のうちから委員長が指名する。

7 委員長は、調査委員会を設置した後、当事者及び当事者の所属する部局の部局長等に対し、調査が開始されたことを通知しなければならない。ただし、当該部局長等が当事者又は措置申立てに係る事実に関与している場合は、当該部局長等への通知を行わないことができる。

8 調査委員会は、次に掲げる職務を行う。

 措置申立てに係る事実関係の確認を行うこと。

 事実関係に基づきハラスメント該当性及び必要な改善措置の内容についての見解を示すこと。

 調査結果につき、委員長に報告すること。

 その他事実関係の確認に関する一切の事項

9 当事者及び関係する構成員等は、調査委員会の行う調査に協力しなければならない。当事者が、正当な理由なく調査に協力しない場合、調査委員会は、その他の調査の結果をもって、第11項の調査結果報告を行うことができる。

10 調査委員会は、調査の継続が困難と認められる事情が生じた場合、委員長の許可を得て、調査を中止することができる。この場合、次項の報告は、調査中止前までの調査結果を報告するものとする。

11 調査委員長は、調査結果について速やかに委員長に報告しなければならない。

12 調査手続は、第16条第1項及び前条第1項の審議の終結とともに終了し、調査手続の終了をもって、調査委員会は解散する。

(悪意による虚偽申立ての審議)

第18条 防止委員会は、第12条第1項又は第16条第1項の審議において、当該措置申立てが、申立人の悪意による虚偽の措置申立てであるか否かを審議することができる。

2 前項の審議の結果、当該措置申立てが申立人の悪意による虚偽の措置申立てであると防止委員会が認めた場合、委員長は、学長に対して報告しなければならない。

3 学長は、前項の報告を、国立大学法人岡山大学職員の懲戒等に関する規程第3条第1項第2号の顛末の報告として、取り扱うこととする。

(事務)

第19条 防止委員会に関する事務は、総務・企画部法務・コンプライアンス対策室において処理する。

この規程は、令和5年4月1日から施行する。

国立大学法人岡山大学ハラスメント防止委員会規程

令和5年3月29日 岡大規程第48号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
第3編 全学規程/第3章 就業規則等
沿革情報
令和5年3月29日 岡大規程第48号