岡山大学の学士課程教育(または学部教育)における方針
従来,学士課程教育は一般的に「学部教育」などといった「組織」に着目した呼び方がなされていました。しかし真に重要なのは「どのような学部を卒業したか」ではなく,「大学教育課程の修了に関わる知識・能力を習得したか」です。学位(学士)は,そのような知識・能力を身に付けた証明として大学が授与するものであり,学位(学士)を与える課程(プログラム)に着目して教育を施すのが,「学士課程教育」です。
岡山大学はこれまでは学部・学科といった組織に着目した整理がされていましたが,この学部・学科の縦割り体制は,ともすると学生本位の教育活動の展開を妨げがちでした。従って岡山大学は教育の充実の観点から,これまでの体制を学位(学士)を与える課程(プログラム)中心の体制に改めました。即ち,学部段階の教育を「学士」を与えるに値するものとして保証しようというものであり,これまでの何を教えるかという教師目線だった教育を,何ができるようになったかという質的保証を目指した学生目線に変えようとしたものです。
学士課程教育における3つの方針(ポリシー)の明確化
1)学位授与方針(ディプロマポリシー,Diploma Policy,DP)の明確化
上に記したように,従来の「学部教育」は組織に着目した教育であり「何を教えるか」が主体でしたが,岡山大学は「何を教えるか」ではなく「何を身に付けたか」が重要であると考え,卒業生の質を保証できる教育を行っていきます。そのために本学では保証すべき卒業生像を明確にしました。
岡山大学におけるコンピテンシーとは?
平成30年度より,学生が履修する授業科目によって「何ができるようになるか」を明確化し,どのような学修成果を上げれば卒業を認定し,学位を授与するのかという方針をできる限り具体的に示すことを目的として,観察可能な能力を「コンピテンシー」として明示し,それをディプロマポリシーと関連付けしています。2)教育課程編成・実施の方針(カリキュラムポリシー,Curriculum Policy,CP)の明確化
1)で記した学位授与方針を効果的に実現するために,岡山大学では学部・学科等の教育単位でどのようにカリキュラムを編成し実施していくかを明確にしました。
教育課程編成・実施方針(カリキュラムポリシー)とは?
学生が習得すべき教育上の力(DPで表現されるもの)を効果的に身に付けさせるために授業(カリキュラム)の編成の方針を明示したものです。3)入学者受入れの方針(アドミッションポリシー,Admission Policy,AP)の明確化
2)で記した教育課程編成・実施方針を受入れ,本学の卒業生となり得る能力を有する学生を入学者として得るため,岡山大学では入学志願者に対して求める入学時の基本的な能力を明確にしました。