農産物利用学
農産物利用学分野 (Postharvest and Crop Application)
農産物の利用・デザイン技術の開発
教員
主な研究テーマ
本研究室では、主に果実・花を用いて、農産物の価値に関与する様々な重要形質をあつかい、人為的にそれらの制御を行う技術の開発を目指している。主に、園芸作物の花器官における多様な「性決定・性表現」の制御機構や、果実の形状・生理障害に関する研究を行うとともに、ディープラーニング(AI)技術の適用による青果物の品質判断・嗜好性に寄与する要因の解明にも挑戦している。
園芸作物における「性決定」の多様性と制御
「性」の表現パターンは作物の栽培・育種の両面における最重要形質の一つである。しかし、植物の性決定機構はこれまでほとんど明らかになっていない。本研究では植物では初めて性決定遺伝子が発見された「カキ」をはじめとして、キウイフルーツやヒロハノマンテマを用いて、植物の柔軟で多様な性決定機構を解明し、人工的に性表現を改変する技術の開発を目指している。 | 栽培ガキにおける柔軟な性表現への進化 |
果実の「形」を制御するメカニズム
果実の「形」は市場価値を決める大きな要因である。一方で、「形」は数値で表すのが難しく、その複雑な変化を説明する機構は明らかになっていない。本研究では多様な果実形状を持つカキにおいて、果実形状を数値で表す手法を開拓し、その変化に関わる要因を探索するため、様々なカキ品種から全遺伝子発現データを収集して、ゲノムワイドな観点からカキ果実の形状変化に関わる遺伝的因子の同定を目指している。 | カキ果実の多様な形状変化 |