酸素発生型光合成の電子伝達系で機能する2つの光化学系は、光エネルギーを酸化還元エネルギーへ変換する働きをするクロロフィルなどのコファクターと数多くのサブユニットから構成される複合体です。私たちの研究プロジェクトは、この複雑な構造を持つ光化学系複合体のダイナミクスを生化学および分子生物学的手法を用いて解析することです。

光合成電子伝達系

光合成電子伝達系では、光を利用して水からの電子が、光化学系II、シトクロムb6f複合体、光化学系Iを経て、最終的にNADP+へ伝達されます。この電子伝達反応と共役して水素イオン(プロトン)がストロマ側からルーメン側へ輸送され、膜の内外でプロトン駆動力(プロトン濃度勾配と電位差)が生じ、このエネルギーを利用してATP合成酵素がATPを生成します。