書籍・教科書

水俣病に関する総説の執筆

Yorifuji, T., Tsuda, T., 2014. Minamata. In: Wexler, P. (Ed.), Encyclopedia of Toxicology, 3rd edition vol 3. Elsevier Inc., Academic Press, pp. 340-344.

『医学的根拠とは何か』（岩波新書：新赤版1458）

津田敏秀 著 出版社: 岩波書店 (2013/11/20)

ISBN−10：4004314585　　ISBN−13：978-4004314585

日本の医学研究者の多くは、実験医学こそが医学研究と信じています。日本の医学研究に臨床現場や地域で役に立つ医学研究が少ないのはこのためであり、独特の偏りを医学研究に生み出しています。そして食中毒・感染症、公害や薬害などの疾患のアウトブレイクに対処できない医学を蔓延させました。その理由を歴史的経過から探り、現在もなお医学を巡る3 つの根拠を整理できない100 年遅れの医学概念を説明しました。
正誤表
p97、後ろから4行目、
「一･〇〇三倍」を「一･〇三倍」に訂正

『食中毒の疫学講座』

社団法人　日本食品衛生協会

ISBN-13: 978-4889250503

食中毒事件調査において重要な疫学の解説書です。実際の疫学研修をもとに、多数の事例を用いた調査手法を説明。疫学統計ソフトの使い方、メディア対策、平常時の監査監視等、食中毒の探知から対策まで網羅しています。
パンフレットのダウンロード
正誤表
p173
表5-4-5
・タイトルの「パターンの回数を症例の曝露の有無と対照で曝露された人数でまとめたマッチドペア表」の後ろに、「（症例：対照が１：２のマッチング）」を付け加え
表5-4-6
・「ケース：１，対照：３，かっこ内は筆者による」を、「症例：対照が１：３のマッチング、かっこ内は式5-4-4の記号」に修正
・「曝露ケース」を、「曝露症例の人数」に修正
・「曝露コントロール」を、「曝露された対照の人数」に修正

『新通史　日本の科学技術　第４巻: 世紀転換期の社会史／1995年~2011年』

吉岡斉 (編集)　出版社: 原書房 (2011/12/26)

ISBN-10: 4562047208 / ISBN-13: 978-4562047208

「7-2　水俣病の現在史　Minamata Disease 1995-2011」を、津田と頼藤がまとめました。症状とメチル水銀曝露の因果関係を曖昧にするために食品衛生法で義務づけられた調査がされないという違法行為があったことなどを書いています。

『医学と仮説――原因と結果の科学を考える』 (岩波科学ライブラリー184)

津田敏秀　著　出版社: 岩波書店 (2011/9/17)

ISBN-10: 4000295845 / ISBN-13: 978-4000295840

「医学研究とは何か」を明らかにするために、まず「科学とは何か」を論じています。医学研究の歴史、エピソードも紹介しています。現代因果関係論の紹介もしています。
表　医学における因果推論の歴史のまとめ
正誤表と注釈

・31頁の図および32頁の本文、
　　　　　誤　　　　　　　　　　正
「現象主義的ドグマ」→「現象主義的概念図式」
「物理主義的ドグマ」→「物理主義的概念図式」

・109頁の本文、後ろから5行目、
　　　誤　　　　　　　　正
「調整しても」→「調整しなくても」

・50頁の前から８行目、
「研究者なら誰でも知っている。」の後、「従って、」の前に、次の一文、「医学生物学において個体の成立は重要である。」を挿入する。

・81頁、ヒュームの『人間知性研究』からの引用部分を下記に置き換え、
原因とはある対象であって、それの後に続いて別の対象が生じる、そしてそこでは第一の対象に類似したすべての対象の後に続いて第二の対象に類似した対象が生じる、と。あるいは、言い換えて、そこでは、第一の対象がなかったならば、第二の対象は存在しなかったであろう、と。

・参考文献修正
文献24　は、出版が2012年にずれ込んだため、下記のように、2011から2012に修正する。Suzuki E et al.・・・・・・．Am J Epidemiol. 2012 (in press).

・参考文献追加（引用箇所は、コラム100ページの一番最後、「一般理論で論じようとしている。」のところに28として、
28. Suzuki E et al.: Identification of operating mediation and mechanism in the sufficient-component cause framework. Eur J Epidemiol. 2011;26:347-57.

以上までは、第2刷では修正済み

・34ページ後から5行目、
「る。」の後に次の一文を追加
「実際に診断X線など一〇〇ミリシーベルト未満の発がんリスクの増加は確認されている。」

注：本書では、ヒュームによる原因の定義を先に提示してからヒュームの問題を説明した。しかし実は年表に示すように、後世でヒュームの問題とされる点が人性論で提示されたのが先で、ヒュームが原因の定義を人間知性論で提示したのはその8年後である。Pearl(2009)は、引用した原因の定義を付け加えることにより、ヒュームが自分の論点を補強したように記している。順番が入れ替わっているので、ご注意いただきたい。

注：第5章のピロリ菌感染は、事象・出来事というより、感染している状態である。しかし、この状態は、ピロリ菌感染が成立したという出来事からきている。

〔法と経済学叢書　�[〕『法，疫学，市民社会：法政策における科学的手法の活用』

Case Studies in Forensic Epidemiology, Plenum Pub.Corp., 2002 サナ・ルー　監訳者　太田勝造、津田敏秀 2009年3月13日刊行

ISBN4-8332-2410-9

法廷における疫学（Forensic Epidemiology）の訳本です。医学的因果関係に関する解説を、津田が巻末に付けています。

『いま、この研究がおもしろい〈Part 2〉』 (岩波ジュニア新書)

岩波書店編集部 (編集) 　出版社: 岩波書店 (2007/11/20)

ISBN-10: 4005005802 / ISBN-13: 978-4005005802

中学生、高校生向けに、医学研究を代表して疫学の紹介を津田が書いています。

『カネミ油症 過去・現在・未来』

カネミ油症被害者支援センター 出版社: 緑風出版 (2006/04)

ISBN-10: 4846106071 / ISBN-13: 978-4846106072

食中毒事件でありながら食中毒事件の処理が法に則って行われなかったカネミ油症事件ですが、そのために患者さんの症状とカネミ油の因果関係も曖昧にされたままです。この点に関する解説を津田が書いています。

『悪魔のマーケティング−タバコ産業が語った真実』

出版社: 日経BP社 (2005/1/20)

ISBN-10: 4822243427 / ISBN-13: 978-4822243425

ASHというNGOがまとめ、世界保健機構WHOがホームページで紹介した、タバコ会社の内部文書の訳本です。津田が解説を書いています。本書を読んでも、あなたは、まだタバコを吸い続ける勇気がありますか？

『医学者は公害事件で何をしてきたのか 』

出版社: 岩波書店 (2004/6/29)

ISBN-10: 4000221418 / ISBN-13: 978-4000221412

医学者先生たちは、公害事件において、対策を遅らせ人体影響を曖昧にしてきました。その見返りに、多額の研究費を受給してきました。本書は水俣病事件を中心に紹介していますが、他の公害事件等も短く紹介しています。「石川や　浜の真砂は 尽きるとも 世に医学者先生の 種は尽きまじ」

『市民のための疫学入門―医学ニュースから環境裁判まで 』

津田敏秀著、出版社: 緑風出版 (2003/10)

ISBN-10: 4846103110 / ISBN-13: 978-4846103118

BBCやCNNなど世界のニュースでは、医学ニュースが頻繁に出てくるのに、日本のニュースではあまり出てこない。それは疫学情報が欠如しているからです。市民の皆さんが、海外で医学ニュースに戸惑わないように、人間における医学の情報を理解できるようにと考えて、疫学入門を書きました。