JyAM's PC Audio: Digital input can't act as a digital copy
MDで録音したAMラジオ放送をWAVもしくはMP3に変換しようと思い、 ATRAC -> WAV, MP3の変換方法を模索したのが事の起こり。 当初はNetMDドライヴの購入を検討したのだが、 高価だったり付属ソフトにプロテクトがかかっていたりOpenMGの管理が厳密だったりでボツ。 やはりS/PDIF入力でなんとかしようと方針転換。 サウンドカードを購入して一件落着と思っていたら、 WaveSpectraというソフトを知り泥沼(^^; 以下、そのリポート。
USB Audio ProcessorはONKYO SE-U55。 サウンドカードはCMI8738-6CHチップを使用したS/PDIF入出力装備の3,000円程度の製品。 エキスパート志向なやつ:) やはりエキスパート志向な製品だった:):)
コンピュータで計算して生成したトーンを納めたCD-Rを作成。 右上のCD-Rがそれ。下のヤツは20年前に購入したテストトーンCD。 これが今や、自宅のPCで簡単に作れちゃう(^^; トーン生成はefu氏のWaveGene v1.20で行った。efu氏に感謝。
作成したトーン。
Tone No. | Bit | Frequency | Attenuation | Channel |
1 | 16 bits | 1 kHz | -10 dB | L+R |
2 | 16 bits | 1 kHz | 0 dB | L+R |
3 | 16 bits | 10 kHz | -10 dB | L+R |
4 | 16 bits | 10 kHz | 0 dB | L+R |
5 | 16 bits | 63 Hz + 6.3kHz | -10 dB | L+R |
トーンの長さは全て30秒。作成したCD-RからWAVファイルをリッピングして測定したが、 オリジナルトーンと全く同一(当たり前)。CDPとMDをS/PDIFで接続しディジタルダビングした。
作成したテストトーンCDを使ってPCのディジタル入力の性能をチェックした。 測定はefu氏のWaveSpectra v1.20で行った。efu氏に感謝。 サンプリング周波数は44.1kHz、量子化ビット数は16bits。 周波数特性とS/N比を測定する場合このセッティングではダメだが、 今回はディジタル録音の性能チェックも兼ねたため。
Tone No. | Origital Tone | CD -> SE-U55 | CD->Sound Card | MD-> Sound Card |
1 | 0.00103 %, 86.32 dB | 0.00065 %, 78.01dB | 0.00940 %, 70.62 dB | 0.00941 %, 63.92 dB |
2 | 0.00027 %, 96.17 dB | 0.00020 %, 88.02dB | 0.00246 %, 68.30 dB | 0.00211 %, 65.71 dB |
3 | 0.00016 %, 85.95 dB | 0.00011 %, 76.83dB | 0.00016 %, 53.02 dB | 0.00005 %, 59.14 dB |
4 | 0.00012 %, 95.99 dB | 0.00008 %, 86.75dB | 0.00009 %, 78.16 dB | 0.00001 %, 59.51 dB |
5 | 0.00070% | 0.00004 % | 0.00002 % | 0.01266 % |
オリジナルトーンの「1 kHz 0 dBでS/N比96 dB」というのは16 bits 44.1 kHzの理論値。 SE-U55によるUSB入力はS/N比が約10dB落ちる。 サウンドカードのS/PDIF入力はCDPがソースだとS/N比が30dB近く落ち、 MDPがソースだとS/N比が約35dB落ちる。
SE-U55は公称S/N比100dBだが私の使用環境では85dB前後。MDはDouble Tone (Tone No. 5)の場合、THDが上昇する点に注目。
比較のために使用したToneはNo. 5。緑がサウンドカード入力で赤がUSB入力。
サウンドカード入力に現れるノイズの多さにびっくり(^^; USB入力とは桁違い。そのUSB入力でさえオリジナルトーンには無いノイズが載る。 サウンドカード経由のディジタル録音はデタラメ。 USB接続でもオリジナルコピーではない。ディジタル接続なのに! でも、聴いてもわからないけどね(^^;;
Sound Cardのディジタル入力はアテにならないが、 MDとCDの比較を行うためにやむなく使用。 (MD -> SE-U55ではSCMSが発動してPCに入力できない(^^;)。 比較のために使用したToneはNo. 5。緑がMDで赤がCD。
MDは1kHz以上の周波数帯にノイズが大量に発生している。 でも、聴いてもわからないけどね(^^;
20年前なら企業の研究所でしかできなかったようなノイズ解析が、 1台のPCを使って一晩でできちゃった。MDに録音したAM放送をMP3化するには、 MD --(S/PDIF)--> SE-U55 --(USB)--> PC が最適。「午後のこーだ」で「ライン入力MP3録音」が使える。 私のMDS-503は「入力スルー」機能(要するにA/Dコンバータとして使用可能な機能)があるので、 AM放送をPCでMP3にダイレクト録音することも可能。 そして今回の教訓は、
である。
(C) 2003 JyAM