検査部について
ご挨拶Greeting
臨床検査は、さまざまな病気の診断や治療において重要な役割を果たしています。中央採血室では安心して採血を受けていただけるよう努めており、採血した血液をもとに検体系の検査として、血液検査、生化学・免疫検査、一般検査、微生物検査、遺伝子検査など、多岐にわたる検査を実施しています。生理系の検査では、心電図などの循環機能検査、肺機能検査、脳波などの脳神経機能検査を実施しています。超音波診断センターでは、様々な領域の画像診断を行っています。各検査室では、これらの臨床検査データを迅速かつ正確にお届けするために、多くの部署が一丸となって尽力しています。とくに、患者さんの負担を軽減することを常に心がけ、専門分野の知識と技術を生かし、各診療科や他の医療部門と連携してチーム医療に貢献しています。
また、各診療科から依頼された検査を一元管理して迅速かつ精確な結果を提供することで、診療の質を高めることを目指しています。当院では、国内でいち早くISO15189認定を取得し、国際基準に準拠した高品質な検査サービスを提供しています。各部署の臨床検査技師・医師・看護師をはじめとした医療者チームの緊密な連携により、患者さんの診断・治療に重要な検査データを慎重かつ正確に解析し、できるだけ早く診療現場へお届けすべく、日々尽力しています。
検査部長・超音波診断センター長 大塚文男

検査部の特徴Features
品質方針
- 精確かつ信頼性のある検査結果を迅速に提供する。
- 検査に際して、患者さんの負担軽減に努める。
- 専門分野を活かし、チーム医療に貢献する。
- 効率的な臨床検査技術を目指す。

01
精度の高い臨床検査データの提供
生化学・免疫検査、血液検査、微生物検査、生理検査、一般検査、遺伝子検査、輸血検査、病理検査など多岐にわたる検査を実施し、精度の高い臨床検査データを迅速に提供しています。

02
チーム医療への貢献
患者さんの負担を軽減することを常に心がけ、各診療科や他の医療部門と連携し、専門分野の知識と技術を活かしてチーム医療に貢献しています。また、昨今の医師から他職種へのタスク・シフト/シェア(業務移管)の推進にともない、検査技師の重要性や存在感はより一層高まっています。

03
最先端の知識と技術の導入
学会や研修会、勉強会を通じてスタッフのスキル向上を図り、常に最先端の知識と技術を取り入れます。さらに、検査に関する高度な知識を身につけ、検査技術の向上に努めるために、各種認定資格の取得を推進しています。

04
これからの臨床検査を牽引する検査技師の育成
岡山大学医学部保健学科検査技術科学専攻をはじめ、複数の大学と連携しています。実際に働く検査技師が学生を指導することで、知識だけではなく、高度な技術や豊かな人間性を持つ検査技師を育成します。
ISO15189認定についてAccreditation
当検査部門は2007年7月6日にISO15189認定を取得。
現在も認定資格を維持更新し、継続的改善と品質向上に努めています。
ISO15189とは
ISOとは国際標準化機構(International Organization for Standardization)が作成した国際規格です。ISO15189は、臨床検査室の品質と能力に関する特定要求事項を定めたものであり、ISO/IEC 17025及びISO9100をベースとしています。第1版は2003年に制定され、2007年に第2版、2012年に第3版、2022年に第4版へと改訂されました。
ISO15189はISO/IEC 17025同様、主に次の2つから構成されています。
「品質マネジメントシステムの要求事項」→ 健全な管理に関する要求事項
「技術的要求事項」 → 臨床検査室が請け負う臨床検査の種類に応じた技術能力に関する要求事項





01
臨床検査室の信頼性の向上
診断や治療はしばしば臨床検査の結果に基づいて行われ、誤った検査結果は取り返しのつかない弊害を招く可能性もあります。国際規格による認定取得を通して、検査結果の精確さが向上することにより、より臨床的に良質な検査が施行されることになります。
02
病院の高次医療を支える臨床検査室の地位向上
臨床研究中核病院、がんゲノム中核拠点病院および拠点病院の指定を受けるためには、院内の臨床検査室がISO15189認定を取得していることが条件のひとつです。臨床検査の質が病院の医療の質に直結することを国が認めたと言い換えることができ、院内においても臨床検査室の重要性が再認識されることになります。
03
医療安全への貢献
適切な品質マネジメントシステムの導入により、検査プロセス中のエラーや偶発事象のリスクが減少します。また、繰り返し業務を見直し改善することで、インシデントやアクシデントを低減することが可能となり、患者さんの安全性を高めることにつながります。
04
国際レベルの技術能力の維持
国際共同治験や医師主導治験を初めとした治験または臨床研究では、臨床検査精度を確保するためISO15189の認定を取得することが求められます。すなわち、認定を取得している医療機関での治験の臨床検査結果や海外投稿論文に使用する臨床検査値は国際的に通用することを意味します。
組織図Organization Chart
検査部の歩みHistory
- 1961(昭和36)年4月
- 医学部附属病院に中央検査部を設置
- 1995(平成7)年7月
- 夜間・休日緊急検査開始
- 1998(平成10)年10月
- 外注検査業務開始
- 2002(平成14)年10月
- 輸血当直開始
- 2003(平成15)年9月
- 中央採血運用開始
- 2003(平成15)年10月
- 医学部附属病院と歯学部附属病院を統合し、医学部・歯学部附属病院を設置、医療技術部設置
- 2004(平成16)年4月
- 法人化により国立大学法人岡山大学医学部・歯学部附属病院となる
- 2005(平成17)年4月
- 一般検査(尿・便潜血)開始
- 2007(平成19)年1月
- 医療法上の病院名称を岡山大学病院に改称
- 2007(平成19)年7月
- ISO15189認定取得
- 2008(平成20)年3月
- 夜間休日緊急検査室入院棟へ移転
- 2008(平成20)年5月
- 遺伝子検査室設置
- 2008(平成20)年10月
- 中央検査部を検査部へ改称
- 2010(平成22)年2月
- 産婦人科外来検査の検査部実施(精液検査等)
- 2011(平成23)年2月
- 超音波診断センターを設置
- 2013(平成25)年8月
- 血中薬物検査を薬剤部から検査部へ全面移行
- 2014(平成26)年9月
- 新中央採血室の稼働
- 2017(平成29)年5月
- 総合診療棟へ検査室移転(生化学、血液、生理、遺伝子、微生物)
- 2018(平成30)年4月
- 夜間休日緊急検査を生化学検査室にて24時間対応開始
- 2020(令和2)年1月
- 超音波診断センター移転
- 2020(令和2)年2月
- 一般検査室、採尿室移転
- 2022(令和4)年1月
- 微生物検査室365日体制開始
- 2023(令和5)年5月
- 遺伝子検査室とゲノム医療総合検査室が移転し、遺伝子・ゲノム融合推進検査室として稼働
