アルミニウム, Al(aluminium)
平成15年4月1日より中止


測定法:原子吸光分析法

外注会社:SRL

臨床的意義
 血清Al濃度は腎不全,閉塞性黄疸,Al含有製剤服用者などで高値を示す。その機序は腎不全では排泄障害,閉塞性黄疸では肝細胞破壊による細胞中Alの放出,Al含有製剤では吸収促進とされる。Alの蓄積は骨軟化症を生ずるばかりでなく,腎不全そのものによる貧血を増悪させる。また,多量のAlの脳内蓄積が精神神経障害(Al脳症)を生ずる。したがって,腎不全患者では血清Alレベルをモニターしていく必要がある。また,Al産業労働者ではAl暴露レベルを推定するために,Alの測定が必要である。一方,Alzheimer病,筋萎縮性側索硬化症(ALS)とAlとの関連性が従来より問題となっているが最近では,脳中Al濃度と病状との関連性を否定する報告がみられる。 

異常値を示す疾患
高値疾患: 腎不全(急性,慢性,透析中を含む) ・ 閉塞性肝疾患 ・ Al含有製剤 ・ 職業的Al暴露

基準値: 10  μg/L以下

検体採取・測定条件
・ガラス容器,ゴム栓は汚染の可能性があるので指定容器を用いる。
・血清分離用のスピッツおよび分離後の容器は,酸洗浄済み脱イオン処理の専用容器を使用。

生理的変動
・Al含有製剤(制酸剤など)の服用は血清および尿中Alレベルを上昇させる。

関連項目

Ca
Cr
BUN
IP

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