クロール, Cl (chloride) 


臨床的意義
 
クロール(Cl)は,NaとともにNaClとして大部分細胞外液中に存在し,他の電解質との相互関係のもとに水分平衡,浸透圧の調節,酸塩基平衡の調節などに重要な役割を果している。又,Cl・重炭酸塩移動といわれる調節機構が働いており,Cl-が減少するとHCO3-が増加し,Cl-が増加するとHCO3-が減少して陰イオンの総和が一定に保つようになっている。水・電解質代謝異常や酸塩基平衡障害が疑われるときには,血清および尿中クロール濃度の測定は不可欠である。

測定方法: イオン選択電極法
 
測定機器:
 日本電子BM8040(平成26年3月24日より
        日本電子BM2250(平成18年7月18日より平成26年3月20日まで)
        日立7350自動分析装置(平成18年7月14日まで)
         

測定試薬: 日本電子(平成18年7月18日より)
                   第一化学(平成18年7月14日まで)

基準範囲: 血清  101〜108mmoL/L (平成27年7月1日より共用基準範囲へ変更)
           
102〜110 mmoL/L (平成6年9月より平成27年6月まで)
                      
101〜114 mmoL/L(平成6年8月まで)

        

相関
平成18年7月18日
X=旧機器、旧試薬
Y=新機器、新試薬
Y=0.97X+3.95 r=0.977  n=200

平成6年9月
従来法:X
新法:Y
Y=0.898X-12.607

異常値を示す疾患
高値疾患: 
高張性脱水症 ・ 下痢症 ・ 尿細管性アシドーシス ・ 呼吸性アルカローシス

低値疾患: 低張性脱水症 ・ ADH分泌異常症候群 ・ 嘔吐 ・ 呼吸性アシドーシス ・ 代謝性アルカローシス 

採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管

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