イオン化カルシウム, ionized Ca
測定法:イオン電極法
外注会社:SRL
臨床的意義
血液中に含まれるCaは,血清中の総Ca(イオン化Ca48〜55% 蛋白結合形40〜50%,有機酸または無機酸との結合形数%)と赤血球内Caに分けることができ,総CaはPと対応させ副甲状腺機能異常や骨疾患に欠かせない臨床検査である。一方イオン化Caは生理機能として神経・筋肉の興奮性,血液凝固機転,細胞膜の透過性,酵素の活性化などに直接関与する重要な因子として極めて微妙な恒常性が維持されている。また内分泌とし副甲状腺機能(PTHとの挙動の対比)。悪性腫瘍として高カルシウム血症惹起のモニター・腎の場合透析治 療のモニター・新生は低カルシウム血症惹起のモニター・麻酔等はカルシウムのホメオステーシス急変のモニターなどに用いられ臨床的に疾患の診断および病態の把握,治療のうえで有用な検査である。
異常値を示す疾患
高値疾患: 副甲状腺機能亢進症 ・ 悪性腫瘍
低値疾患: ファンコニ症候群 ・ クレチン症 ・ ネフローゼ症候群
基準値: 2.21〜2.52 mEq/L pH=7.4(37℃にて測定)
検体採取・測定条件
・流動パラフィンを1mL入れた試験管に血液3mLを移し密栓する。室温30分放置後,血清分離し別の試験管に流動パラフィンの血清を移して凍結する。
・流動パラフィンを入れる目的は,血清のまま放置状態の場合炭酸ガス喪失を起こしpHが上昇しデータが低値傾向となる為嫌気的にする。
生理的変動
・夕方から早朝にかけ低値傾向を示し,早朝より高値傾向となる。
採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管
関連項目
Ca
PTH
VD