ナトリウム, Na (Natrium) sodium 


臨床的意義
 
細胞外液中の浸透圧活性物質の95%以上は,Naとそれに随伴する陰イオン(ClとHCO3-)とで占められるので,NaとClは細胞外液の量と浸透圧を規定する重要な因子である。一方,細胞外液と細胞内液の組成は著しく異なるが,水は細胞膜を自由に通過し得るので,細胞内外の浸透圧は等しい。そのため,血清Na濃度は全体液浸透圧の指標となる。したがって,NaとClの血清濃度や尿中排泄量を測定することにより,体液の量や浸透圧の維持機構ならびに酸塩基平衡調節系の病態の把握に有用である。

測定方法: イオン選択電極法
 
測定機器:
 日本電子BM8040(平成26年3月24日より
        日本電子BM2250(平成18年7月18日より平成26年3月20日まで)
        日立7350自動分析装置(平成18年7月14日まで)       
         

測定試薬: 日本電子(平成18年7月18日より)
                   第一化学(平成18年7月14日まで)

基準範囲: 血清 138〜145mmoL/L (平成27年7月1日より共用基準範囲へ変更)
           
136〜144 mmoL/L (平成6年9月より平成27年6月まで)
                     
138〜151 mmoL/L(平成6年8月まで)

     

相関
平成18年7月18日
X=旧機器、旧試薬
Y=新機器、新試薬
Y=0.97X+3.62 r=0.992  n=200

平成6年9月
従来法:X
新法:Y
Y=0.919X+13.006 

異常値を示す疾患
高値疾患: 脱水症(下痢,嘔吐) ・尿崩症 ・クッシング症候群 ・原発性アルドステロン症 ・本態性高Na血症 

低値疾患: 肝硬変症 ・ネフローゼ症候群 ・腎不全 ・急性水中毒 ・甲状腺機能低下症

採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管

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