17-ケトステロイド, 17-KS ( 17-ketosteroids )
測定法:比色法
外注会社:SRL(平成18年6月27日より)
BML(平成18年6月26日まで)
大塚(平成15年3月31日まで)
臨床的意義
17-ketosteroid(17-KS)は、androgenの大部分を占めるC-19化合物の中で、C-17位にketo基を有する中性ステロイドの総称である。このC17-ketosteroidのCO-CH2基がエタノール性m-ジニトロベンゼンと反応し、アルカリ性において520nmに極大吸収を有するピンク色に呈色する反応(Zimmermann反応)を利用して定量される。17-KSに含まれるステロイド分画は、11-oxy-17-KSと11-deoxy-17-KSとの2つの分画群に大別される。11-oxy-17-KSは主として、副腎由来のcortisolが11-hydroxy型、あるいは11-keto型のandrosterone(An)やetiocholannolone(Et)に代謝されたもので、実際には11-hydroxy-An、11-hydroxy-Et、11-keto-An、11-keto-Etが含まれる。一方、11-deoxy-17-KSは主として副腎由来のDHEAやDHEASと、副腎および性腺由来の4Δ-androstenedioneや精巣由来のtestosteroneが肝臓でAnやEtに代謝されたものを含み、これら3分画を主要分画とする。健常成人男性では、精巣に由来する17-KSは約1/4程度で、残りは副腎に由来する。一方、小児や女性ではそのほとんどが副腎由来で、その大部分はDHEA、DHEASに由来する。下垂体-副腎皮質系、および下垂体-性腺系の疾患が疑われる場合に測定され、尿中17-OHCSや他の血中ホルモン値を組み合わせて鑑別診断に使用される。
異常値を示す疾患
高値疾患: Cushing病、異所性ACTH産生腫瘍、副腎癌、21-hydroxylase欠損症、11β-hydroxylase欠損症、3β-HSD欠損症、男性化副腎腫瘍、男性化卵巣腫瘍、睾丸腫瘍(Leydig細胞癌)、多嚢胞卵巣症候群(PCO)、甲状腺機能亢進症
低値疾患: Addison病、下垂体前葉機能低下症、ACTH単独欠損症、副腎腺種によるCushing症候群、17α-hydroxylase欠損症、コレステロール側鎖切断酵素欠損症、性腺機能低下症、肝硬変、甲状腺機能低下症、ステロイドホルモン治療中
基準値
年齢(歳) | 男性 | 女性 |
8〜13 | 1.1〜3.6mg/day | 1.1〜3.6mg/day |
14〜19 | 1.9〜8.5mg/day | 1.9〜8.5mg/day |
20〜42 | 3.5〜13.0mg/day | 3.0〜8.0mg/day |
43〜 | 3.0〜9.0mg/day | 1.0〜8.0mg/day |
採取容器: SRL(Y
関連項目
ACTH刺激テスト
メトピロンテスト
デキサメタゾン抑制テスト
尿中17-OHCS
血中コルチゾール
ゴナドトロピン負荷テスト