デヒドロエピアンドロステロンサルフェート, DHEA-S(dehydroepiandrosterone sulfate)


測定方法:CLEIA法(平成27年1月5日より)

RIA(チューブ固相法) (平成26年12月26日まで)

外注会社:MCM 

臨床的意義
 男性ホルモンの中間代謝産物である。主に副腎皮質から分泌され(DHEA-Sに関して性腺由来は1%程度)、その99%以上が硫酸抱合体(DHEA-S)として存在している。年齢で変動し思春期前に低く、思春期にピークを迎えその後斬減するが、全年齢層で男子の方が女子よりやや高値をとる。ACTHにより分泌調節されるが、DHEAと比べ血中半減期が約6時間(DHEAの約15倍)と長いので、著明な日内変動を認めないという利点がある。主にCushing症候群の病型判定や副腎皮質機能低下の診断に用いられる。思春期に月経不順や多毛を示す女性においては、遅発性先天性副腎過形成によるものが認められ、この診断には、ACTH負荷のDHEA-Sの測定が有用である。また、多毛症において副腎または性腺の異常によるものか鑑別するためには、デキサメサゾン負荷でのDHEA-Sの動態を調べる。

異常値を示す疾患
高値疾患: Cushing症候群、先天副腎皮質過形成、副腎癌(治療奏効で低下)、思春期早発症など

低値疾患: Addison病、Sheehan症候群、思春期遅発症(ゴナドトロピン単独欠損では低下しない)、Turner症候群、Werner症候群、Klinefelter症候群など

基準値:単位(μg/dL)
平成27年1月5日より

  男性 女性
20〜29歳 159〜538 92〜399
30〜39歳 125〜475 58〜327
40〜49歳 123〜422 41〜218
50〜59歳 76〜386 30〜201
60〜歳 - -


平成26年12月26日まで

  男性 女性
20〜29歳 138〜519 73〜322
30〜39歳 98〜516 50〜270
40〜49歳 68〜429 33〜262
50〜59歳 53〜342 18〜210
60〜歳 13〜264 13〜154

相関:平成27年1月5日
Y(新)=1.008X(旧)+0.6
R=0.987 N=104


小児の基準値
 
新生児で高く、その後1歳までは急激に減少する。1歳以降は思春期1〜2年前まで低値である。思春期1〜2年前になると上昇し始め、その後も思春期過ぎまで上昇を続ける。

採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管

関連項目

ACTH
アルドステロン
コルチゾール
アンドロステンジオン
テストステロン
E1
E2

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