11-ヒドロキシコルチコステロイド, 11-OHCS( 11-hydroxycorticosteroid )


測定法:蛍光法(De Moor変法)

外注会社:SRL

臨床的意義
 副腎皮質で産生される糖質ホルモンの大部分はコルチゾールであるが,そのほかに少量のコルチコステロンもあり,それらの分泌量は脳下垂体ACTHによって調節されている。両者ともにステロイド核の11位にOH基を有するので11-ヒドロキシコルチコステロイド(11-OHCS)と総称されている。副腎疾患の鑑別診断やACTHテスト,デキサメサゾン抑制試験など各種機能テストの結果の判定,治療効果の判定などに,本測定が利用された。Cushing症候群では,糖質ホルモンの過剰分泌をきたし,特に副腎癌,異所性ACTH症候群で分泌著増の傾向があり,また正常人に見られる分泌の日内変動が本症で消失することも大きな特徴の一つである。副腎機能低下症において,副腎原発性のアジソン氏病と下垂体ACTH分泌減少による二次性のものとの鑑別にはACTH刺激後の本測定が有用であるとされたが,現在はコルチゾールの測定が主に行われる。

異常値を示す疾患
高値疾患: Cushing症候群 ・ Cushing病 ・ 異所性ACTH産生腫瘍 ・ 副腎癌

低値疾患: 汎下垂体機能低下症 ・ ACTH単独欠損症 ・ Addison病

基準値: 7.0〜23.0 μg/dL

小児の基準値
 
出生時には高く、その後急激に減少する。乳児期以降は大きな変動を認めないが、成人よりも広い範囲に分布している。

生理的変動
・11-OHCSはACTH依存性であるので,採血に際しては,ストレスを避け,安静を保つことを原則とする。
・コルチゾールの分泌量は早朝にピークとなり,午後から夜半にかけて低下する日内変動がある。また,各種ストレスの影響も受けるため,血中コルチゾールの測定では採血条件に十分な考慮が必要である。

採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管

関連項目

ACTH
コルチゾール

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