クロール,Chloride in cerebrospinal fluid 

臨床的意義
髄液のClは血中のClに由来し、血中のClよりおよそ15〜20mmol/L高値である。この動態は髄液と血液間にある電位差およびDonnan平衡により生じるとされている。 すなわち、Clは血中から髄液中へ受動的に移送され、髄液中のCl値は血中のCl値の変動に左右される。 また、細菌性髄膜炎などで髄液中の蛋白が著明に増加する疾患ではDonnan平衡が抵抗を受け、その分髄液中のClは低下する。 かつて、結核性髄膜炎では髄液中のClの減少が診断の指標となるといった要旨の報告がなされたことがあるが、 これは結核性髄膜炎でClが特異的に減少するのではなく、結核症で生じる抗利尿ホルモンの分泌異常による低Cl血症が原因と考えられている。

測定機器:日本電子BM6050(平成26年3月24日より)
     日本電子BM1650(平成18年7月18日より平成26年3月20日まで)
     日立7350(平成18年7月14日まで)

測定方法:イオン選択電極法

測定試薬:日本電子(平成18年7月18日より)
     第一化学(平成18年7月14日まで)

異常値を示す疾患
増加:腎炎、尿毒症、心不全、脱水症状
減少:髄膜炎

採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管

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