抗核抗体, ANA (anti-nuclear antibody)

測定法: FA法

外注会社: BML(平成30年5月15日より)
OML(平成30年3月31日まで)

臨床的意義
 真核細胞の核内の抗原性物質に対する抗体群を総称して、抗核抗体(antinucler antibody ; ANA)と呼ぶ。対応する抗原は多数あるため、その抗原特異性に基づいて抗核抗体は多種類に細分類される。膠原病各疾患の患者血清中には、その疾患に特有な自己抗体群が検出される。その中心となるものは、細胞の核や細胞質の構成成分に対する自己抗体、すなわち抗核抗体と抗細胞質抗体とである。これらはともに臨床検査としての有用性が高い。細胞核内の抗原性物質には、生理的溶液に可溶性のものと不溶性のものとがある。このため、通常の溶液内反応のみで抗体を検出すると、抗核抗体群の一部しか検出できない。抗核抗体群のすべてを一括するスクリーニング検査法として、蛍光抗体間接法が広く普及している。蛍光抗体法によるANAをFANA(fluorescent ANA)と呼ぶこともある。FANA検査の目的は、多数の抗核抗体群のいずれかの陽性を明らかにすることにある。もしFANA陽性であれば、次の段階として、どの種類の特異ANAが陽性かを、特異抗原を使った検査法で確かめる必要がある。FANA検査法は蛍光顕微鏡で観察する過程が含まれるため、多数検体の処理には適さない。このため最近は、代替えのELISA(酵素免疫測定法)が考案されている。しかしFANA検査の目的を、ELISAで全面的に代替えすることはまだ難しい。

蛍光抗体間接法(FA)
 
細胞核内の抗原性物質すべてを変性しない状態でスライドガラス上に固定して患者血清中の自己抗体と反応させる。核抗原と反応した抗体は、蛍光標識された第二抗体と反応して可視化される。細胞を蛍光顕微鏡下で観察し核に特異蛍光染色が認められれば陽性となる。

異常値を示す疾患: SLE・SSc(全身性硬化症)・多発性筋炎など

基準値: 40 倍未満

採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管

関連項目

抗DNA抗体
抗ENA抗体
抗RNP抗体
抗Sm抗体
抗SS-A抗体
抗SS-B抗体
抗Scl-70抗体
免疫複合体
血清補体価
LEテスト
抗セントロメア抗体

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