抗GM1IgG抗体
外注先： LSI
臨床的意義：
ギラン・バレー症候群(Guillain-Barre syndrome,GBS)は急速に発症する四肢筋力低下と腱反射消失を主徴とする自己免疫性末梢神経疾患で、本邦の発生頻度は人口10万人当たり年間1.15にんと推定されている。GBSの診断は、AsburyとCornblathの診断基準が頻用されており、二肢以上における進行性脱力と腱反射低下等の臨床症状、発症4週間以内に症状がピークとなることや、髄液・神経伝達検査等の結果により総合的に診断される。しかし、経過を通じて腱反射が保たれることがあり、注意を要する。また、脱力が4週以上経過しても進行する場合は、他の疾患を疑う。
GBSの血清中に各種ガングリオシドと反応する自己抗体が検出されることが明らかにされている。特にIgG抗GM1抗体はGBSの約半数に検出され、最もよく検査されている。抗ガングリオシド抗体は健常者や他の神経疾患で検出されることはまれで。検出されても低力価である。また、発症初期から血清中に検出されるため、病初期におけるGBSの診断補助マーカーとして有用である。
血清中抗GM1IgG抗体の検出はGBSの鑑別診断に有用であり、GBSが疑われた時点で本検査を行うことで早期治療の開始、早期回復、後遺症の軽減が期待できる。
測定方法： ELISA法
測定機器： サンライズリモート/TECAN
測定試薬： IgG抗GM1抗体キット ガングリオシドAb・チェック GM1((株)シノテスト)
検体種別： 血液 0.3 ｍL 茶