抗GQ1bIgG抗体

外注先: LSI

臨床的意義:
フィッシャー症候群(Fisher syndrome,FS)は、外眼筋麻痺、運動失調、腱反射の低下ないし消失を主徴とする疾患である。多くは呼吸器(上気道炎等)あるいは消化器系(胃腸炎等)等の先行感染症に引き続いて発症し、単相性の経過をとり、髄液検査において蛋白細胞解離が見られる等の特徴がある。ギラン・バレー症候群(GBS)と共通する特徴を有することから、同症候群の亜型と考えられている。
FSは、外眼筋麻痺や運動失調等の臨床症状、発症4週以内に症状がピークとなることや、髄液検査の結果により総合的に判断される。
FSではGBSと同様にガングリオシドと反応する自己抗体が産生され、7~9割の患者血清中に抗GQ1bIgG抗体が検出されることが報告されている。抗ガングリオシド抗体は、健常者や他の神経疾患で検出されることはまれで、検出されても低力価である。抗GQ1bIgG抗体は本症例に特異性が高く、また発症早期から血清中に検出されるため、病初期におけるFSの補助診断マーカーとして非常に有用である。
血清中抗GQ1bIgG抗体の検出はFSの鑑別診断に有用であり、FSが疑われた時点で本検査を行うことで早期治療の開始、早期回復、後遺症の軽減が期待できる。

測定方法: ELISA法

測定機器: サンライズリモート/TECAN

測定試薬: IgG抗GQ1b抗体キット ガングリオシドAb・チェック GQ1b((株)シノテスト)

検体種別: 血液 0.3 mL 茶

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