IgGサブクラスIgG4

令和元年10月30日より院内検査

外注会社:LSI(令和元年10月29日まで)

臨床的意義

免疫グロブリンの一つであるIgGは、化学的性状や生物学的機能が異なる4つのサブクラスにより構成されている。 そのサブクラスの一つであるIgG4は、血清中総IgG濃度の3〜4%程度を占めている。 自己免疫性膵炎では、通常高ガンマグロブリン血症や高IgG血症が認められるが、 2001年にHamanoらにより硬化性膵炎において、多くの症例で高IgG4血症が認められることが報告され、 疾患との関連性が注目されている。



測定法:ラテックス免疫比濁法(令和元年10月30日より)

測定機器:日本電子BM8040(令和元年10月30日より)

測定試薬:IgGサブクラスBS-TIA3 IgG4(株式会社医学生物学研究所)

基準値:14.6〜117.0 mg/dL(令和4年4月1日より)

4.5〜117.0 mg/dL(令和元年10月30日より令和4年3月31日まで)

4.8〜105mg/dL(令和元年10月29日まで)

採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管


自己免疫性膵炎臨床診断基準2006(厚生労働省研究班/日本膵臓学会)

1.膵画像検査にて特徴的な主膵管狭細像と膵腫大を認める。
2.血液検査で高ガンマグロブリン血症、高IgG血症、高IgG4血症、自己抗体のいずれかを認める。
3.病理組織学的所見として膵にリンパ球、形質細胞を主とする著明な細胞浸潤と線維化を認める。
上記の1.を含め2項目以上を満たす症例を自己免疫性膵炎と診断する。但し、膵癌、胆管癌などの悪性腫瘍を除外することが必要である。


IgG4関連ミクリッツ病診断基準(日本シェーグレン症候群研究会IgG4関連疾患検討委員会)

1.涙腺、耳下腺、顎下腺の持続性(3ヶ月以上)、対称性に2ペア以上の腫張を認める。
2.血清学的に高IgG4血症(135mg/dL以上)を認める。
3.涙腺、唾液腺組織に著明なIgG4陽性形質細胞浸潤(強拡大5視野でIgG4陽性/IgG陽性細胞が50%以上)を認める。

項目1と項目2または項目3を満たすものをIgG4関連ミクリッツ病と診断する。また、サルコイドーシス、キャッスルマン病、ウェゲナー肉芽腫、リンパ腫、癌を鑑別する。



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