甲状腺刺激抗体, TSAb(thyroid stimulating antibody) 

外注会社:BML(平成15年3月31日まで大塚)


測定法:バイオアッセイ法(令和5年3月31日より)
    バイオアッセイ+EIA法(平成27年4月1日より令和5年3月30日まで)
    バイオアッセイ+RIA(二抗体法)(平成27年3月31日まで)

臨床的意義
 TSHレセプターは分子量約100kDaの糖蛋白で、これにTSHが結合すると活性化される。 このレセプターに対する自己抗体がバセドウ病で血中に出現し、甲状腺機能を亢進させる。 この抗体は通常TSHレセプター抗体と呼ばれTSHがレセプターと結合するのを阻止するため、TSH結合阻止抗体(TBII)ともいわれる。 しかし抗体のなかには甲状腺刺激活性をもつものがあり、バセドウ病における亢進状態はこれに発来する。 その一方、TSHによる刺激を阻害するもの(甲状腺刺激阻止抗体)も知られており、甲状腺機能低下症をおこすことがある。 本検査は甲状腺刺激性自己抗体活性をみる検査であり、TSH刺激性自己抗体(TSAb)と呼ばれる。 これは、被検血清をブタ甲状腺培養細胞に反応させ、産生されたサイクリックAMP量を測定して刺激活性をみるものである。 健康保険にも収載され、また疾患特異性も高いため、バセドウ病の鑑別疾患に有用とされている。TSAbは甲状腺機能亢進症の程度とよく相関するといわれている。

適応疾患: バセドウ病、euthyroid Graves'病、橋本病

基準値:110%未満(令和5年3月31日より)
    120%未満(平成27年4月1日より令和5年3月30日まで)
    180%未満(平成27年3月31日まで)

採取容器:
茶)生化学一般用分離剤入り試験管 

関連項目

TSHレセプター抗体
抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体
抗サイログロブリン抗体
甲状腺刺激ホルモン
総サイロキシン
トリヨードサイロニン
遊離サイロキシン
遊離トリヨードサイロニン 

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